ミヒャエル・ジギスムント・フォン・カイザーリング(Michael Sigismund von Kaiserling)とは、汚名に塗れながらも実は古風だが格調ある騎士であった人物である。
「銀河英雄伝説」の登場人物。CV.川久保潔(石黒監督版OVA)。
外伝「汚名」に登場する銀河帝国の退役軍人・男爵。退役時の階級は少将。
かつて愛したひとのために不名誉を背負い軍を追われた老軍人であり、惑星クロイツナハⅢでの事件を通し、アンネローゼへの愛情についてジークフリード・キルヒアイスの心情に大きな影響を与えた。
カイザーリング男爵家の19代目当主で、帝国暦426年ごろの生まれ。クリストフ・フォン・バーゼルとは士官学校の同期で、二人は帝国暦446年、衛星クロイツナハⅢでヨハンナという美しい女性に巡りあうこととなる。そして一年後、カイザーリングはヨハンナに求婚するが、ヨハンナはカイザーリングではなくバーゼルを選んだ。それから後、カイザーリングは恋も結婚もすることなく独身を貫いた。
それから36年後の帝国暦483年、彼は中将として艦隊を率い、アルレスハイム星域に進出していた。彼は同盟軍艦隊に奇襲をかけるべく、隠れて同盟軍を待ち伏せる。しかし艦隊はカイザーリングの指揮を離れて暴走し、同盟軍に乱射を開始した。当然艦隊は逆襲を受け潰走、死傷兵員六割以上という大損害を受けることになる。
この”敗者に敗因あって勝者に勝因なき”大敗北が、カイザーリングの軍歴の終わりとなった。彼は部下の暴走を押し留め得なかった無能として糾弾され、軍事裁判にかけられた。彼は被告席で沈黙を貫き、折しも病に倒れていた皇帝フリードリヒ4世の快癒による恩赦により少将降格のうえで退役となった。
しかしそれから3年後、彼の汚名は、彼自身の手によって雪がれることとなる。
帝国暦486年末、カイザーリングは旧交を温めるべく、出会いの地である衛星クロイツナハⅢでバーゼル夫妻と待ち合わせた。そこで彼は、サイオキシン中毒の暴漢に襲われた所をたまたま居合わせたジークフリード・キルヒアイス中佐に命を救われ、礼として設けた夕食の席でヨハンナとの昔話をキルヒアイスに語る。
そのキルヒアイスは、現地の治安責任者ホフマン警視からサイオキシン麻薬の密売問題について聞かされ、協力を承諾していた。カイザーリングは、旧友バーゼルとヨハンナを巡る因縁と3年前の「汚名」の真実に関してキルヒアイスと対話し、一方的な感情に酔う、自身の度しがたいナルシシズムに直面させられることになる。そしてその末に彼は、自らのエゴイズムを捨て、3年前、あるいは40年前からの因縁に幕を引くことを選んだのだった。
いずれ一連の事件が公になれば、帝国の公式記録はそう書きとめるだろう。不名誉な敗戦の責任者とされた人物が、じつは古風だが格調ある騎士であった、と。公式記録というものはそれでよい。その文字は、血と涙によって薄められるべきではない。しかし、ひとりひとりの人間には、ことなる記憶がきざまれてよいはずだった。
これは、その場に居合わせたジークフリード・キルヒアイスの述懐である。
掲示板
8 ななしのよっしん
2023/10/07(土) 19:19:59 ID: Rx992UdxPw
事件が起きずに戦功を立てていたらメルカッツに次ぐ人物ぐらいの評価をされていたのかな?
でも、メルカッツ以上についてない人生送ってるから、絶対にリップシュタットに巻き込まれてるよなこの人の性格とか考えると。。。
50年来の恋は悲恋に終わったけど、結果として天寿を全うできるコースに乗れたんじゃないかとも思える(知己のあるキルヒアイスと敵対するような馬鹿じゃないだろうし)
9 ななしのよっしん
2024/05/21(火) 22:22:49 ID: LRRX/1Z252
カイザーリング = モテない優男
バーゼル = モテるチャラ男
10 ななしのよっしん
2025/09/27(土) 18:57:42 ID: vjMSyvruft
この人は人格は高潔だったけど
したたかさに欠ける感がすごいので功績立てられたかっていうと微妙な気がする
いやメルカッツもしたたかさには欠けるんだけども
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最終更新:2025/12/07(日) 02:00
最終更新:2025/12/07(日) 02:00
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