- 静脈血栓塞栓症のこと。飛行機のエコノミークラスの座席などで、長時間同じ姿勢を取り続けていると発症することからこう呼ばれている。「エコノミークラス症候群」と呼ばれることが多い。
- ニコニコ動画内の動画を、低画質モード(エコノミーモード)で見たとき、通常の再生では見ることができない異常現象が発生する動画や、その現象に対する呼び名。呼び名の由来は1.より。本記事にて記述する。
- 2016年8月より始まったサーバーエンコード(いわゆる1.5GB再エンコード問題)によって発生する不具合。2.と同じ症状だが、投稿者側の問題ではなく、ニコニコサーバーが原因で発生するため、対処は非常に困難。詳細は「1.5GB再エンコード問題」の「新仕様のバグ」を参照。
概要
低画質モード(エコノミーモード)が作動すると、低画質でエンコードされたサーバーに負担の少ない動画が一般会員(無料会員)に対し配信される。このとき、通常は低画質・低音質な動画として再生されるが、ときおり、エンコードが上手くいかずに単なる低画質・低音質ではない別の異常現象が発生してしまうことがある。このような現象は、ニコニコ動画内において「エコノミー症候群」と呼ばれている。どのような異常現象が発生するかに関しては「関連動画」の項目で言及する。
大抵は上記のような意味で使われる言葉であるが、低画質・低音質が激しすぎるだけの動画も、「エコノミー症候群」と呼ばれることがある。
異常現象にはいくつかの種類があるが、組み合わせによっては、エコノミー症候群が発生した動画が、本編とは別な意味で面白くなってしまう場合もある。
プレミアム会員が、低画質モードの状態で動画を見たいときには、動画のURLの一番最後に「?eco=1」を挿入することにより、強制的に低画質モードの状態で再生をすることができる。一般会員が低画質モード時間帯以外のときに低画質モードの状態で動画を見たい時も、同様の方法で可能となる。
対策
- 動画URLの末尾に「?eco=1」をつける事で、時間帯やプレミアム会員か否かに関わらずいつでもエコノミーモード時の動画が確認できる。
- 発症した場合、直す(エコノミー動画を正常なものに差し替える)手段は存在しない。諦めて動画を削除しよう。
- 発症はエンコード時の設定に依存する。新しめのオプションなどを使用すると発生する事がある。
- 可変フレームレート(VFR)はほぼ確実にエコノミー症候群を引き起こす。ソフトにお任せの高画質設定だとVFR動画を吐くソフトが存在するので、設定を普通くらいに落としてみよう。フレームレートはMediainfo
のようなソフトウェアで確認できる。
- AviUtlで逆テレシネ解除やインターレース解除をするとVFRになる事がある。同じく、自動フィールドシフトを有効にするとVFRになる。同じく、初期ディレイカットもVFRを生成する。これらのオプションを使うとエコノミー症候群になる可能性が高い。
- まったく同一の動画であっても、何度か投稿すると発症したりしなかったりする事がある。どうにもならない場合は運任せもまたひとつの手。
関連動画(症状別動画紹介)
以下、エコノミー症候群の症状別に動画を紹介する。なお、ここに挙げられている動画は、その症状のほんの一例であり、これ以外にもエコノミー症候群の動画は多く存在する。
症状一覧(目次) |
速度に関する症状
高速化(映像のみ)
低画質モード再生時、音声は普通に再生されるが、映像が通常再生時よりも高速再生される症状である。
低速化(音声のみ)
上記の「高速化(音声のみ)」は、音声が高速化する現象であったが、今度は逆に、音声がスロー再生される症状である。映像の方は、普通に再生される。そのため音声と映像はずれてしまう。
映像に関する症状
静止画化
低画質モードでの視聴時、映像が動かなくなり、静止画になってしまう症状である。動画の始めから静止画になる動画もあれば、動画の途中から静止画になる症状もある。
7分10秒からの静止画化
上記「静止画化」の特殊例。「7分10秒からの超高速化」の症状の静止画化版である。
上下反転
低画質モードのとき、映像の上下が反転されて表示される症状である。この症状は、ニコニコ動画に低画質モードが実装された2007年7月頃に流行した症状である。しかし、2007年7月に投稿された動画以外でこの症状がみられる動画は確認されておらず、この症状の流行はおさまった模様である。
左右反転・色差反転・部分的引き伸ばし
