DOKURO -毒狼-とは、『ビジネスジャンプ』で連載された猿渡哲也による漫画である。単行本は全4巻。
概要
『ビジネスジャンプ』2001年23号に掲載された読み切り作品「毒狼<青春地獄変>」の連載版。
「宗教天国」と揶揄される日本を舞台にしたバイオレンス・アクション。
宗教団体の影響力の強さや二世信者として生まれた苦しみなど、やりすぎだがどこか現代とリンクする点も少なくない。
あらすじ
幼い頃、熱心な信者だった母親に連れられて宗教団体・涅槃創生会に入信したキクチタケオは、教団の保安局粛殺班に所属する最強の暗殺者「毒狼」として成長し、暗躍してきたが、ある時、教団に背き脱会。
脱班者(ぬけイヌ)となり、幾多の追っ手が迫る中、神の名を騙る偽善者への復讐を開始する。
登場人物
キクチタケオ
主人公。身長183cm体重84kg。「毒狼」のコードネームを持つ人間離れした身体能力の暗殺者。あらゆる格闘術と殺人術を習得しており、二世信者として涅槃創生会の障害となる人物を排除してきたが、ある日を境に脱会し、今まで犯したことへの贖罪として教団の崩壊を目論む。幼少期に母親に焼身自殺の道連れにされ、背中にはその時できた狼の形のケロイドが残っている。特殊な金属でできたファングブレードワイヤーというワイヤー状の武器を得物とする。また、類まれな豪運の持ち主でもある。人呼んで「神を恨み、神に愛された男」。
金平愛一郎
信者から神様と崇められている、宗教法人「涅槃創生会」の会長。篤志家としての顔を振りまく一方、その裏では信心を利用して金を毟り取る悪の唯物論者。タケオ曰く「人を幸福にする能力はないが、人を不幸にすることにおいては天才的」。
お母さん
タケオと貫の母親。涅槃創生会に入信したことがきっかけで醜く、そして恐ろしく変貌してしまった。
無道
タケオと同じ特別養成施設で育った、涅槃創生会粛殺班所属の血も涙もない暗殺者。金平愛一郎の側近だが心から忠誠を誓っているわけではなく、跡継ぎとなり教団を乗っ取って破壊することを画策している。かつて川嶋に調教されたことが要因で女を愛することが出来ず、その心と体はタケオを欲している。
菊池貫
タケオの弟思いな実兄。両親の離婚を機に父親に引き取られた。刑事になっており、国家権力を背に涅槃創生会を壊滅させるための捜査を開始する。
シン
タケオと行動を共にする女の暗殺者。すぐに猿空間に入ってしまう。
カズ婆
ハート様みたいな肥満体の占い師。モデルは細木数子だが、太っているためマツコ・デラックスのほうがよく似ている。
川嶋純太
カンコウの教育長。もちろんドSでしかもバイ。かつてはそれなりの正義感を持ち合わせた警察官だったが、涅槃創生会に関わったことで人生が破綻した。
小金井博士
カンコウで人体実験や臓器売買を行うマッドサイエンティスト。
ガッちゃん
小金井博士の手で怪物となった、ゴリラの怪力と五歳児の知能を持つ改造人間。
金平麗美
金平愛一郎の全盲の一人娘。無道の婚約者でもある。父を善人だと信じ切っていたが吹っ切れた川嶋にその所業を暴露され狼狽する。
用語
- 涅槃創生会……金平愛一郎が創設した新興宗教団体。支部が250か所あり、信者は50万人に達している。
- 関東特別医療更生収容所……アルカトラズ島の元連邦刑務所をモデルに建てられた孤島の収容所。通称・カンコウ。表向きは精神疾患持ちの受刑者が円滑に社会復帰できるよう教育する施設だが、その実態は涅槃創生会の息がかかる無法地帯である。
関連動画
関連リンク
関連項目
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