うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい
ーひろゆき
デマとは、本来「政治的な意図をもって流す情報」の事を指す言葉。現在では特に政治的な意図が無くとも、根拠が無い(または不明な)「噂」などを広く指す言葉として用いられることが多い。
その他の「デマ」については:
概要
語源
語源は古代ギリシア語δημαγωγός (デマゴゴス)である。語を分解すると δῆμος(デモス)とἀγωγός(アゴゴス)となり、デモスは「民衆」、「アゴゴス」は「導く」、即ち「民衆の指導者」を指していた。
つまり語の意味だけとれば決して否定的な言葉ではなかった。弁舌が巧み、あるいは人望が高く、議会の席で人々の心を惹きつけ、意思決定を左右する能力を持った者をこう呼んだのである。しかし古代ギリシア時代当時から既に、批判的に見られることもあったようだ。
それを受け、現在の各国語では「デマゴーグ」は扇動的な政治家・言論活動家を指す言葉となっている。ドイツ語では「Demagoge」、フランス語では「démagogue」、英語では「demagogue」と呼ぶ。日本語「デマゴーグ」はドイツ語から伝わったとされていることが多いようだ。
そして、そういった扇動行為、または扇動的な情報を指して「デマゴギー」と言う。ドイツ語では「Demagogie」、フランス語では「démagogie」、英語では「demagogy」。こちらもやはり日本においてはドイツ語から伝わったと見なされることが多い。
単純に日本語で「デマ」と略した場合は、後者の「デマゴギー」の方を指すことが多く、人を指す「デマゴーグ」の略として使用される事はあまりない(「あいつの言っていることはデマだ」と言う使い方は多く目にするが、「あの政治家はデマだ」という用法は珍しいと思われる)。
ただし、「デマゴギー」と「デマゴーグ」の意味の違いはあまり理解されておらず、「デマゴギー」の意味で「デマゴーグ」が使用されている例は多数見られる。
意味の幅
上記のような経緯がある言葉であるため、本来は「政治的な意図をもって」扇動する者、言説を指す言葉であった。しかし現在の日本語「デマ」は、「政治的な意図の有無」や「扇動的であるかどうか」はあまり重視されなくなってきている。
つまり、政治的意図のない噂話、流言、広まった嘘などについても「デマ」と指して使われることがある(例:「このゲームでヒロインと野球拳ができる裏技があるって聞いたけどデマだったよ」)。
また、当初の意味合いでは必ずしも「虚偽の情報」である必要はなかったようだが、現在では「虚偽の」と言った含意が強く含まれており、根拠が無いか、あるいは少なくとも不明な事柄について使われる。扇動的内容であっても厳然たる事実であれば、「デマ」と呼ぶことはまずない。
近年ではスマートフォンやSNSの普及、インターネット利用年齢層の拡大により簡単にデマが広がる事態になっている。
なおデマの内容によっては犯罪となり警察に捕まることもある。「熊本の動物園からライオンが逃げた」というデマ情報をTwitterに投稿して、動物園の業務を妨害したとして、神奈川県に住む会社員の男(20)が熊本県警に逮捕された例などもある。
デマ一例
子ども手当外国人590人支給
子ども手当の制度の欠陥で外国人に大量に支給されてしまうというデマ。
鳥山明のパチンコに関するコピペ
鳥山明がパチンコ化を断ったという話をねつ造したもの。架空の出典先まで挙げているあたりかなり悪質。
↑のコメント欄には投稿者本人と主張する者の弁が投稿されている。実際の発信者かどうかの確証は取れないが、デマの発信者の心情はだいたいこんなもんなのかもしれない。
震災関連のデマ
「白血病患者急増」のデマ
日本医師会発表を装ったデマ。信じた人間のツイートで瞬く間に広まり、本家日本医師会が公式に否定する騒動となった。
「甲状腺癌多発」のデマ
甲状腺癌自体は被爆との関係性が元々指摘されている癌であったため、事故後に放射脳により広められた。のだが、福島県立医大が「小児の甲状腺癌が有意に多い」という論文を提出したことで、信頼性が一時的に高くなった。
