間伐材とは、森林が生長する過程で樹木同士のいわゆる共倒れを防ぐために間引いた際に発生する木材のことである。
概要
そもそも間伐とは、森林が生長し背の高い樹木が多くなってきた際に樹木間の競争を減らし、さらに良く成長させるために細いものや材木として形の悪いものを間引くための伐採である。また、林床(リンショウ)に太陽光が届くようになったり、下草が生育しやすい環境ができたり、土砂流失災害の防止にも繋がる重要な森林保育作業である。
生育する下草にはぜんまいやタラの芽などの山菜もよくあるので、地方のスーパーや直売所にもよく並んでいる。
また、間伐をせずに樹木を伸び放題にしていると、樹木1本1本が細くなってしまい、少し強い風が吹いただけでドミノ倒しのように大半の樹木が倒れてしまい、森がつんつるてんになってしまうのである。
あのにっくき花粉症が社会問題になったのも適切な間伐を行わなかったからという説も存在する。
ちなみに、南米などで行われているような、森林を片っ端から伐採するのを『皆伐(カイバツ)』といい、間伐とは全く別の物なので注意。
間伐材の主な使い道
等の使い道がある。
間伐の抱える問題
1964年に木材の完全輸入自由化が成立。更に1990年代になってからは輸入木材の需要が増えたため間伐材の値段が下落してしまい、間伐をして木材市場に持っていっても値段が伸びず、伐採や輸送コストの方が高くなってしまい採算が合わなくなっている。赤字が出るということは当然儲からないのだから森林の所有者は間伐をしなくなってしまう。そしていつしか放棄された森林は痩せて脆くなり、死んでいく。
採算が出ない事業であるという事は当然の事ながら新規で就労する労働者が居ないという事と同義であり、この結果林業労働者の平均年齢は50歳を超え、構成労働人口の6割以上を50歳以上が占める結果となってしまっている。
だからエコ箸なるものを使用するのもいいが、間伐のメイン収入でもある割り箸は使ってくれた方が逆に森林保護のためになったりするのである。
ちなみに、1990年代に「日本は割り箸を製造するために貴重な熱帯雨林を伐採している!」などという一部論調があった。これは完全な間違い・出鱈目であったのだが、これを鵜呑みにした人々の為、大規模な日本の割り箸製造業は事実上壊滅した。
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関連項目
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