ニュース情報番組OPは、主にテレビ放送において、ニュース番組・情報番組のオープニング映像に付けられるタグである。オープニングの他にもテロップやワイプなどのエフェクト、ニュース番組のセットまで扱うことがある。
この記事では、ニュースのオープニング自体に関しても説明する。
概要
ニュース・情報番組は、ネットワークのキー局が全国に向けて放送する全国ニュース(FNNスピークなど、ネットワーク名が冠に付いている物が多い)と、各放送局が地域に向けて放送するローカルニュース(全国ニュースを内包していることも多い)がある。ローカルニュースの場合は、各放送局が自主制作しているために独自性が強く、キー局およびニュース系列や新聞資本などへの依存度が目に見えて現れる。
オープニングに関しても企業に依頼しているものも多いが、これも各局の設備・映像編集のノウハウ・人的要因によってまるで工芸品の如くクオリティーが左右される。さらにそれらは、1~5年という短い周期で変更されるために多数のバージョンが存在するため、局名告知映像、いわゆるテレビ局のオープニング・クロージング映像と同様に技術資料として全国各地果ては世界各地のニュースOP映像を収集するマニアが今も昔も存在する。ほとんどのマニアはテロップマニアも兼ねているため、マニアにとってはOPやテロップの出来具合がニュース番組自体の評価に直接繋がることが多い。
一般的な視聴者が全国のニュースOPを目にするのは、年に数回キー局で放送されるNG大賞・ハプニング集ぐらいであろうか。
前述の通りオープニング映像の質にはピンキリがあるために、マニアのコミュニティーの間ではオープニングの善し悪しに関して常に議論が行われている。 特に番組のリニューアルが多い改編期にはコミュニティーが活発になる。
オープニングの質を計る上での評価基準を挙げると、
- OP映像の長さ(5秒以下のOPは嫌われる傾向にあり、15秒以上だと評価が上がる)
- CGの画質(明らかに安っぽいのは嫌われる傾向にある)
- CGの動き(静止画や動きが少ないOPはあまり好かれない傾向にある)
- CGと音楽のマッチ度(明らかにマッチしていないのは嫌われる傾向にある)
- 天カメ使用の有無(天カメを使った物は、フルCGのOPよりは評価を落とす傾向にある)
- 音楽の質(安っぽい物、J-POPなどのボーカル曲を使った物はあまり好かれない傾向にある)
- 全体的なセンス(かわいいOPはあまり好かれず、BBCニュースのような海外ニュース風のOPが好かれる傾向にある)
というところか。これ以外にも産経テレニュースのOPの様に長期間変わらずに使われている文化遺産の様なOPは評価を高める傾向にある。
近年マニアの間で評価が高かったOPは、NHKの朝に放送されている「おはよう日本」の2008年度のオープニング(7時台)である。前年度のおはよう日本では7時台のOPが省略されていて1年ぶりのOP復活となった事や海外ニュースを思わせる様な質の高いCGが、評価を高める要因となった。
逆に評価が低かったOPは、フジテレビのお昼に放送されている「FNNスピーク」の同じく2008年度から使用されているオープニングである。
スピークのリニューアル前最後の放送でテーマ曲含めた番組のリニューアルに関する特集が組まれたためにマニアの間では期待値が上がっていた。が、いざ放送日になってみればオープニングがリニューアル前と比べて簡素化されていたり、テロップの質も低下していたことからマニアは落胆。唯一話題になったのは「ばるるばるる」というニュース番組に似合わないようなジングルがネタになったに過ぎなかった。
オープニングで使われる音楽は、80年代以前はオーケストラやプラスバンド系の堂々としたファンファーレ風の音楽が多かった。ほとんどが番組用に独自に制作されたものである。ニュースステーションが始まった頃、80年代中期を境としてオープニングで使われる音楽は当時流行っていたフュージョンやテクノなどのシンセサイザーを多く使った電子音楽物が多く使われるようになり、有名アーティストの音楽を流用する事も多くなった。長時間の情報ワイドショーが多くなるにつれて、J-POPを始めとしたボーカル物もOPに使われるようになる。フリー音源とよばれる物が使われる事も多くなった。現在、オープニングで使われる主流の音楽ジャンルは、今でもカシオペアでおなじみのフュージョンや葉加瀬太郎などのイージーリスニングなどのインスト曲が多いものの、バラエティー性の強い情報番組ではボーカル曲が使われることが多くなったようだ。
名作オープニング
青屏風(ANN・テレビ朝日系 ANNニュース&ニュースステーション 1985.10)
マニアにニュースのオープニングの名作を尋ねたら、必ずと言っていいほどこのOPが挙がる。テレビ朝日の本社移転とニュースステーション開始を機にANNニュース全体のOPを一新したのが青屏風が誕生したきっかけである。
青屏風以前のANN系のオープニングはどちらかというと他局と比べて古めかしいものが多かった。格子絨毯にせよ、金タイルにせよ映像の質はお世辞にも高いとはいえない。(ぱっぱやーは名作だが)ところが、この青屏風は他局のOPと同程度どころが格段に上回る品質を持っていた。OPの詳しい説明はWikipediaのANNニュースの項目にお任せするとして、青屏風の何が凄いかというと、世界地図が常に流れている青屏風が3段の階段状になる動きや屏風の間から球体が出る動きなど複雑なCGをしかも高品質に作ったところ。宇宙などの黒を基調としたオープニングが多かった当時にしては珍しく青や白などの明るい色を使っており、爽やかな印象を与えたのが人気の所以かもしれない。
