概要
当初その存在は、いわゆる対タリバン作戦である不朽の自由作戦が行われるアフガニスタンにおいて、謎のステルス無人機として目撃、あるいは不鮮明な写真が撮られるなどといったものであったが、その後アメリカ空軍はその存在を認め、その名称や運用部隊などを発表した。
存在が公表されたといえども、製造したのがロッキード・マーティン社、開発を同社のスカンクワークス(過去にU-2やSR-71といった偵察機、RQ-170同様に秘密裏に開発配備されたステルス機F-117の開発などで有名)が担当したということ、命名規則上非武装の無人機に付けられるRQという名称から明らかなように、攻撃機能は有していないだろうということが分かったくらいで、オフィシャルな写真やスペックなどのデータはまったく公開されてない。そのため、未だに謎に包まれた部分の多い航空機である。
翼幅20mの無尾翼機で、兵装は搭載していない。エンジンはGE TF34を1基、胴体下面にAESAレーダーとEO/IRセンサーを搭載している。20機ほど製造されて、2007年から使用されている。[1]
それらの要素から推察されるのは、RQ-1プレデターやRQ-4グローバルホークのような高々度での長時間滞空型の無人偵察機とは異なり、おそらく亜音速程度といった比較的高速での飛行が可能であり、レーダ等に対する被探知性能の高さから、より撃墜リスクの高い空域やシチュエーションで利用可能な機体と推測される。つまりは、ミサイルなど持っていてもMANPADSがせいぜいのテロ組織だけでなく、軍隊がレーダーやそれなりの地対空ミサイルを運用しているところに投入することも示唆している。
この機体の運用が確認されているアフガニスタンであれば、表面的には協力関係にあるものの、テロ組織と繋がりがあると見られるISIの存在などで、肝心なとこではいまいち信用のおけないパキスタンとの国境地帯や、タリバンと敵対していることでの利害は一致しているものの、アメリカとあからさまな対立関係にあるイランとの国境地帯に投入されていると推測されている。また、対北朝鮮偵察のため在韓米軍基地に配備するのではないかとの報道もある。
イランでの鹵獲事件
2011年12月、イラン軍がイラン領空を飛行していた米軍のRQ-170を撃墜したと発表した。[2]
イラン側が「サイバー攻撃によってほぼ無傷で着陸させた」と主張していたり、[3]、偽のGPS信号に誘導された[4]と言った報道があるが、真相は不明。単に機材トラブルで墜落したという報道[5]もある。イランが公開した映像で、機体下部が旗で覆われているのは墜落で脚部が破損しているのを隠すためと思われる。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
脚注
- *米空軍、極秘の大型無人偵察機[RQ-180 ]の一部を公表
2019.11.11
- *イラン、米無人機を撃墜か 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
- *イラン、「撃墜した米無人偵察機」の映像を初公開 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
- *米無人偵察機、偽のGPS信号に騙されていた
- *イラン国内不時着で明らかになったRQ-170の特徴
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