ボーイングAL-1(Boeing AL-1)とは、かつてアメリカ空軍がABL(Airborne Laser weapons system:空中レーザー兵器システム)として試験運用中であったミサイル迎撃機である。開発計画そのものは2011年12月にキャンセルされた。
概要
| ボーイングAL-1 Boeing AL-1 |
|
|---|---|
| 用途 | ミサイル迎撃機 |
| 分類 | 空中レーザー兵器システム |
| 製造者 | ボーイング防衛宇宙安全保障 |
| 原型 | ボーイング747-400F |
| 運用者 | アメリカ空軍 |
| 総生産数 | 2機 (YAL-1A) |
| 初飛行 | 2002年7月18日 (YAL-1A) |
| YAL-1A 仕様 | |
| 乗員 | フライトクルー × 4名 (2名交代制) 作戦オペレーター × 4名 |
| 全長 | 72.00 m |
| 全幅 | 65.10 m |
| 全高 | 19.30 m |
| 翼面積 | 525 m2 |
| 空虚重量 | 192,270 kg |
| 全備重量 | 326,886 kg |
| 最高速度 | Mach 0.83 |
| 作戦行動時間 | 無給油6時間、最大16時間 |
| 原動機 | ゼネラル・エレクトリックCF6-80C2B5F 高バイパス比ターボファンエンジン × 4基 |
| 最大推力 | 28,000 kgf × 4 |
| 武装 | TRW BDL-2 酸素沃素化学レーザー × 1基 |
| 射程 | 約450 km |
| 発射回数 | 約35回 |
もともとSDI(戦略防衛構想)用の兵器の一つとして研究開発が行なわれていた大出力レーザーを航空機に搭載し、TMD(戦域ミサイル防衛)用兵器にする計画だった。弾道ミサイルを発射直後の上昇中に破壊する。[1]
ボーイング747を改造した機体で、6箇所に取り付けた赤外線センサーで全周を監視、弾道ミサイルのロケットモーターから生じる赤外線を捜索する。ミサイルを発見した場合は測距用の炭酸ガスレーザーと赤外線センサーを併用してミサイルの三次元位置を特定し、酸素=ヨウ素レーザーをミサイルの燃料タンクに照射して爆発させる仕組みとなっている。ダミーミサイルを迎撃する実験にも成功していたが、予算削減に伴い、AL-1を用いた試験は中止された。[2]
他に、AC-130 ガンシップにCOILを搭載した高等戦術レーザー(Advanced Tactical Laser)もABL兵器システムとして開発中である。
バリエーション
- YAL-1A - 試験型。
- AL-1A - 通常型。YAL-1Aが制式採用された場合、計7機が運用される予定。
- AL-1B - 単なるミサイル迎撃機としてではなく、空対空戦闘を行う大型戦闘機として運用する構想案。
関連動画
関連項目
脚注
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