その後、環境省が他県で同じ方式で調査を行ったところ、福島での発症率とほぼ同率だったことが判明した。また、甲状腺癌スクリーニングが始まった韓国において、甲状腺癌が爆増したという事実も有り、「過剰診断」ではないか、と主張されている。
2016年9月には、同じく福島県立医大より、甲状腺癌発症と原発事故の関連性は低いという分析結果が論文として出されている。
これらのデータやチェルノブイリ原発事故により集積されたデータより、医学的には福島県内で甲状腺癌スクリーニング調査を行う意義はあまりない、むしろ調査を行うことによる過剰な医療が問題になっている。
大事なのは、ソースをしっかりと確認すること。科学的な主張を装ってウソを垂れ流したり、実際の論文の内容とは異なる結論を捏造するデマ拡散家も多数いるため、必ずPubmedなどで確認しよう。
「鼻血」騒動
漫画「美味しんぼ」の作中において、『福島の真実編』として主人公が福島を訪れた際に鼻血を流したり疲労感を訴えたり、更には前双葉町長だった井戸川克隆氏が実名で出演し「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです」と発言させるなど、事実に基づかない描写を行った。
これに対して、当然のことながら関係団体や自治体から猛抗議が来たのだが、作者はのちに「美味しんぼ『鼻血問題』に答える」という単行本を出版し、自身の正当性を主張した。
が、結局科学的根拠を伴っておらず、言論の自由を差し引いても、福島の人々にいらぬストレスを与えたのは事実だろう。
iPhone関連のデマ
- 「レンジでチンするとiPhone充電できる」…と言うデマが拡散し被害者続出
- 「iPhoneを水に浸すと音質が良くなる」というデマがTwitterで拡散、本気で信じる人も
- 「1」「1」「0」を入力して通話すると通信制限が解除され通信速度が速くなるとデマ拡散 行政が注意呼びかけ
デマとTwitter
東日本大震災に関連したデマは、多くがツイッターによって拡散されている。新興ソーシャルメディアとして注目されているツイッターではあるが、不特定多数の大衆が情報発信者たりえる故の深刻な欠陥のひとつであると言える。近年はツイッターから発生したデマをまとめサイトが取り上げ拡散してしまうという問題もたびたび発生している。
関連動画
関連項目
- うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい
- スマイリーキクチ中傷被害事件
- 午前4時 - イラストレーター。様々な事実無根の悪い噂が拡散されていた。
- ひかわ博一 - 漫画家。「編集者の度重なる暴言で精神を病んだ」という誤った噂が流布されていた。
- 大津いじめ事件 - いじめが原因で自殺者が出た事件だが、「いじめ加害者」「その家族」として曖昧な根拠を基に無関係な人物の名前や写真がインターネットで流布され、彼らは脅迫などの被害を被った。
- 東名高速夫婦死亡事故 - 加害者の家族であるとして曖昧な根拠を基に無関係な人物の名前や電話番号がインターネットで流布され、脅迫などの被害を被った。
- 熊本地震 - 原発が破損、井戸に毒、路上に逃走したクマ出現などのデマが流された。
- 関東大震災 - デマに基づいて、無実の者が多数暴行・殺害された。詳細は該当記事に。
- ポルナレフ(ロシア料理) - タレントの中川翔子に関するもの。詳細は該当記事に。
- 100日後に死ぬワニ - メディアミックスが失速した際に「ブーム自体を電通が作り上げた」などの憶測までが飛び交ったが、誤った根拠等によるデマが多かった。詳細は該当記事に。
- 試し腹
- チョッパリピース
- スナイパー小屋
- SARS-CoV-2/COVID-19関連のデマ・陰謀論の一覧
- デマ注意! 「男へのクリスマスプレゼントはネクタイがオススメ」というデマが流れていますが絶対に信用しないでください!
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