一休宗純 単語

11件

イッキュウソウジュン

1.5千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

一休宗純いっきゅう そうじゅとは、室町時代の臨済宗の僧侶、大徳寺の元住職である。

概要

とんち話などで書籍やアニメで知られるが、これらは江戸時代の作り話である。
しかし、実際の一休は狂の精神の下で、奇行をしつつ室町時代中期の政治や形骸化した仏教風刺していた。
その中で様々なエピソードを生んでいた。
こうした形式にとらわれない行動人間らしい生き方が庶民の評判を呼び、とんち話を生み出すきっかけになったともいえる。
しかし大徳寺の高僧でもあったため、貴族や武との交友もあり、寺の復、再建も行っている。 

一方でいくつもの集を出し、また書筆)としていくつもの重されていた。

生涯

1394年京都生まれ。藤原氏の一族で、一説には後小松天皇の落胤だと言われる。幼名は千菊丸。

6歳の時に安寺に入り受、周建という戒名をいただく。このときにの才が開し、いくつもの作品が評判を呼んだ。

1410年に安寺を出て、西金寺の謙翁宗為(けんおうそうい)の子となり、戒名を宗純と改める。しかし1414年に謙翁が亡くなってしまう。悲しみのあまり入自殺を試みるが失敗に終わる。

1415年、大徳寺の出身で近江堅田の祥瑞に住む叟宗曇(かそうそうどん)の子となり、号として一休の名をいただく。 
1420年に大悟し、叟は一休に印可状(悟りに達したことを明する卒業書のようなもの)を与えようとするが、一休は辞退し、寺に入らず狂の生活を長らく送ることとなる。印可状は叟の子が持っていたが、持ち込んだ際に一休は火にくべてしまった。

1456年には、戦災で衰退していた(現在京都府京田辺市にある)妙勝寺を復し、酬恩(一休寺)と改め、ここを住まいとした。 

1474年、後土御門天皇の勅命により、大徳寺の住持(住職)に任ぜられた。しかし寺に住むのは断り、酬恩から通っていた。大徳寺は応仁の乱で荒れ果てていたが、一休の努力によって復していった。

1481年に病に倒れ、酬恩で亡くなる。享年88。死の間際に「死にとうない」と言ったとされる。 

人物像

狂の生活に入ると、見たにはひげを剃らずに伸ばしたまま、もぼろぼろだった。また、当時ので禁じられている食、飲、性行為(女性だけでなく男性も)も行っていた。実際、実の子もいたと言われている。

  • 朱の木刀を差して歩いていた。「に納めていれば壮に見えるが、抜いてみれば木刀でしかない」ということで、体面を飾ることしかできない当時の世相を批判した。
  • 正月にはの頭に頭蓋をつけ、「ご用心、ご用心」と練り歩いた。

集においては、当時の足利義政日野富子による悪政を風刺、糾弾する内容も含まれていた。

酬恩や大徳寺においては、一休の手で「一休寺納豆」「大徳寺納豆」が伝えられている。
これは現在納豆とは異なり、大豆に麹とをまぶして発酵させ、燥の後熟成させたものである。中華料理に使われる豆豉(トウチ)と製法は同じで、これが日本に伝わったものといえる。

アニメ「一休さん」との違い

テレビ朝日(開始当初は日本教育テレビNET)で放映されていたアニメ「一休さん」とは、実際にとんちを行っていたかどうかを置いておくとしても、他にも史実とは違っている点は存在する。

関連動画

関連項目

この記事を編集する
関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

掲示板

  • 15 ななしのよっしん

    2023/09/19(火) 16:15:22 ID: azdKSIulCM

    間違いなく生臭坊主の類だけど、世の本質を突きまくって広く大衆の人気集めてたよなぁ。んでお上からお咎めなしなのは御落胤って事情もあったからかも。

    ところで肖像画見てると、昔の俳優名古屋章みたいな感じがするんだ。

  • 👍
    1
    👎
    0
  • 16 ななしのよっしん

    2024/02/01(木) 16:42:09 ID: BZoHwNc0WU

    とんち者というマイルドな表現としてどうして広まったか気になるところではある
    現代の庶民の感覚からすれば、破僧というのも常識の束縛しでは生きられない者にとっては、常識を嘲笑うだけの気ままな楽者にしか見えないが…
    むしろ皆常識なんて守りたくないから言いたい事言ってやる系のタレントなのか

  • 👍
    0
    👎
    0
  • 17 ななしのよっしん

    2024/12/16(月) 19:03:16 ID: dHA/4dZDLH

    死因平清盛と同じマラリアであることはあまり知られていない。清盛は苦しみながらの絶命のイメージがするのに、一休さんは88歳まで生きたのと、遺言が「死にとうない」と一休さんらしいから大往生の印が強い。

  • 👍
    0
    👎
    0

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
ゆっくりTRPG[単語]

提供: トモヤ

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/03/28(金) 02:00

ほめられた記事

最終更新:2025/03/28(金) 01:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP