三菱・ランサーとは、三菱自動車で1973年より発売されていた乗用車&商用車である。ランサーエボリューションのベース車種でもあるが、この欄では普通のランサーを扱い二代目「ランサーEX」、二代目と併売されていたFF駆動バージョンの名称である「ランサーフィオーレ」、商用車のランサーカーゴも少しであるが触れる。
車名の意味はフランス語で「槍騎兵」の意味から。初代と二代目の駆動方式はFRであったが、二代目と併売をされたミラージュの 姉妹車でランサーフィオーレも併売をされていたが、三代目以後はランサーとなるが、六代目の初期では「ランサーセディア」の名称でもあった。四代目からは、ランサーエボリューションのベース車両となる。
素のランサーは比較的ハンドリング等にこだわったファミリーカーの性格である。そのため、営業車のベースとなり、四代目以後は三菱製の教習車のベースとなっているが、一時は”三菱教習車”の名称であったが、六代目の途中で”ランサー教習車”の名称となる。
日本仕様ではギャランフォルティスの名称となるが、海外では七代目ランサーとなっている。2011年現在の日本国内でのランサーは、 ランサーエボリューションと2010年より日産・ADのOEMバーションの商用車・ランサーカーゴのみとなる。
1973年に登場。当初は、2ドアセダンと4ドアセダンのみで、エンジンもガソリンの1200㏄、1400㏄、1600㏄の四種類が用意された。 後にラリー仕様の1600㏄の2ドアモデル、1400㏄の4ドアにAT車、1400㏄の一部グレードには5速MT仕様、ライトバン仕様が追加と なった。
1976年にマイナーチェンジで、フロントデザインを大幅に変更となる。
乗用車系は1979年にモデルチェンジをするが2ドア系はこの代のみとなった。またライトバン仕様は細かなマイナーチェンジを繰り返して1985年まで継続生産をしていた。
1979年に初のモデルチェンジ。名称も「ランサーEX」(以後EXで表記)となり、ボディも4ドアセダンのみとなる。 デザインも初代が曲線を多用したデザインから直線的なデザインとなる。駆動方式はFRとなる。 エンジンはガソリンのみで1400㏄、1600㏄の二種類のみとなる。 設計もギャランの設計を縮小化した設定のためライバルよりも高品質さをアピールが出来た。またブレーキも全グレードにフロントディスクブレーキも標準装備となった。最高峰グレードは四輪ディスクブレーキとなる。
1980年に1800㏄のガソリンエンジンが追加され、1400㏄にもAT仕様が選択可能となった。
1981年にヨーロッパ市場では、2000㏄のターボ付きモデルが登場。日本では正規販売はされなかったが、平行輸入で日本でも少量販売が された。同年にリアデザインの変更のためマイナーチェンジ。廉価版の1200㏄エンジン搭載車が登場をし、1800㏄エンジンはターボ化をしてノンターボの1800㏄が廃止される。これが通称「ランタボ」である。
1982年にミラージュの兄弟車「ランサーフィオーレ」(以後フィオーレに表記)が登場。ボディは4ドアセダンのみで、 エンジンはガソリンの1200㏄と1400㏄となり、駆動方式がFFとなる。 後には1400㏄にターボエンジンも搭載する。同年には、EXがWRCでの1000湖ラリーで3位入賞を果たす。WRCでは、初の電子制御噴射装置搭載のモデルとなった。なお参戦をしたのがヨーロッパ仕様の2000㏄である。
1983年にフィオーレがミラージュと同時にモデルチェンジ。エンジンもガソリンの1300㏄、1500㏄、1600㏄のターボと、 ランサー初の1800㏄ディーゼルエンジンも搭載された。同年にはEXシリーズもマイナーチェンジ。前後デザインの変更と、装備 充実を図り、ターボエンジンもインタクーラー付きとなる。なお1200㏄車が廃止となった。また当時認可されたばかりのドアミラーも 装着された。
1985年にステーションワゴンとライトバンがモデルチェンジ。初の4WD車も登場。
同年、フィオーレもマイナーチェンジを受け、ウィンカー形状が変更された。
因み1985年には、このフィオーレをベースとしてマレーシアのプロトン社が国民車「サガ」を生産している。(モデルライフは異常に長く、2008年まで生産された)
1988年にモデルチェンジ。車名も「三菱・ランサー」となる。この代よりミラージュの姉妹車として共に歩むようになる。 駆動方式は基本はFFであるが、この代より通常のグレードでも4WDが選択可能となった。この代の特徴として、ランサーのみが 5ドアハッチバックのボディとなる。なお、海外仕様の4ドアセダンはランサーとなる。
エンジンはガソリンの1300㏄、1500㏄、1600㏄のターボ付きとなり、1500㏄の一部グレードと1600㏄の一部グレードで4WD仕様も選択可能。1800㏄のディーゼルエンジンも用意された。
1989年に1300㏄と1500㏄がパワーアップ化をされる。
1990年にマイナーチェンジ。1500㏄車にお買い得仕様が登場する。
この代は日本では人気がない5ドアハッチバックのボディのみということや、ミラージュの方に人気が出ていたために販売台数は芳しくなかった。なお、イメージキャラクターに1990年のマイナーチェンジ以後には女優・賀来千賀子を起用していた。
