回転寿司(かいてんずし)とは、寿司をベルトコンベアーに乗せお客が自由に取り上げる、半セルフサービスの営業形態である。
概要
ベルトの上にお寿司が載った皿が回っているので「回転寿司」。別に「縦」や「横」「斜め」のように三次元方向で回転するわけではないが、その場合でも一応回転寿司となる。タッチパネルで操作すると新幹線が走って直接届ける「別走行方式」などもある。
寿司は「カウンター」または「調理場」で作られ、値段に応じた色のついた皿に乗せられて客先を回る。お客は自分が食べたいネタが回ってきたときに財布と相談しながらレーンから皿を取るといった、それまでの寿司屋の光景「時価を気にしつつお店に注文して作る」といったハードルを下げ「誰でも」「気軽に」お寿司を食べられるという事から、お寿司屋のファーストフード・ファミリーレストラン版という位置付けで認識されている。
なお、レーンの物だけしか頼めないという訳ではなく、お店の人にお願いして個別で寿司を出してもらったり、冒頭で説明したように別途指示を出して寿司を出してもらうこともできる。
回転スピードは店側の混雑状況によって可変することができ人が閑散としているときは速度を落とし混雑しているときは速度を上げ客単価がさほど変化しないようになっている。冒頭では新幹線が走ってくると書いてあるがレーンが300km/hなどの超高速で移動することはない。
なお、誰も取っていないお寿司は何周も回っている間に乾燥していたりわさびが既に味気なくなっている事があったりする。この対応のためか、プラスチックのカバーで覆って乾燥しないようにしたり、メニューのみ回転させ皿を取ると電気的な信号が送られて後からネタが運ばれてきたり、品質管理をコンピュータで行って古くなった寿司を自動的に廃棄レーンに送るといった、近代的なシステムを採用した店も増えてきている。
近年の状況
2020年代以降、大量の余った食品を活用することなく廃棄し、資源を大量に消費することに疑問が呈された「食品ロス問題」や「SDGs」、接触により感染する可能性のある「新型コロナウイルス」(COVID-19)などの国際的な社会問題が相次いだ。
そのことから、注文を受けたさきからベルトコンベアでその商品だけをピンポイントで注文客の席に運んでくる新型レーンを採用したり、普段市場に出回っていない魚も新たに商品化するなど、長いベルトコンベアに大量の寿司をいつまでも流し続けるこれまでの業態から変わった、新たな「回転寿司」が増加してきているという。[1]
なお、2023年初頭に相次いだ迷惑動画投稿事件も含め、ベルトコンベアの電気代削減、かつより新鮮かつ衛生的(ベルトコンベアに長時間展示し鮮度を下げることを避けるため)にするため、ファミリーレストランと同様のタッチパネルによる注文を導入する、実質的な寿司ファミレス化に進む動きも見られる。
歴史
発祥およびコンベア開発は大阪府東大阪市にある「元禄寿司」を展開する元禄産業であり、ゆえに元禄寿司という名称が回転寿司の代名詞となったこともあったが、後に大手チェーンが席巻し、日本全国、海外にも普及するようになった。なお、同社はビールの製造工程をヒントにこの機械を作り、大阪万博の際に全国に広まりを見せたという。
主な回転寿司チェーン
下記は大手回転寿司チェーン。
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
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