低画質モードのとき、映像の左右が反転されて一部分だけが引き伸ばされて表示される症状である。条件次第では、左右反転ではなく、一部のピクセルが引き伸ばされて表示されるという症状になることもある。
この症状が発生する動画は同時に、赤っぽい色と青っぽい色の色彩が反転してしまう症状も併発する。(AvisynthのSwapUVに近いが微妙に異なる)
動画再生中にFlash Playerがクラッシュしてしまうことがよくあるので注意。
2012/2/8のエコノミー仕様変更後に発生し始めた現象で、
- 投稿した動画のアスペクト比が16:9や4:3からずれている。(854x480や720x406等)
- エンコード時にアスペクト比(SAR,PAR)を明示指定している。(MP4Box -infoでPixel Aspect Ratioの表示が出ていれば明示指定されているが、sar=4:3,3:2,2:1など一部の値は判別できないこともある。)
- 1、2を満たしていると、ニコニコ動画のサーバー側エンコーダーシステムが、エコノミー動画の生成時に微妙な値のPAR(SAR)を指定することがある。(おそらく、黒べた追加とリサイズだけでは吸収しきれなかったアスペクト比のずれを、PARで打ち消そうとしている。)
- FlashPlayer(確認時のバージョンは11.2.202.228)には値の組み合わせによってはPAR(SAR)を正常に解釈できないというバグがあるらしく、再生映像がおかしくなったりクラッシュしたりする。
という流れで発生していると思われる。
なお、問題が起きるエコノミー動画も、ダウンロードしてFlashPlayer以外で再生した場合は問題はない。
根本的な原因は4であるが、そもそも変なアスペクト比で投稿するのはやめたほうがよい。(正直3の処理の必要性も疑問ではあるが。)
投稿サイズ854x480。左右反転の引き伸ばしタイプ。PAR=153293:153600
サーバー側でエンコードされたものなので投稿サイズ不明。512x384(4:3)で左右反転。PAR=97983:98048。
投稿サイズ720x406。画面左端と右端のピクセルが引き伸ばされている。PAR=64800:64757。
映像が異なるシーンがある
低画質モード再生時と、通常再生時で映像が異なるシーンが存在する症状である。下の例では0:00~0:10の映像が、低画質モードと通常再生で異なる映像となる。
映像が縮小される
通常時より映像が縮小され、縮小された分の画面の余白はただの黒枠になってしまう。
別の動画の映像が映る
低画質モードで再生したとき、全然関係ないと思われる動画の映像が、本当の動画と交互に点滅して映る。
画質悪化に関する症状
ピンク画像化
映像がピンク色になる症状である。サムネイルの選び方によっては、サムネイルもピンク色になる。2007年11月あたりから大流行しはじめ、現在ではすこし落ち着いたものの、ときどきこの症状になる動画が見られる。この症状が発生する人気がある動画には、わざわざ低画質モードでないときもピンク画像化になるような動画がアップロードされる場合もある。
変な縞模様
動画に、気持ち悪い変な模様が浮かび上がる症状である。慣れていない人が見ると抵抗があるかも。閲覧注意!
その他の特殊な画質悪化
上記の症状とは異なるもので、あまり似た症状が多くない画質悪化例を示す。
低画質モードの方が逆に正常動作する症状
通常再生時は無音
下の動画は、通常再生時は、音声が流れず、無音状態のままになってしまう。しかし、低画質モードで再生すると、音声が正常に流れる。
通常再生時は音声のみリピート
下の動画は、通常再生時は、動画を一度最後まで見終わると、その動画の音声だけがもう一度冒頭から流れ始めるという不思議な現象が発動する。しかし、低画質モードで再生すると、そのような不思議現象は起こらず、正常に再生が終了する。
その他の症状
自動ループしない
通常再生だと自動ループするようになっている動画であるが、低画質モードの場合、自動ループが小刻みに何度も発生してしまう。
シークバーを操作すると一番最後まで進んでしまう
通常再生時は普通にシークバーを操作可能であるが、低画質モードの場合、シークバーを操作すると動画の一番最後に強制的に進んでしまう。
関連項目
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