1991年にモデルチェンジ。ボディも4ドアセダンのみとなる。また、ミラージュとの部品共通化をよりいっそう強まったが、 外装はミラージュが曲線を多用したデザインに対して、ランサーは直線的で4ドアセダンらしいデザインになった。 エンジンはガソリンの1300㏄、1500㏄が通常版と省燃費バージョンの二種類、1600㏄の直4、1800㏄のターボと、ディーゼルターボ の1800㏄が用意された。
1992年にミラージュと同時に世界最小のV型6気筒の1600㏄エンジンが登場をし「ランサー6」として発売される。また、ランサーをベースにしたランサーエボリューションがこの時登場をしている。ステーションワゴン&バンは、ランサーをベースにしたリベロに移行をする。
1993年にマイナーチェンジ。前後デザインをリファインをし、1300㏄のミッションをMTは5速、ATは4速化をした。
この代は4ドアセダンに回帰をしたモデルであったので売上は回復。また、ランエボが登場をしたモデルとなり、エボⅠからエボⅢまで作られた。 また、1992年にギャランがモデルチェンジをして3ナンバー化をして大型化をしたので、標準のままの全長では教習車の基準に合わないため、ランサーをベースにアメリカ仕様の大型バンパーを装着をして全長の基準を合わせ、専用のチューニングを施した”三菱教習車”も登場している。なお、三菱教習車のエンジンは、ガソリンとディーゼルターボとLPGで、排気量はいずれも1800㏄となる。ガソリンとディーゼルターボエンジンは、リベロのステーションワゴンモデルと同じエンジンである。 イメージキャラクターには俳優・宅麻伸を起用した。
1995年にモデルチェンジ。コストダウンが激しくなったモデルで、ミラージュセダンと同様のボディとなった。エンジンは先代モデルと 変わらず。V型6気筒だけが排気量が1800㏄と排気量がアップをしただけであった。教習車仕様も同時にモデルチェンジ。ランエボもエボⅣからエボⅥTMEまでこのモデルをベースとした。
1997年にマイナーチェンジ。フロントとリアデザインの一部変更となった。また1500㏄の省燃費エンジンが廃止となった。
一部グレードには、クラス初のマニュアルモード付きATが初採用された。イメージキャラクターには前期型のみ俳優・時任三郎を起用 した。この代は普通のランサーが影になり、どちらかと言うとランエボが全面に押し出す形となる。
2000年に登場。ミラージュも統合をして「ランサーセディア」の名称となる。エンジンは直噴エンジンのGDI搭載で排気量は 1500㏄&1800㏄の二種類に絞られる。同年、リベロワゴンを廃止して「ランサーセディアワゴン」も登場をする。 ミッションはCVTとなり、1800㏄にはマニュアルモード付きとなった。同時に教習車仕様もモデルチェンジ。 エンジンがガソリンエンジンとLPGで排気量が1800㏄で、5速MTと4速ATとなる。この代でディーゼルは廃止となった。
2001年に一部改良。非直噴エンジンの1500㏄エンジンを搭載をした営業車モデルが登場。5速MT仕様も登場する。この時期に登場したランエボⅦもランサーセディアベースとなる。
2003年にリベロの商用車版・リベロカーゴが廃止されランサーセディアワゴンベースにしたランサーカーゴとなる。同年にマイナーチェンジ。 名称も「ランサー」となり、フロントデザインとリアデザインを大幅に変更。当時三菱に在籍をしていたフランス人デザイナーのオリビエ・ブーレイが、富士山をイメージしたデザインである通称・ブーレイフェイスとなる。エンジンも1500㏄のGDIが廃止されて、普通の1500㏄エンジンとなる。同年には教習車の名称も「三菱教習車」から「ランサー教習車」となる。
2005年にマイナーチェンジ。アクの強いブーレイフェイスから、オーソドックスなデザインに変更となる。エンジンも GDIの1800㏄が廃止されて、ギャランの代替え需要を狙って2000㏄がセダンのみに設定される。ランエボもエボⅧとエボⅧMRはブーレイフェイスであったが、空力性能が悪化した為、エボⅨでセダンと共通のマスクとなった。
2007年にワゴンシリーズとセダンの1800㏄と2000㏄が廃止となり、1500㏄の営業車グレードに絞られる。教習車は従来はメーカーオプションであったパワーウインドーが標準装備となった。
2009年に生産終了。在庫分のみの販売となった。同年にはランサーカーゴが日産・ADのOEM供給モデルとなる。
2010年販売終了。実に六代37年の歴史に幕を閉じた。これで三菱車の5ナンバーサイズセダンは終了となった。 TVCMにはセダン・ワゴン・ランエボ共通で当初から『キャラバンの到着』が使用されていた。
なお海外仕様は、日本でのギャランフォルティスが、七代目ランサーとして販売をされている。
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最終更新:2024/05/13(月) 04:00
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