トヨタ・パッソセッテ 単語


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パッソセッテ

2.3千文字の記事

トヨタ・パッソセッテとは、かつてトヨタ自動車で販売されていたミニバンである。ダイハツとの共同開発ダイハツ側ではブーンルミナスと言われた。形式であるM502/512(前者は2輪駆動、後者は4輪駆動)はダイハツの方式に則っているのでトヨタの方式とは異なる。

概要

従来、このクラスにはシエンタがあり、コンパクトながらも7人乗りで高い人気キープしていたが、登場は2003年であり、モデルチェンジイヤーに近づきつつあった。

そこでシエンタの後継として登場したのがこのパッソセッテである。パッソ名前の通り、コンポーネンツにパッソの物を利用している。パッソ軽自動車ミラムーブとコンポーネンツの一部が共通であり、軽自動車から7人乗りのミニバンを作ったとも言える。とは言え、強化すべき部分は強化しており、エンジンもより上級の物に搭載されていた1500ccの3SZ-VEを搭載していた。

セッテとはイタリア語で7を意味し、同じく7から名のモチーフを得たシエンタの正当な後継を標榜した。丸っこく、らしさが漂いながらも合理的にまとめられたスタイルシエンタべると直線基調でスタイリッシュデザインとなっている。最大の違いはリアドアの開閉方式であり、スライドドアのシエンタに対して、パッソセッテは一般的なヒンジドアを採用した。

こうして2008年に販売が開始され、2010年シエンタの生産中止と共に名実ともにシエンタの後継となった。

どうしてこうなった

ところが2011年シエンタが再び再登板2012年に僅か3年程度で生産中止となってしまった。シエンタ実質的な後継として登場しながら、置き換えたはずのシエンタに取って代わられるという前代未聞のこのパッソセッテ。どうしてこうなった!

1.ライバルに比べると見劣りのするパッケージング

ライバルホンダ・フリードであった。フリードはスライドドアを採用し、2列シートダブルフォーディング機を持たせたモデルがあり、また3列は5:5で跳ね上げシートを採用。スペース効率もさることながら、片方だけ跳ね上げてと言う使い方も出来た。

対してパッソセッテは一般的なヒンジドアであり、3列は一体式格納であった。いずれもフリードシエンタべてもかなり見劣りするものであり、特に3列シートでまさに非常用と言えるものであった。ヒンジドアもこの主婦向けと言う事を考えればかなりマイナスポイントである。ヒンジドアを採用したのはスライドドアの部品数の多さから来る重量増を嫌っての事であるが、両手がふさがっている場合、スライドドアであれば両手の荷物を後ろに積むのにかなり労力を低減できるし、狭い場所でも隣に気を使わなくてもいいのだが、ヒンジドアではそうもいかなかった。

2.エコカー減税

ライバルフリードはややお値段が高めであり、パッソセッテはある程度装備は割り切った上で値段で勝負と言う事になったのだが、エコカー減税が始まると税金やら何やらでコミコミの場合はそれ程差がくなってしまったのである。ハイブリッドフリードに設定されていたのでそれが追いとなっていた。

3.CMがあまりにスイーツ(笑)すぎた

このターゲット主婦層であり、それはCMにも色濃く表れていたのだが、そのキャッチコピーが問題だった…。

「私たち、主婦ママで女です」

あまりにスイーツ(笑)すぎたのである。このCMが出た当時はリーマンショックっただ中で世のお父さんはこうべを垂れて血を削りながら働いているにもかかわらず、奥様はそんな中で趣味自分磨きにと旦那をないがしろにしていると思われても致し方ない内容であった。これぞいわゆるステレオタイプな○×ネーゼな女性そのもの、鬼女ホイホイであった。

CMの作りなどからして、主婦向け雑誌のVERYに出てくる女性を意識した物であるが、この手の主婦の絶対数は多くない事、この手の雑誌の内容についてネット界隈では否定的に見る向きがあり、少なくない主婦層が感情移入できるものではなかった。もっとも、VERY系の主婦はもっと上級のに乗る傾向もあったりで、需要に対する広告戦略読み違えてしまったとも言える。

対するフリードジョン・レノンの忘れ形見であるショーンレノンを起用し、「ちょうどいい」とシンプルながらも分かりやすい文言でそのパッケージングを紹介したものであった。

トヨタで2番目の短命モデル

2008年12月から2012年2月までの3年2カと言う非常に短命なモデルであり、また販売施策でも重要となる特別仕様も登場しないなど非常に恵まれなかったモデルとも言える。しかし、これよりも短いモデルとして存在するのがトヨタ・スパーキーであり、きっちり3年であった。このモデルダイハツ・アトレー7OEMであり、トヨタの方が多く売れると見られていたが、ダイハツの方が売り上げ多かったという異例のモデルである。

なお、どちらも置き換えられたのはシエンタであった事を追記しておく。

海外では…

内では散々であったが、近年のダイハツ海外メインであるマレーシアでは当地の合弁会社であるプロドゥア社でアルザの名前で生産が続けられている。一説にはマレーシア市場メインと言われ、内向けはついで扱いと言われているが、それはともかく細かいデザインが異なる他、日本では設定のかった5速マニュアルが設定されている。

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