レオパルト1とは、ドイツで開発されたMBT(主力戦車)である。
概要
第2次世界大戦後のドイツ(西ドイツ)が初めて開発した戦車であり世代としては戦後第2世代主力戦車に該当する。
背景
第2次世界大戦で敗北したドイツは東部をソビエト連邦、西部をアメリカ合衆国を中心とする西欧諸国によって分割された後『ドイツ人民共和国(東ドイツ)』と『ドイツ連邦共和国(西ドイツ)』に分断され東西冷戦の最前線になった。
2国とも『独立国』のため自前の軍事力を保有することになったが編成当初は盟主国から提供された各種兵器で武装を始めた。東ドイツは最後まで自国での兵器開発を許されなかったのに対し西ドイツは早い段階で重装備=戦車や艦船、航空機の自国開発・生産を段階的に認められていた。
話を軍編成当初に戻すと西ドイツではM47・M48、俗にいう『パットンシリーズ』で機甲戦力を構成したが双方とも旧式化していた事によるアメリカ側からの押し付け配備で改修しても発展性に欠けた。
同じ頃、隣国フランスでも新型戦車開発の機運が高まっていた事から旧怨の事を棚に上げて1957年、『標準戦車(ヨーロッパ戦車)計画』が開始されたが結局双方の運用構想、政治的思惑、経済事情から袂を分つ事になりフランスが『AMX-30』、西ドイツが『レオパルト1』として結実する事になる。
構造
外観は側面からみると砲塔、車体共に前方を頂点にする形でやや水滴状になっており、かつてのパンター中戦車に見えないこともないが最大装甲厚は車体前面70㎜、砲塔前面で60㎜+防盾52㎜と傾斜させているとはいえパンターを下回っているがこの頃のMBTは『機動力をもって敵の攻撃(特に対戦車ミサイル)を回避』が重視されていた為珍しい事ではなかったが後に装甲厚を増した新型砲塔や砲塔用の追加装甲が開発・装備されている。この結果、重量は初期型で40tだったのが最終的に42.4tに達している。
エンジンは830馬力のディーゼルエンジンを備え、最高速度は65㎞/hである。
戦車砲は西側標準のⅬ7(105㎜)を採用した[1]が副武装は車長用キューポラ、主砲同軸共に自国製のMG3汎用機関銃(7.62㎜)を採用した。
配備後
1965年からドイツ連邦軍に配備が開始され2003年に退役するまで2400両を越える数が運用された。
また、イタリア[2]をはじめとするNATO加盟国や冷戦後には非NATO加盟国にも新造、退役後の中古車両が輸出、ライセンス生産されている。
派生型
- ゲパルト
自走式対空砲型。中心線上に射撃レーダー、捜索レーダーを備え、両側面に35㎜機関砲を1門づつ装備した砲塔で知られる。オプションでFIM-92連装発射機を追加することも可能。 - ベルゲパンツァー2
回収戦車型。 - ダクス/ビーバー
工兵用。前者は戦闘工兵車(陣地構築・破壊用)、後者は架橋戦車。 - ヒッポ/ブルドッグ
水陸両用作戦の際に上陸地点で擱座した車両や上陸用舟艇を離岸させる際に使用される『BRV(海岸用回収車)』[3]。前車はイギリス、後者はオランダで運用されている。
関連作品
動画
関連静画
関連コミュニティ・チャンネル
関連項目
脚注
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