その爽やかさをさらに強調したのがBGMである。青屏風のBGMを担当したのは、一般には中森明菜のミ・アモーレの作曲家として知られるラテン・フュージョン・ピアニストの松岡直也。この頃の松岡氏は演奏家としても作曲家としても一番脂がのっていた絶頂期であり、もちろんこの青屏風で使われた音楽も名曲である。 一般的には朝のニュース(セブン&フレッシュ)で使われたプラス系の明るい曲と昼と夕方のニュース(ライナー&レーダー)で使われた癒し系の曲の2つが知られているが、元々は1曲として繋がっておりニュースステーションにてロング版が使用されていた。曲の特徴としては、松岡直也らしくセンチメンタルなメロディー。そして同氏の楽曲「Chillon-Welcome (One Last Farewell版)」と同じ様にカッティングギター(ギターは和田アキラ?)が目立っており爽やかである。サウンドとしては、氏のアルバムの『Splash & Flash』と『One Last Farewell』辺りの音色と似ており、多分松岡直也グループ自身が演奏した物だと思われる。
このBGMは残念ながらソフト化はされておらず、テレビで使われていたのも途中でフェードアウトやカットなどがされており、有志が素材をつなぎ合わせて作った延長版があるがそれも完全ではなくフル版を聴く手段はない。フル版の編成は現在分かっている所で、プラス系 → 癒し系(プラス有)→(キーボート中心のパート)… 癒し系(ピアノ有・ピアノソロ)→ ENDという事である。 開始当初の番宣で使われた曲(プラス中心)がこのフル版の一部であるかどうかは分からない。
もうひとつ青屏風で特筆すべき点は、使用期間の長さである。ANN系では、大概2年か3年でオープニングが切り替わるが、この青屏風は共通テーマとしては5年、土日のフレッシュでは93年まで使われ続けた。
この青屏風以降、テレビ朝日のニュース番組のオープニングは数多くの名作を生んでいる。テレ朝のニュース番組のオープニングに関するセンスの良さの原点はこの青屏風にあるかもしれない。
たかしまテーマ(FNN・フジテレビ系 FNNニュース&産経テレニュース 1984.4)
フジテレビで使われているニュースのオープニングと言ったら多くの人はFNNニュースの現行テーマではなく、このたかしまテーマを思い浮かべるだろう。
プラス系の音が鳴り響く産経テレニュースのテーマ。元々は1984年4月から使用されているFNNの共通テーマ曲で、作曲したのはドリフやパーマンでお馴染みのたかしまあきひこ。1998年に共通テーマ曲が変更になっても、産経テレニュースだけはCGも音楽も変えずにそのまま使い続けた。もちろん、今もCGはデジタル化の波に押されてリニューアルした(とはいってもリニューアル前のCGの面影がかなり残っている)が、曲はFNNの共通テーマに変更されずに使われ続けている。それだけ、この曲の人気が高いのだろうか。
同じ時期に登場したJNNの電子音OPと同じ様に同じ音を繰り返す所が多く長さ調節が容易に出来るためか、様々な形態で放送されている。
滝流れ(JNN・TBS系 JNNニュースなど 1975)
加筆要請 滝流れに関する説明は今のところありません。 加筆をして下さる協力者を求めています。 |
隕石爆発(FNN・FTV SAYニュースなど 199?)
隕石爆発単体の大百科ページがあるので、そこも参照していただきたい。
隕石爆発とは、かつてFNNの地方局(NNNとのクロスネット局が使用している例もあり)の大半で使われていたオープニングCG映像である。名前の由来は「隕石が爆発するCG」だから。
このCGを作ったのは福島テレビだという説が有力であるが、今のところどこが作ったのかはハッキリしていない。
OPに使われているBGMはヘニー・ベッカー作曲の「Psyched」という曲で、映画のサントラから引用しているという説もあり、少し激しい曲となっている。BGM自体は1996年頃に「ドラゴンボールGTカードダスステーション」のCM曲としても使用されており、更には国外でも使用例が多数あるらしく幅広い地域でライセンスが売り出されていたものと思われる。
各局によって使用する映像や音の部分が違い、最初から使うパターンや、途中から使うパターン、1部分使うパターンもある。また、隕石が爆発したときの効果音を省いている局もあった。
1990年代~2000年代にかけて極めて広域に使用され、様々なバリエーションが存在したことから、一部のマニアが検証用の画像や動画を集めたものを掲示板や動画サイトに公開するなど、コアな人気がある事で知られる。
ほとんどはローカル枠及びFNNニュースのOPの差し替えなどで使われているが、一部の局ではニュースJAPANの週末版を隕石爆発に差し替えた例もあった。
2010年7月の全番組16:9化以降、使用する局が激減し、高知さんさんテレビが2013年3月いっぱいで使用を打ち切ったのを最後に、映像を使用する局が消滅。また映像はリニューアルしたもののBGMのみはテレビ大分が平日夕方のローカルニュース(TOSニュース⇒宇宙人ニュース)にて使用を続けていたが、2023年3月にこの枠自体が廃止され、翌月の平日朝から放送を開始したローカルニュースにはOPが存在しない事から、これをもってBGMを使用する局も現在は消滅している。
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関連項目
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