金沢競馬場とは、石川県金沢市八田町西1番地に所在する地方競馬場である。益田、三条、上山などの廃止により、現在では日本海側に位置する唯一の競馬場となっている。「KANAZAWA Horse Park」という愛称がいちおうついているが、浸透しているかは…。
概要
1つの競馬場ながら石川県と金沢市が別々に主催しており、「県営第○回」「市営第○回」という表記でどちらが主催か見分けることが出来る。まあ市営でも県営でもやってることは同じ。
開催は原則毎週日曜、火曜の週2日開催。ただし、気候の問題から冬季は開催しない。その間騎手や所属馬の中には他場に出稼ぎに行くものも。東海地区の名古屋、笠松両競馬場と相互発売を行っており、場外発売を相互に実施している。
スタンド3階の一角には畳敷きの一般観覧席があったり、着順掲示板の屋根がなぜか瓦葺になっているなど、場内には細かいネタが仕込まれている。入場料は100円、特別観覧席は1,000円。競馬場には珍しく、握り寿司を出す本格的な寿司屋が2つも営業していることでも知られている。場内実況は南関東4場と同じ耳目社所属アナウンサーが金沢に出向いて実況している。
最寄り駅はJR北陸本線森本駅だが、徒歩30分以上かかることから、素直に車かファンバスを使えばよい。ファンバスは金沢市内をはじめ、石川県内各地、さらにはJR富山駅からと最近の地方競馬ファンバスでは珍しく豊富に路線が設定されている。
コースはダートコース1周1200mの右回り。フルゲートは12頭。900~2600mまで設定されているが、「北國王冠」「百万石賞」「中日杯」といった歴史のある重賞は2000m以上の長距離戦が中心、金沢唯一のダートグレードレース「白山大賞典(JpnIII)」も2100mの長距離戦である。地方ダービーでは最も歴史が新しい「石川ダービー」も2000m。3歳馬にとっては未知の距離を走るレースとなる。
第13回JBC競走
2013年11月4日(振休・月)に開催された第13回JBC競走は、「JBCレディスクラシック」が今回からJpnIに格付けされたことで、JpnIを1日3レース行う初のJBCとなったため「競馬史上初の一日。歴史の幕開けは、金沢。」をキャッチコピーに開催。ファンバスや臨時駐車場を大増強するも、全国の競馬ファンによって開門前から長蛇の列ができ、JBCの威力をまざまざと見せ付けることとなった。
ちなみに、金沢競馬場所属馬でダートグレード競走に勝利した馬はこれまで1頭もいなかった。しかし、2011年に中央から移籍してきたナムラダイキチが地元では敵なし状態となり、2012年には「白山大賞典」でのちにGI馬となるニホンピロアワーズの2着となる活躍をみせるなど、地元の最強馬として強豪を迎え撃つ立場にと期待が高まっていた…が、JBC前に故障を発症し長期休養に。地元の王者が不在のままJBC競走を迎えることになった。
当日は全11レース中JBC3競走に加え、特設の地元2歳馬重賞「百万石ジュニアカップ」、残りはすべて特別競走の選抜戦となる特別バージョン。場内は北陸各地のグルメ屋台が集うなどお祭ムード一色で行われたほか、JBC3競走のファンファーレは金沢ではひさびさとなる生演奏で行われた。なお、JBCクラシックではナムラダイキチ登場まで金沢の大将格に君臨していたジャングルスマイルが3着とは大差ながら地方最先着となる4着に食い込み、地元の意地を見せた。
来場者数は1万2,569人と近年の平均値の44倍、1日の売得金は24億9,700万余りとこれまでの記録(8億6,300万余り)を22年ぶりに更新する金沢競馬史上最高記録をマークし、無事成功裏に終えた。
第21回JBC競走
2021年には8年ぶりの金沢開催となるJBCが11月3日が開催。前回同様、門別で行われる2歳優駿以外のJBC3競走が開催されることとなったが、当時は新型コロナウイルスの感染症拡大防止対策が講じられていたことから事前抽選による当選者1,300人のみの入場に限られた。
「第11回JBCレディスクラシック(JpnI)」はテオレーマのコースレコード勝ち、「第21回JBCスプリント(JpnI)」もレッドルゼルのコースレコード勝ちとJRA勢の勝利が続いたが、最終競走に組まれた「第21回JBCクラシック(JpnI)」で地元の吉原寛人騎手が騎乗した船橋のミューチャリーが勝利し、史上初の地方所属馬のJBCクラシック制覇となり、またしても歴史に刻まれる開催となった。
入場人員は限られたものの、勢いあるインターネット投票がカバー、また地方他場も日程や同日開催場の発走時刻を調整してJBC競走に集中させる体制を取ったことからJBCクラシックで金沢競馬1競走売得金の新記録となる15億2,427万7,400円を売上。また、1日の売得金も54億6,426万500円と8年前を大きく上回り、こちらもレコード更新となった。
個人協賛競走
2007年に個人協賛競走の受付を開始している。しかし金沢競馬の個人協賛がニコニコ動画で話題になることはほとんどない。これは「著作権に関わるレース名等は受け付けない」という明確な決まりがあるため、いわゆる「痛レース」がほとんど開催できないことが大きいと思われる。
その代わりに企業協賛レースも同時に受け付けているので、痛レースはこちらが担当とも言えるだろう。他場でも行われている『ウマ娘 プリティーダービー』とのコラボレース開催は記憶に新しい。
「金沢ちびうま団プレゼンツ」
金沢競馬では、ときおりこの冠がついたエキシビジョンレースが組まれることがある。基本的にはちびっ子騎手によるポニーレースなのだが、なかにはS級競輪選手や騎手、さらには「じじい」や「おばさん」をともに走らせて競走させ、イベントが終わるとエンディングテーマは竹内力など、斜め上を行く展開の競走を企画することもある。ネタ要素が少なく地味な金沢競馬にあって、唯一かつ最強といっていい、動画映えもする目立つイベントである。(※現在は行われていない)
しんがりのニコニコ競馬チャンネル放送開始
2016年に大井競馬の中継で幕を開けたニコニコ生放送での地方競馬中継は続々と各場が加わったものの金沢競馬だけは一向に開始される気配がなかった。2021年度に自前のYouTube公式チャンネルでレース中継の生配信が開始されたがチャット欄が使用不可になっていたため、余計にニコニコでは…感が一層強まっていた。
しかし、2022年3月に突如翌月からの金沢競馬の配信開始が告知され、ニコ生地方競馬民は騒然となる。YouTubeのチャット閉鎖配信という前例もあり、コメントが打てない生放送なのではとの憶測も飛んだが、2022年4月3日の県営第1回初日からちゃんとコメントが打てる生放送が開始された。(なおYouTubeもほどなくチャット欄が開放されている)
なお、配信初日の開始直後にニコ生運営コメントから金沢中継開始の挨拶が流れた際、金沢競馬だけ配信がなかなか始まらなかった理由が明かされた。それによると、概要欄にある通りに金沢競馬の主催が石川県と金沢市の2団体であることから、一体の金沢競馬中継とするには両主催者との交渉が必要となったためで、足並みがなかなか揃わなかったのか打診から実現まで実に3年を要したという。
関連動画
金沢ちびうま団プレゼンツ
関連項目
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