長岡京ワラビ採り殺人事件とは、1979年5月23日に京都府長岡京市の山中で起こった殺人事件である。「長岡京殺人事件」や「ワラビ採り殺人事件」といった呼称もある。
概要
古都・長岡京市の郊外にある通称・野山と呼ばれ、ワラビやゼンマイなどの山菜が豊富に自生している山菜狩りスポットの丘陵地帯で、やはりワラビを採りに出かけていた主婦のM(31)とA(43)の二名が死体となって発見された。
二人は市内のスーパーで働くパート仲間で、事件のあった日も一緒に勤務し、午後から弁当を持参して野山に自転車で出かけて行ったという。
翌日、帰ってこないことを心配した二人の家族から警察に捜索願が出され、一日後、警察犬が遺体を見つけた。
死因はMが刺殺、Aは絞殺だった。
Mは下半身の服が下着ごと脱がされておりその胸には文化包丁が突き立てられていた。
両方の遺体合わせ80か所に及ぶ打撲の痕が残っていたことから殺されるまでに長時間、暴力に晒されていたことがわかった。強い恨みや異常性を読み取れる。
奇妙な点があり、ジーパンを穿いたままのAは、その体内から犯人と思わしき人間の体液が検出されたことにより性的暴行を受けていたことが判明したが、下半身に何も着ていない状態のMからはそのようなものは検出されなかった。
この事件を一躍有名にしたのはAのポケットから見つかったメモだろう。彼女は勤務先のスーパーのレシート裏に「オワレている。たすけて下さい。この男の人わるいヒト」という走り書きを残していた。
現場は木や竹が生い茂り見通しが悪いため有力な目撃情報はなく、遺留品も文化包丁一本で捜査は難航し1994年5月に公訴時効が成立した。
なお、事件から5年後の84年5月、長岡京市で48歳の主婦が自宅でメッタ刺しにされたうえ、毛布にくるまれたあとで火をつけられて殺害されるという残虐な事件が発生した。犯人の血液型が先述の事件と同じO型であることから同一犯による犯行という推測もある。この事件も99年に時効が成立し未解決事件となっている。
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