キハ11形とは、
本項では1の項目について記載する。
概要
国鉄民営化後、JR東海の非電化区間にはキハ35、40、58系等の気動車が在籍していたが、このうちキハ35系列とキハ58系列は老朽化が進んでおり、走行性能も悪く、サービス面でも改善の必要があった。そこでJR東海は、ローカル線のサービス改善と車両性能の向上、ワンマン運転対応による運用コスト削減を図るため新型気動車を開発した。それがキハ11形である。
この車両は輸送密度の低いローカル線での運用を考慮された設計となっており、車体は300番台のみステンレス車体で、それ以外は普通鋼製車体となっている。車体長は18m(車体長17.5m)の中型車サイズとされたため従来の気動車に比べて短く、車内もデッキなし、ワンマン運転に対応した構造となっており、座席もロングシートとボックスシートを組み合わせたセミクロスシートとなっている。その為、車体の大きいキハ40系列よりも定員が増えている。ボックスシートのシートピッチは1,550mmと従来の一般的な座席よりも80mm程度広く取られ、その大半を足元スペースの拡大に充てられているため、座面間同士の空間はかなり大きく見える。エンジンにはキハ85系で実績のあるカミンズ社製エンジンが採用されており、走行性能も大幅に改善されている。また、比較的短距離での運行を前提としていたため、トイレは300番台以外には付いていない。
1988年から製造が開始され、4種類の番台区分が存在した。かつては武豊線を除く全ての非電化路線で活躍していたが、キハ25形の登場や武豊線電化によるキハ75形の余剰により次第に勢力を縮小し、現在は名松線と東海交通事業城北線で運行されている。
各区分番台の詳細は下記の通り。
- 0番台・・・最初に作られたグループで10両が製造された。全てが伊勢車両区に所属していた。また、1両が事故廃車となっている。紀勢本線、参宮線、名松線で活躍していたが、2016年までにすべて廃車された。
- 100番台・・・0番台の寒冷地仕様で、主に高山本線、太多線で活躍した。最初は23両全てが美濃太田車両区所属であったが、その後6両が伊勢車両区に転属している。転属車は0番台と共通運用となっていた。2015年までにすべて廃車された(123はひたちなか海浜鉄道に売却)。
- 200番台・・・東海交通事業所属の車両で4両が製造された。基本的には100番台をベースとしているが、201、202と203、204で細かい仕様が違っており、前者はドア部のステップなし、塗装も城北線専用塗装となっている。後者は100番台と同じ仕様となっており、城北線の線路使用料相殺の為JR東海に貸し出しされ、美濃太田車両区に所属していた。
現在は全車がひたちなか海浜鉄道に売却されている。 - 300番台・・・暖地向け改良車で6両が製造された。従来の車両とは違い、車体がステンレス製になっているほか、前面の方向幕があった部分に前照灯を追加、エンジンも従来の物より少しだけパワーアップしたものに変更、車内設備も今までは無かった車椅子対応トイレを設置、長距離での運用にも対応した。4両は名古屋車両区に所属し、名松線で運用。2両はJR東海から東海交通事業に所属を移して城北線での運用となっている。
以前は伊勢車両区に所属し紀勢本線や参宮線で運用されていた。
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関連項目
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