あの域に到達したのは20代の後半とは、漫画『HUNTER×HUNTER』の台詞である。なお、後世の作品でも多少の表記を変えつつパロディとして使われている。
概要
HUNTER×HUNTERにおいては、単行本17巻、No.167「対決⑩」に登場。ゲーム空間内で繰り広げられる「グリードアイランド編」の一部にあたり、カード「一坪の海岸線」を獲得するためにゲームマスターのレイザーとハンターたちがドッジボールをしている場面で登場した。
勝つためには相手のレイザーの投げる球を捕って反撃しなければならない。しかしプレイヤーは「念能力」を駆使しながら戦っており、下手に飛んできたボールに当たると死ぬ危険性もある。
1vs3の場面で、レイザーがバレーのスパイクを相手内野に向かって全力で放つが、ゴン・キルア・ヒソカの3人は捕球のためのフォーメーションをとる。ゴンが球を直接捕り、ヒソカは取りこぼしを防ぐため後ろから能力で球を包み込んだ。その間にいたキルアはクッションと踏ん張りの役割を果たし、体に配分した念能力のオーラでボールからの衝撃を弱めつつ、足のオーラも残して3人とも外野に吹き飛ばされるのを防いだ。
レイザーはキルアの技能に対して、「体と足への攻防力を何対何で振り分けるか…おそらく誤差1%以下の精度を要求されていたはず」「これほど経験とセンスが要求される技術は他にない」と推測しており、経験が足りないキルアがこれを達成できたのは「余りある天才的なセンス」によるものとした。そして、この様子を見ていたビスケも
と心中で捉えていた。ちなみに普段のビスケの外見は少女だが、実年齢は57歳であり、実際には経験豊富なハンターでゴンとキルアの師匠役も務めていた。実力あるハンターから見ても神業であったことを際立てつつ、12歳のキルアの今後のさらなる成長を予想させる台詞となっている。
パロディ
複数の作品でパロディにされている。
呪術廻戦
漫画『呪術廻戦』では、単行本27巻に掲載された第241話「勝ち残れ!!」で、デスゲーム「死滅回游」の最中に登場した。突然土下座をしたお笑い芸人の髙羽史彦に対し、敵の羂索が
髙羽はお笑い芸人であるが、自覚せずに「自分が芸人として面白いと思う展開に事象を改変する術式(能力)」を駆使して自身へのダメージを一方的に無効化している。ただ、お笑いの知識があった羂索からギャグを論理的に批判されてしまう。
髙羽は「オマエにウケなくたってオマエ以外にウケたら関係ねーんだよ!!」と言い返すも、かつて戦った黄櫨折の死体を見て動揺したことも加わり、術式の発動条件である自分のギャグへの自信を失いつつあった。
しかし羂索の攻撃を受け始めながら、髙羽はこれまでの売れない芸人人生を振り返り、「みんなに自分を知ってほしいからお笑いを始めたのに、いつからか自分を傷つけたくない思いから、お笑いに真面目に向き合っていなかった」ことに気づいた。
そして羂索に全力で土下座して謝罪し、当記事の場面に至る。さらに、先ほどの発言を「オマエ以外にウケればいいなんて思ってないよ!!」と撤回、さらに「オマエを胃袋吐くまで笑わせてやる!!それが俺のお笑いだ!!」と宣言する。つまり謝罪自体はギャグを意図していたわけではないと思われる。
ただ、羂索は「20代後半……」の後に
いや私は
何を言ってるんだ?
と思い直しているので、「20代後半」については髙羽の術式によるギャグ的な精神汚染の可能性も考えられる。実際のところ1000年以上生きている羂索が、20代の後半で美しい土下座をしていたのかは不明である。ちなみに髙羽の年齢は35歳。
なお、「この域」「達した」「20代後半(“の”がない)」と、HUNTER×HUNTERからはわずかに表記が異なる。
僕とロボコ
漫画『僕とロボコ』でも187話「釣りとボンド」(単行本未収録)にパロディとして登場している。こちらの台詞は「10代の後半」となっている。
芹澤が暮らす山で渓流釣りをすることになり、主人公で小学5年生のボンドは初めてながらあえて一番難しそうなテンカラ釣りを選んだ。そして芹澤が釣りの様子を観察し、ポイントの選択や安定したキャストなどの卓越した技術とセンスを見取る。
僕が一度見本を見せただけで…
10も20も吸収してしまうあの観察眼!!
恐ろしい才能…!
おそらく僕があの域に到達したのは10代の後半…
関連リンク
関連項目
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