乗降終了合図とは、鉄道の分野において、大きなターミナル駅や運転士及び車掌の目視でも見づらいカーブのきつい駅を中心に、列車を発車をさせる際に、駅員が車掌または運転士に旅客の乗り降りが済んだことを知らせる合図のことである。客扱い終了合図(略して客終合図)とも言う。
基本的に電車を出発させる際は信号を確認し、扉の扱いは乗務員の目視で行われることが多いが、カーブのある駅、乗降客が比較的多い駅、乗り換えを伴う駅など安全上出発の判断が難しい場合がある。そのときに駅員が手旗、ベル、ブザー、カンテラ、戸閉合図器などを使い、乗降が終わったことを知らせる乗降終了合図を行うのである。全国的には日中は手旗、夜間はカンテラが使用される。その一方で一部の駅ではベル合図(JR石山駅、草津駅など)、ブザー合図(新幹線の駅を中心に)、戸閉合図器(会社別により様々な方式がある)によって発車の補助を行っている。このような扱いは立ち番駅員によるスイッチ操作がほとんどであるが、阪急電鉄のように通常合図を行われるのは運転室の係員の操作で人の目には見えない場所で行っていることもある。
類似した言葉に出発指示合図や出発合図があるが、見た目は乗降終了合図と似ているものの、こちらは駅自体が信号扱いを行い、駅長(現状は当務駅長で輸送主任以上の人)が出発の許可を出すことになっているため、乗務員が勝手に出発の判断をしてはいけない。そもそも鉄道の歴史においては出発の合図は車掌ではなく駅長が行い、運転士が汽笛一声を鳴らして発車するのが基本とされていたが、今日では路線数及び列車の本数の増加により駅長が全ての出発の指示を出すことは不可能であり、またCTC、ITV、ATS、ATC、TASCといった保安設備の普及もあることから、現在では数駅しか残っていない。首都圏において出発指示合図が日常的に見られるのは千葉駅と大宮駅のみである。この2駅では出発指示合図を出すホームにおいては当務駅長が緑旗を常に携帯しているので他の駅と判別してみよう。
一方で乗降終了合図では見習いの駅員、さらには阪急電鉄の学生班でも合図を出すことができるため、基本的に乗務員の判断で出発させることができる。ただし鉄道会社によってはルールが異なる。
手を高く上げる手合図 | 戸閉め時1回 | 阪急電鉄(発車の際に電車に向かって一礼を行う)、南海電鉄など |
戸閉め時1回+出発時1回 | 京阪電鉄、大阪市営地下鉄など | |
赤旗を絞って高く上げる手旗合図及び夜間は白カンテラ合図 | 戸閉め時1回 | 名古屋鉄道、名古屋市営地下鉄、JR東日本(立ち番1人体制の場合に多い)、JR西日本、近畿日本鉄道の名古屋線系統など |
戸閉め時1回+出発時1回 | 東急電鉄(渋谷駅は緑カンテラ使用)、京急電鉄、京成電鉄、京王電鉄、東武鉄道、西武鉄道、相模鉄道、小田急電鉄、近畿日本鉄道の大阪線系統、JR東日本(立ち番2人以上及びカーブのある駅を中心に)など | |
白旗を高く上げる | 戸閉め時1回 | 阪神電鉄(通常は手合図の場合が多い) |
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最終更新:2024/04/26(金) 03:00
最終更新:2024/04/26(金) 03:00
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