リステッド競走とは、競馬の競走における格付けの1つである。
簡単に言えば、重賞競走に次ぐ重要度を持ったレースのことである。出走条件が性別・馬齢以外存在しないリステッド(L)と、その他に条件(生産地など)があるリステッド・リストリクテッド(LR)が存在する。
このふたつの違いは端的に言えば、海外馬が出走できる国際競走なのがリステッド競走、そうでないのがリステッド・リストリクテッドとなる。
日本の場合、中央競馬のオープン以上のレースは1競走を除いて[1]、全て国際競走であるため国内での格付けと国際的な扱いは一致しているが、地方競馬は交流重賞も含めてほとんどのレースが国際競走ではないため、日本国内では重賞扱いのレースも国際的にはリステッド・リストリクテッド(LR)という扱いになる。
リステッド競走を勝利した馬は、重賞を勝利した馬と同様に、セリ名簿で太字で記述される。
中央競馬でリステッド競走が設定される以前は準重賞と呼ばれることもあった[2]。
中央競馬では、GⅠ・GⅡ・GⅢ(および格付けなし重賞)の重賞に次ぐ格付けとして、リステッド競走がある。すべて国際競走のため、LRではなくLである。
わかりやすく言えば、オープン特別より格上で、GⅢより格下のレースという位置づけ。
なお、格付けなしの重賞も国際的な評価としてはリステッド競走に含まれるため、重賞に次ぐ競走とする位置づけは中央競馬独特のものである。国際的にはリステッド競走は重賞に含まれる。
ブルーブック上では日本がパート1国になった2007年から掲載され、公式サイト等で明記するようになったのは2019年からである。2018年からはGⅢ以上と同じく日本グレード格付管理委員会によるレーティング基準があり、下記の通りである。
※注:2024年の時点では2歳牝馬限定のリステッド競走は行われていない。
導入時点で8割のオープン競走はこれを満たしていたが、実際にリステッド格付けを取得したのはオープン競走全体の半数である。これはオープン競走の中に上位と下位の枠組みを作る意図があるとされる。
明示されるようになった2019年には降級制度が廃止されており(降級制度については「収得賞金」の記事を参照)、従来よりオープン馬の総数の増加が見込まれたため、オープン特別のレースに上位と下位を作ることで、出走馬の実力格差を縮めようとしたものと思われる。
なお勝利した際に獲得できる収得賞金もリステッド競走とオープン特別では差がつけられており、2歳限定ではL:800万円・OP:600万円、3歳限定ではL:1200万円・OP:1000万円、3(4)歳以上ではL:1400万円・OP:1200万円となっている。
2024年には、中央競馬が開催するリステッド競走は全部で64競走ある。内訳は2歳限定:2競走、3歳限定:16競走、3(4)歳以上:46競走。また芝が46競走、ダートが18競走である。
また、2023年以降は3(4)歳以上のオープン特別競走とリステッド競走で出走馬の決定方法が変わってくる。
※名鉄杯は2019年にリステッド競走に指定されたが、2020年からは京都競馬場改修の影響で3月の中京競馬場・ダート1400mの開催となりリステッド競走の指定から外れていた。代わりとして、7月にリステッド競走・ジュライステークス(2020年は阪神ダート1800m、2021年・2022年は福島ダート1700m)が開催されている。
※扱いとしては「名鉄杯が時期移動して格下げになった」のではなく「名鉄杯が(一時的に)ジュライステークスに名称変更した」(2020年~2022年3月開催のオープン特別「名鉄杯」は同名の別のレース)ということのようで、日本向けでは2019年と2020年のリステッド競走年間レースレーティング一覧(PDF)
で「ジュライステークス(旧:名鉄杯) 」と記載。また、海外向けのブルーブック「2020 International Cataloguing Standards Book(The Blue Book)(英語PDF)
」には、July S. (L)(formerly Meitetsu Hai)と2020年の情報として記載されている。
※その名鉄杯は2023年に京都競馬場の改修工事の終了により元の7月に戻り、格付けもリステッド競走として行われた。
しかし、2024年開催分は今度は阪神競馬場の改修工事の日割りの都合で、再び7月のジュライステークス福島1700mにリステッドの格付けを移し、同年の名鉄杯は8月の例年であれば小倉の阿蘇ステークスの置き換え(同名の別レースあつかい)となり、再びリステッドは外れている。
地方競馬においては、前述の通り基本的に国内独自格付けであるJpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢの重賞が、国際的にはリステッド・リストリクテッドという扱いになる。ただし、以下の例外がある。
また、中央競馬と同様で2018年から日本グレード格付管理委員会によるリステッド格付けとしてレーティング基準の管理も行われている[3]。
なお、中央競馬のリステッド競走のように重賞と特別競走の間に位置する競走は、一部の競馬場で準重賞として開催されている。
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最終更新:2025/03/15(土) 18:00
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