ロッキードAC-130(Lockheed AC-130)とは、アメリカ空軍(USAF)の対地攻撃機。現役としては世界で唯一のガンシップである。
概要
ロッキードC-130輸送機に武装を施したガンシップ。航空機の機長席は通常進行方向左側である為、全ての武装は機体の左側面に付いており、攻撃の際は目標の周囲を左旋回しながら飛行し、地上目標に対して弾丸の雨を降らせる。
AC-130の登場は1967年で、ベトナム戦争において輸送トラックの撃破に使用された。LLTV(Low Light Television)、赤外線装置、レーダー等のセンサを装備し、改良型では爆弾を誘導するためのレーザー照射器も搭載された(爆弾は別の機体が投下する)。[1]
元が輸送機という特性上、自衛の手段はフレアくらいしか付いていない。なお、このフレアを一斉に放出する様子は、その形が天使のように見えることから「エンジェルフレア」とも呼ばれる。
輸送機なので飛行速度も遅く、敵戦闘機に狙われたら全くの無力である。そのため制空権を常に確保する事がAC-130を運用する為の絶対条件となる。このため、AC-130を運用しているのは、圧倒的な空軍戦力を持つアメリカ合衆国に限られている。
バリエーション
- AC-130A - C-130Aを改造したもので、ガンシップIIとも呼ばれている(ちなみにガンシップIはダグラスAC-47 スプーキーのこと)。武装は、20mmガトリング砲が4門、7.62mmガトリング砲が4門。後に改装してE型と同標準の武装としている。
- AC-130E - C-130Eを改造したもの。武装は、40mm機関砲が2門、20mmガトリング砲が2門、7.62mmガトリング砲が2門。
- AC-130H スペクター - C-130Hを改造したもの。武装は、105mm榴弾砲が1門、40mm機関砲が1門、20mmガトリング砲が2門、7.62mmガトリング砲が2門。後にU型と同標準の武装に改装。
- AC-130U スプーキーⅡ - C-130Uを改造したもの。武装は、105mm榴弾砲、40mm機関砲、25mmガトリング砲がそれぞれ1門ずつ。
- AC-130W「スティンガー」- 105ミリ榴弾砲を搭載せず、誘導爆弾や対地ミサイルといった精密誘導兵器をを主兵装としている。
- AC-130J「ゴーストライダー」 - C-130Jを基にしている。AC-130Wのように精密誘導兵器搭載型として誕生する予定だったが、主兵装のSDB(GPS誘導滑空爆弾)は400万円と非常に高く(105ミリ砲弾は4万円)、原型機の最大離陸重量に余裕もあったので、105ミリ榴弾砲を追加搭載する。SDBは射程距離と精度で105ミリ榴弾砲を上回っており、MANPADSの射程圏外から攻撃できる。[2] 2022年に米空軍はAC-130Jの最終号機(31機目)を受領し、従来のAC-130W、AC-130U、AC-130Hからの移行を完了している。[3]
登場作品
ゲーム
- ACECOMBAT 5
- ACECOMBAT 6
- ACECOMBAT ASSAULT HORIZON
- Battlefield 3 - DLC “Armored Kill” で登場。25mmガトリング砲、105mm榴弾砲、20mm対空機銃を操作可能。
- Call of Duty 4: Modern Warfare
- Call of Duty: Modern Warfare 2
- Call of Duty: Modern Warfare 3
- H.A.W.X.2
- Medal of Honor (2010)
- マーセナリーズ
- マーセナリーズ2 ワールド・イン・フレームス
- Call of Duty: Ghosts DLC第三弾Invasionの追加マップFavelaにてケアパッケージで登場
映画
漫画
関連動画
関連項目
脚注
- *「ベトナム航空戦 -超大国空軍はこうして侵攻する-」W・モーマイヤー 藤田統幸:訳 1982年 原書房
- *「最強の航空機」といえば? その一角なるか「ゴーストライダー」、搭載砲は105mm | 乗りものニュース 2016.12.11
- *AFSOC receives final AC-130J 2022.11.3
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 9
- 0pt