志賀は誕生から廃止されるまで一貫して上野駅と長野県を結ぶ急行列車であった。廃止時に長野電鉄に乗り入れていた事が知られている急行志賀であるが、黎明期は長野駅発着であった。また、急行志賀には新車のキハ57系が投入されたが、これはキハ58系の横軽越え用の特殊な車両であった。
1961年5月から運行開始した急行志賀であるが、半年後に大きなダイヤ改正(サンロクトオ)が控えていたにもかかわらず5月から運行開始されたのは、7年に一度行われていた善光寺の御開帳(4月1日から5月21日まで)が大きな理由である。ただし半年後のダイヤ改正で全く同運行区間で同車両が使用された急行丸池が誕生している。余談だがサンロクトオのダイヤ改正では信越本線を経由する初の特急である白鳥が大阪~直江津~青森・上野間に設定された。
1962年3月には人気の高かった志賀高原へのアクセスを目的として、前述の急行丸池と共に一部の編成が屋代駅で分割・併合され長野電鉄に乗り入れるようになった。1963年10月には上野~長野間の夜行準急あさまが急行に格上げされると同時に急行丸池に改称されたので、従来の昼行急行丸池は急行志賀が増発することで対処する事となった。同じく使用車両もキハ57系から165系に変更されている。
しかし1968年10月の俗にヨンサントオと呼ばれるダイヤ改正で全国的な列車名の統合が行われた結果、前述の丸池ともども上野~長野間の急行は信州に統合される事となったので急行志賀の名称は一度は消滅した。にも関らず1年後の1969年10月には「どの急行信州が長野電鉄に乗り入れているのかわかりにくい」という理由から、長野電鉄に乗り入れていた編成を急行志賀として運行する事となったので志賀の名称は復活する事となった。ただし長野駅発着は急行信州として運行され上野~屋代間は信州・志賀として運行されていたので急行志賀は長野駅には乗り入れなかった。
それから13年余りは併結相手が長野駅発着の急行信州から直江津駅発着の急行妙高になったり、1往復が臨時化されたりといった程度の変化しか無かった急行志賀であったが、1982年11月の上越新幹線開業に伴う全国規模のダイヤ改正で急行志賀は廃止される事となった。スキー場の増加による分散化、モータリゼーションや信越本線特急増発の影響で急行志賀の利用客が減っていた事が主な原因であった。(長野電鉄百年史によると、急行志賀の損益分岐点が乗車率6割のところ、最終年は乗車率3割を切っていたという。)急行志賀の廃止に伴い屋代駅の信越本線(当時)と長野電鉄との連絡線が撤去されている。
以後長く長野電鉄の券売機には東京や名古屋行きの切符が買える機構が残されていたが2000年代に券売機が更新され名残は消えてしまっている。
ちなみに急行料金はどうなっていたかというと、廃止直前に於いては上野駅と長野電鉄線内発着の場合は1200円であった。国鉄線内の急行料金は201km以上(上野~屋代間は203.2km)は1100円・長野電鉄線内の特急料金は距離に関らず100円であった。
屋代駅内で分割併結されるが、長野電鉄線内は三両以内しか停車できない駅が多かったため、長野電鉄線内は一部を除き最大三両編成で運行していた。
2012年4月1日に長野電鉄屋代線は廃線となったが、それを受けてしなの鉄道が軽井沢~屋代間にリバイバル急行志賀を3月20日・3月24日・3月25日・3月31日に運行していた。
| 駅名 | 上 野 駅 |
赤 羽 駅 |
大 宮 駅 |
熊 谷 駅 |
深 谷 駅 |
本 庄 駅 |
高 崎 駅 |
磯 部 駅 |
横 川 駅 |
軽 井 沢 駅 |
中 軽 井 沢 駅 |
信 濃 追 分 駅 |
御 代 田 駅 |
小 諸 駅 |
大 屋 駅 |
上 田 駅 |
戸 倉 駅 |
屋 代 駅 |
併結相手 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 志賀1号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 妙高3号 | |||||
| 志賀3号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 信州3号 | ||
| 志賀2号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 妙高4号 | |
| 志賀4号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 信州10号 |
| 駅名 | 屋 代 駅 |
松 代 駅 |
須 坂 駅 |
信 州 中 野 駅 |
湯 田 中 駅 |
|---|---|---|---|---|---|
| 志賀1号 | ● | ● | ● | ● | ● |
| 志賀3号 | ● | ● | ● | ● | ● |
| 志賀2号 | ● | ● | ● | ● | ● |
| 志賀4号 | ● | ● | ● | ● | ● |
長野電鉄湯田中駅の自治体である長野県下高井郡山ノ内町にある志賀高原から。
1962年3月 急行志賀の運行区間が上野~屋代~長野・長野電鉄湯田中間になる。
1963年10月 同区間を運行していた急行丸池を吸収して急行志賀は2往復に増発。
1968年10月 上野~長野間の急行信州に統合され急行志賀の名称は一時廃止される。
1969年10月 急行信州の長野電鉄湯田中駅に乗り入れる編成を急行志賀に改称。
1982年11月 上越新幹線開業のダイヤ改正で急行志賀廃止。
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最終更新:2025/12/13(土) 04:00
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