劣化ウラン弾とは、弾丸の原料に劣化ウランを使った兵器である。主に徹甲弾として使用される、「超高速・高圧の衝突では『硬い金属』より『重い金属』の方が貫通力が高い」という現象を利用した兵器であり、基本的に金属の塊をぶつけるもので、「爆弾」ではない。
概要
弾丸の原料に劣化ウラン(ウラン238の割合が大きくウラン235の割合が0.72%より低いもの)を使った兵器のこと。
ウラン238とはウラン235の同位体(中性子数が異なる原子)であり、核分裂反応を起こしにくい、ウラン濃縮を行った後の残りに多く含まれている。ウランは比重がおよそ19もある(要するに同じ体積の水と比べて19倍重い)ので、これを使って合金を作り弾丸に使えば重い弾丸が出来上がる。物理的には重い物をぶつけた方が軽いものをぶつけるよりも破壊力があるため、じゃあこれを使えば破壊力のある兵器ができるねってことで作られたのが劣化ウラン弾である。
このため、核兵器とは異なるのだが、ウラン自体にも毒性がある他、当然放射線が出ているので、被曝や重金属としての毒性による健康被害が出るなど評判の何かと良くない兵器なのである。湾岸戦争やイラク戦争、コソボ紛争やボスニア紛争で劣化ウラン弾が使われた結果、白血病や奇形が増えたと主張する者もいる。(真偽不詳)
劣化ウランは金属としては脆い部類であり、着弾すると砕けて金属の粉が爆発的に燃えるという現象が起こる事があるとされるが、これは劣化ウラン弾の主なダメージ源ではない。しかし爆発の様な現象が起こる事から、科学的知識を欠いた一部の政治活動家から「核兵器の一種」や「強力な爆弾」というイメージで語られる事がある。
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