コサックの子守唄(колыбельная песня)とは、1838年に発表されたロシアの歌曲である。
概要
作詞・作曲はロシアの詩人・作家であるミハイル・レールモントフ(1814~1841)。彼は、決闘事件で26年の短い生涯を閉じるまでの間に、創作活動の傍ら、各地を転戦したり、革命運動に身を投じるなど、激動の人生を送った。また、浅田真央がフィギュアスケートで使用したことでも知られる、ハチャトゥリアンのバレエ音楽「仮面舞踏会」の原作者でもある。
この曲は、レールモントフが軍務でとある村に宿営したとき、地元のコサックの女性が歌う子守唄を聞いて感銘を受け、その旋律を基に補作を加えた完成したものである。1番の歌詞はごく普通だが、2番以降は将来立派なコサック兵に成長して敵との戦いへ赴く我が子を案じる母親の心境を歌うものになっており、日本の各地に伝わる子守唄と同様その歌詞はかなり重い。
注目すべきは、2番に「獰猛なチェチェン兵が刀を研いで川を渡ってくる」など、この頃からロシアとチェチェンが不倶戴天の敵であったことが窺える(この当時チェチェンはまだロシアの支配下に入っておらず、ロシア帝国に抵抗して交戦中であった)。
そして歌い手側であるコサックもまた、ロシア帝国の軍事力として日露戦争などでも活躍したが、帝国の圧政に反対して叛乱をたびたび起こし、後にソビエト連邦によって激しく弾圧され、多くのコサック人が虐殺・餓死によって命を奪われるなど悲劇の道を歩むこととなる。
日本では津川主一によって訳詞され、ダーク・ダックスや倍賞千恵子などによって歌われている。但し、元々は6番まであるのに対して日本語版は2番までで、歌詞の内容も当たり障りの無いものに緩和されている。
ガールズ&パンツァーの反響
ロシア民謡(正確には民謡ではないが)のひとつとして、日本ではそこそこの知名度だった本曲だが、アニメ「ガールズ&パンツァー」の挿入歌に使われたことで注目を集めるようになった。
本編の第9話では、ノンナ役の上坂すみれがカチューシャを寝かしつける際に、この曲をロシア語で歌っている。元々のシナリオでは単に「子守唄」だけ記されているに過ぎず、それを声優界屈指のロシア通として知られる上坂すみれが、この曲をアドリブでしかもネイティブなロシア語で歌ったことが公式Twitterで明かされると、多くの視聴者や声優ファンはこれに驚き、すみぺの本気を改めて知らしめることとなった。
なお、この曲は歌い手によってメロディーやテンポに若干違いがあるが、上坂すみれが歌ったバージョンはダーク・ダックス版のものに近い。残念ながら、サウンドトラックには未収録である。
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