一挙配信とは、
3.概要
主に、NetflixやAmazon prime videoなど海外資本動画サービスで行われている配信方式。
新作動画作品を1シーズン(10~12話)ごとに一挙配信する為、1シーズンだけの作品は配信したその日に新作の全話が視聴可能になるという配信方式。
後述するデメリットもあり、しばしそれを行っているサイトの独占配信と共に物議を醸し易い。
こういった方式が使われているのは、アメリカの動画視聴環境が、国土が広く電波による送受信=地上波よりもケーブルテレビ文化が根付き特に郊外では殆どの家庭が入っており、ケーブルテレビは局数が多く日本ほど”同じ時間にみんなが同じ番組を見る”という文化があまり根付いていなかった事も影響していると考えられている。
メリット/デメリット
- 視聴者が自分のペースで見れる
- 毎週待つ必要は無く休日などで最新作を一気に見る。この視聴スタイルは”ビンジウオッチング”と呼ばれている
- 一ヶ月分の入会費で済む
- 一挙配信なら見たい作品が配信された月だけサービスに加入して起源までに退会すればよい。毎週配信はリアルタイムで追うなら1クール3ヶ月分の料金が必要なので費用は1/3である
ネトフリはしばしサブスク解約の簡単さが話題になる - 配信日には大きな盛り上がりを見せる
- その日のうちに全話が配信される為、大きな話題になり特に大作はSNSトレンド世界一位になる事も。
- 話題が持続しにくい
- 配信したその日だけは盛り上がるがそれ以降話題になる事は難しい。毎週配信方式のように1クール=3ヶ月間は視聴者間で話題が持続するので視聴者間での盛り上がりを見た浮動層が参入する機会が少なくなる。
また、熱も冷めやすいのでグッズやイベントなどを宣伝する…という方式の効果も薄くなる。
配信日の盛り上がりを逃した潜在層に情報がいきわたらない為「もう配信してる事を知らなかった」という層も作りがちである。
ちょっとあれな作品の場合クレームが入る前に完走できたり炎上も持続しないというメリット?もある - 話題に出しづらい
- 殆どの場合直ぐに全話見た人orまだ見て無い人になる為、他ユーザーの楽しみ奪うまいと考える視聴者はネタバレ防止の為話題に出すことが無くなる。
逆にネタバレを気にせず発信するユーザーが現れると視聴予定の層が自衛の為、話題から外れていく事となる。 - その為、考察などが盛り上がる事も無く(特にそういう楽しみの強いオリジナルアニメとは相性が悪い)、ファンアートなど二次創作が描かれる事も少ない。
- 対して毎週配信の場合はSNSやコミュニティ間のネタバレの範囲はそもそも実況で呟くので存在しなかったり、「最新話ぐらいはネタ伏せ気味に喋る」などの狭い範囲での暗黙のルールもやりやすい。
この方式を問題視しているのは日本だけという訳では無く、ドラマ『ザ・ボーイズ』はシーズン2、3から「最初数話一挙→毎週配信」という方式を取っている。
これは本作のショーランナー[1]の「一挙配信は盛り上がりすぎる」「次(の話に)進む前に(その回の面白かったシーンを)振り返ってファンの間で話し合うなどしっかり浸れる時間を取って欲しい」という考えで採用されている。
海外作品では他にも『マンダロリアン』『ピースメイカー』など毎週配信の方式を取る物も存在する。
逆に日本でもアニメ『推しの子』は初回90分、『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』『葬送のフリーレン』は初回数話を纏めて放送。のといったように一挙配信のメリットを取り込む姿勢も見られている。
関連動画
関連リンク
- アニメファンの熱量低下?Netflixなどが批判覚悟で一挙全話配信をやる事情 ―― Business journal
- 「ザ・ボーイズ」シーズン2、一挙配信でない理由とは ─ ショーランナーが語る「浸れる時間を取ってほしい」 ―― THE RIVER
関連項目
脚注
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