世界三大権威とは、妄想である。
概要
- 天皇
- ローマ教皇
- アメリカ合衆国大統領
- イギリス君主
以上3人が世界で一番偉い。4人いる?こまけぇこたぁいいんだよ!
実際はどうなの?
で終了だが短すぎるので一応追記する。
教皇が皇帝を認めて戴冠してた頃ならいざ知らず、近代において国家は(従属国とか植民地じゃない限り)互いに対等な立場であることが大前提であり、従って国家の代表である元首も当然お互い対等な存在である。そこは名前の後ろに付いてる称号が「皇」でも「王」でも「大統領」でも「執政」でも変わることはない。例えば、中央アフリカは一時期「中央アフリカ帝国」として皇帝がトップになっていたが、皇帝だから世界中から尊敬されたかというと全くそんなことはなかった。(詳細は「ボカサ1世」の記事で。)
世界最古の君主だから偉い、という主張もある。実際ギネス世界記録で「最も古い支配家系(適当訳)」として登録されている…が、ギネス世界記録は数値化できるとか他の人も挑戦できるとかのルールさえ満たしていれば、学術的な立証がなくても認定されるのであまり参考にならない。合計126人いることになってるから長寿すぎる神武天皇も含んでるし。
もっと言うと、受け継がれてきた家系図があったとして、その家系図の正しさを誰が証明できるのか?遺伝的な親子関係を今更証明できるのか?という疑問も浮かぶ。しかし相手国の元首に面と向かってそんなこと言えば大顰蹙を買うし外交問題にもなりかねない。なので国際儀礼の場でわざわざ家系の長さ短さを問題にすることはない。金持ち喧嘩せずである。
とはいえ席の順番などで何らかの序列をつけなければならない場合はある。その場合には世界三大権威なんていう訳分からん概念ではなく、「在位年数の長さ」が基準になる。一応主賓との関係性や出席者の身分(国王や大統領本人>皇太子や王族>それ以外の代理。詳細はここを参照)も考慮されるが、原則は在位年数である。
おそらく天皇が世界で一番偉いという謎概念が生まれたのはここに要因がある。というのも昭和天皇の在位年数は63年と非常に長く、匹敵するのはイギリスのエリザベス女王ぐらいで、他国の大統領や首相はもちろん終身制の君主でも全く及ばない。となると在位年数トップになるので当然序列が最上位になる。すると天皇が招待された記念式典の写真ではどれも昭和天皇が最上位に映ることになるので、在位年数基準なのを知らない人は天皇は世界一偉いのか!という勘違いをする訳である。
しかし昭和天皇が退位なされて明仁皇太子(現上皇明仁)が天皇に即位されたことで当然在位年数はリセットされるので、それ以降は昭和天皇の頃のような飛びぬけた席次にはならない。とはいえ一度広まった噂は止まらないのでこの記事みたいに湧いたり消えたりを繰り返しているのである。
そもそも世界三大って付く時点で日本にしかなさそう感がすごい。
Wikipedia
ちなみに、この言葉「世界三大権威」はかつてWikipediaに記事が作成されたことがあるが、2007年ごろに削除されてしまっている。
Wikipediaで記事が削除される際には議論が行われる。その議論は基本的に公開される。この記事の削除に関する議論は以下のリンク先で公開されている。
上記のページの内容を要約すると、当初はこの言葉「世界三大権威」に実態があるという体でWikipediaに記事が作成されたものの、根拠や出典が示されていないことが問題視され、「不正確な内容」「対象の実在性に対する疑問」という理由から削除提案が発議されたようだ。
すると、それらの問題点を解消するためにインターネット上での検索を用いた調査をしたユーザーによって、インターネット掲示板「2ちゃんねる」の書き込みや個人ブログの記事で言及されていることや、それ以外の出典が乏しいことが「世界三大権威」の記事に追記されたらしい。
しかし「根拠や出典があやふやなことがはっきりしたので、それはよかったんだけど、でもそんなの記事にしておく必要があるのか?」「Google検索で数十件しかヒットしないぞ(2007年当時)」「独自研究未満の虚偽記事」等と言った感じの意見も挙がりだしてしまい、「存続」よりも「削除」への投票が多数派となり、結局削除されてしまったのだった。
関連項目
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