崇神天皇

崇神天皇

（すじんてんのう 紀元前148年～紀元前29年）とは、古事記・日本書紀に記されている第10代天皇である。

お隠れになった際の年齢が、日本書紀で120歳、古事記で168歳と記されているが

1. 欠史八代と違って史書に記載が豊富にある事
2. 古事記に「所知初國御眞木天皇（はつくにしらししみまきのすめらみこと）」、日本書紀に「御肇國天皇（はつくにしらすすめらみこと）」とその名が記されていて”はつ＝初”とも読める為、神武天皇と同一人物とする説がある事

から、現代の学術的に実在が否定されていない最古の天皇である。

在位：紀元前97年2月17日～紀元前29年1月9日。

概要

開化天皇と伊香色謎命（いかがしこめのみこと）の間に生まれる。異母弟には神功皇后の祖先となる彦坐王（ひこいますのみこ）がいる。

紀元前130年に立太子され、開化天皇がお隠れになられた翌年の紀元前97年に即位した。紀元前95年には、それまでの皇室と協力関係にあった葛城氏の勢力圏から離れた三輪山の麓に遷都した。

紀元前93年に疫病が蔓延して多くの民が犠牲になった為、宮中に祀られていた天照大神（あまてらすおおみか）と倭大国魂神（やまとのおおくにたまのかみ）を皇居外に移し、天照大神は皇女の豊鍬入姫命（とよすきいりびめのみこと）に託して現在の檜原神社につながる社に祀らせ、倭大国魂神は渟名城入媛命（ぬなきいりびめのみこと）に託して現在の大和神社につながる社に祀らせた。天照大神はその後も移動し、垂仁天皇の頃に現在の伊勢神宮に御鎮座した。

しかし疫病は止まらず、紀元前91年に自ら神事を執り行って神託を得、三輪山に神社を創建し（現在の大神神社）、大物主（おおものぬし）の子孫の大田田根子（おおたたねこ）をみつけだして神主にしたところ、疫病は沈静化した。

紀元前88年、四人の皇族に将軍の印綬を与えて四道将軍とし、

• 孝元天皇の第1皇子である大彦命（おおびこのみこと）を北陸道へ
• 大彦命（おおびこのみこと）の子である武渟川別（たけぬなかわわけ）を東海道へ
• 孝霊天皇の第3皇子である吉備津彦命（きびつひこのみこと）を山陽道へ
• 彦坐王の子である丹波道主王命（たんばのみちのうしのみこと）を山陰道へ

へと派遣して大和朝廷に従わない者たちを討伐させた。討伐軍はそれぞれ指示された地方へと派遣されていったが、孝元天皇の皇子である武埴安彦（たけはにやすびこ）と妻の吾田媛（あたひめ）が都を襲撃しようとしたところ画策した為、異変を察知して引き返した大彦命は武埴安彦の軍勢を打ち破り、吾田媛の軍勢も崇神天皇が派遣した軍に敗れて反乱は失敗の終わり、四道将軍の派遣は再開した。

紀元前87年に各地方を平定した四道将軍が帰還してその旨を上奏、紀元前65年には任那国が朝貢し、大和朝廷は畿内の地方政権から全国規模の政権へと飛躍した。

天下統一を果たした崇神天皇は、平和で豊かな治世を送り、紀元前48年に活目入彦五十狭茅尊（いくめいりびこいさちのみこと）を立太子した後、紀元前30年にお隠れになられた。 

崇神天皇と言う諡号は、漢風諡号を持たない神武天皇から元正天皇までの44代（弘文天皇と文武天皇を除く）に対して、奈良時代の文人「淡海三船」が漢風諡号を一括撰進し、多くの社をたてて神を崇め奉った事から「崇神天皇」の漢風諡号があたえられて以降呼ばれるようになったもので、古事記では御眞木入日子印恵命（みまきいりひこいにえのみこと）、日本書紀では御間城入彦五十瓊殖天皇（みまきいりびこいにえのすめらみこと）と呼ばれている。

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関連項目

• 天皇
• 古事記
• 日本書紀
• 邪馬台国
• 卑弥呼
• 天皇の一覧

9代	10代	11代
開化天皇（かいかてんのう） 紀元前158～紀元前98	崇神天皇（すじんてんのう） 紀元前97～紀元前30	垂仁天皇（すいにんてんのう） 紀元前29～70