鳥取県西部地震とは、2000年10月6日に鳥取県西部を震源として発生した地震である。西日本の広範囲にわたって強い揺れを観測した。
概要
本震
- 発生日時:2000年(平成12年)10月6日13時30分18秒
- 震央:北緯35.273度、東経133.348度(鳥取県米子市南方約20km)
- 震源の深さ:9km
- 地震規模:M7.3(Mw6.6)
- 最大震度:6強 (鳥取県日野郡日野町 鳥取県境港市にて観測)
- 死者:0人
- 負傷者:182人
- 全壊家屋:338戸
- 半壊家屋:1939戸
- 津波:なし
各地の震度(区域ごと)
最大余震
この地震について
この地震の発震機構は概ね北北西ー南南東走向、傾斜角86度、すべり角-7度の左横ずれ断層であり、すべり量は約1.4m、震源域の全長は約20km、幅約10kmである。震源域の南側ではほぼ東西に圧縮軸を持つが、北側に向かうにつれて北東ー南西の圧縮軸に変化する。また、震源域南側では直線的な余震分布となっているが、北側では幾つか枝分けれして複雑な余震分布となっている。これは、南東側のアスペリティと北西側のアスペリティに分かれることにも起因する。
10月8日には本震から南西に約30km離れた場所でM5.5の地震が発生した。この地震は本震によって誘発された地震とされており、西北西ー東南東に圧縮軸を持つ左横ずれ断層である。また、このM5.5の地震の他にも大山の南東側で微小地震が増加するなど、周辺何箇所かで地震が誘発された。
震源周辺では11年前から地震が増加していており、1989年にM5.3,M5.4の地震を含む群発地震、1990年にM5.1,M5.0,M5.1の地震を含む群発地震、1997年にM5.2の地震が発生していた。
震源周辺の深さ約30km付近には深部低周波地震(DLF)のクラスターが存在している。また、震源周辺の下部地殻と上部マントルにかけて低速度領域が認められ、更に比抵抗構造にも低比抵抗領域認められている。これはいずれも流体が存在することを示唆しており、深部低周波地震は流体が存在する直接的な証拠であると考えられている。
鳥取県では1943年に鳥取県東部でM7.2の地震(鳥取地震)が発生していたが、鳥取県西部では1710年のM7.0の地震、島根県東部では880年のM7.0の地震以降大きな地震が発生しておらず、地震空白地帯と呼ばれていた最中でこの地震は発生した。この地震の約6年前に発生した兵庫県南部地震と同規模の地震にも関わらず、奇跡的に死者は出なかった。しかし、山道における土砂崩落や沿岸地域における液状化現象など地元産業・交通に多大な打撃を与えた。
この地震で学び取れることは地震空白地帯に住んでいたとしても、全く地震がないというわけではないので常に地震に警戒しておくべきだということである。
なお非公式ではあるが鳥取県のKiK-net(防災科研)日野観測点で震度7(測定震度6.6,1135gal)を記録しており、この地震による揺れの強さを物語っている。
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