マメジカとは、鯨偶蹄目マメジカ科の哺乳類である。別名はネズミジカ。
概要
名前に「マメ(豆)」「ネズミ」と付く通り、小型犬かそれを下回る極めて小さな体躯を持つ動物で、鯨偶蹄目の中では世界最小。子供の個体は人の手の平に乗るサイズしかない。脚に至っては鉛筆と同じかそれより細くなるほど華奢である。顔はシカに似ているが角はなく、体格はずんぐりとしていて、背中がやや丸みを帯びているなどの特徴がある。
木の実や植物などを食べ、また反芻する(咀嚼して一度飲み込んだ食物を口に戻して再び噛む習性。ウシがするのが有名だろう)。反芻する動物(反芻亜目、Ruminantia)にはウシやシカ、キリンなどがいるが、近年の遺伝子・ミトコンドリア分析の結果、マメジカはそれらの中では最初に分化したと考えられており、少し遠縁と言える。
生物としてはかなり原始的な種であり、大変貴重な生き物である。ジャワマメジカなどの絶滅危惧な仲間もおり、その小柄な体格からわかるように外敵の襲撃には弱い。
オスには角の代わりに牙が生えており、それを使って争いを行うらしい。もちろんオス同士の話であって外敵との戦いには到底役に立たない。
マメジカの仲間達
- ミズマメジカ属
- インドマメジカ属
- マメジカ属
- ジャワマメジカ - ジャワ島に分布する固有種。マメジカの仲間のなかでは最小の部類。かつて上野動物園で飼育・展示されていたが2020年に亡くなっている。
- ヒメマメジカ - インドシナ半島からスマトラ島、ボルネオ島にかけて分布する。かつてはジャワマメジカの一部とされていたが2004年に別種だとして分割されている。
- オオマメジカ - インドシナ半島南部からスマトラ島、ボルネオ島にかけて分布する。体重5~8kg程度とマメジカ属の中では比較的大型。
- フィリピンマメジカ - フィリピン南西部・バラバク島に分布する。かつてはオオマメジカの亜種と看做されていた個体群。
- ベトナムマメジカ - ベトナム南部に分布していると見られる、かつてはオオマメジカの亜種と看做されていた個体群。2019年に撮影された「幻のマメジカ」はこれ[1]。
- ウィリアムソンマメジカ - タイ北部に分布すると見られるマメジカの仲間。ジャワマメジカから分割された。標本しか確認されていない。
関連動画
関連項目
脚注
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