村田さなえとは (ムラタサナエとは) [単語記事]

「村田さなえ」とは、お笑いコントに登場したキャラクターである。

概要

フジテレビのお笑いバラエティテレビ番組『はねるのトびら』にて2003年から2005年にかけて放送されたコントシリーズに登場したキャラクターで、そのシリーズの主要キャラクター。

当初は、2003年 11月24日放送回のコント「ホストに通う女」が「村田さなえ#1」と位置付けられており2004年 4月13日放送回の「歓迎されない新入生」が「村田さなえ#2」だった。

だがその次に放映された、第3回にあたるはずの2004年 6月22日放送回「盛り上がれないバーベキュー」はなぜか「文学部1年　村田さなえ　#2」とされ、上記の「村田さなえ#2」だった「歓迎されない新入生」は遡って「村田さなえ　#1」という扱いに改められた。第1回の「ホストに通う女」が「村田さなえ」シリーズから外された扱いとなったのかもしれない。

2003年 11月24日放送回「ホストに通う女（村田さなえ　#1）」
2004年 4月13日放送回「歓迎されない新入生（村田さなえ　#2　→　村田さなえ　#1）」
2004年 6月22日放送回「盛り上がれないバーベキュー（文学部1年　村田さなえ　#2）」
2004年 7月27日放送回「盛り上がれない夏休み（文学部1年　村田さなえ　＃3）」
2004年 10月12日放送回「盛り上がれない果物狩り？（文学部1年　村田さなえ　#4）」
2004年 11月9日放送回「盛り上がれない学園祭（文学部1年　村田さなえ　#5）」
2004年 12月7日放送回「盛り上がれないクリスマス（文学部1年　村田さなえ　#6）」
2005年 3月8日放送回「盛り上がれない引っ越し祝い（文学部1年　村田さなえ　#7）」
2005年 5月3日放送回「盛り上がれない来訪者（文学部2年　村田さなえ　#8）」
2005年 5月31日放送回「アナウンサー予備校（女子アナ志望～村田さなえの場合　#9）」

「文学部○年」と付いている各回は、タイトルが「歓迎されない新入生」や「盛り上がれない○○」となっていることからも分かるように、「大学生が集まって盛り上がろうとしているが、参加した村田さなえが盛り下がるような言動をしてしまうため、どうにも盛り上がることができない」といった内容だった。

2004年7月27日放送回をきっかけとした批判

その中で、2004年 7月27日の放送回は「アレルギー患者を馬鹿にしたような内容だった」として批判の声が集まり、BPO（放送倫理・番組向上機構）にも複数の意見が寄せられた。

当時のインターネット掲示板「２ちゃんねる」への投稿^[1]に「どのようなコント内容であったのか」の要約が掲載されているので引用してみると、

2004年 7月27日●盛り上がれない夏休み　( 文学部1年　村田さなえ　#3）
村田さなえ（虻川）が海に遅刻してくる（服がびしょ濡れ）
「きれいな貝があって～それを拾おうとしたら～大きい波がきて、よけようとしたらかばんからいつも持ち歩いてるジュースが落ちて、波にさらわれて～
どんどん流されていっちゃったんですよ～（スタッフ笑）私にとって～このジュース以外のものはカラダにぶつぶつが出ちゃうんですよ～（スタッフ笑）
今日特に暑いから、絶対かくのがとまんなくなっちゃうと思うんで～（笑）　それはやばいと思って海に入って～（略）」

といったもの。

この回に登場する「ジュース」についてはこれ以前の回でも登場していたアイテムであり、同じく以前の回の内容を「２ちゃんねる」への要約投稿から引用すると

2004年 4月13日●歓迎されない新入生　( 村田さなえ　#1）
新歓コンパの場で、乾杯しようとしたとき、いつも持ち歩いてる特殊なジュース以外を飲むとカラダにぶつぶつが出るといってコンパをしらけさせるという内容

2004年 6月22日●盛り上がれないバーベキュー　( 文学部1年　村田さなえ　#2）
村田さなえ（虻川）がバーベキューに遅刻してくる
「このバーベキュー大会がうれしくて～考えただけでウキウキして～なんか眠れなくて～、で、なんか興奮してきちゃって～
で、私、興奮するとカラダ痒くなっちゃって一度かきだすと血が出るほどかいちゃうんです」（ここでスタッフ一同爆笑）

しばらくして乾杯（村田は特定のジュース以外のものを飲むとアレルギーが出るという設定）で１人だけジュースを持参
「今日はちょっとうれしいんでビールも飲みたい」（メンバー必死に止めようとする）、「少しくらいアレルギーおきたって」（スタッフ一同爆笑）

といった内容だったようだ。当時の２ちゃんねるのスレッド（当然このコントを実際に見た者も多いと思われる）にて「こんな内容じゃなかったぞ」と指摘するような声が挙がっていないため、概ねこの通りの内容であったものかと思われる。

また、個人サイト^[2]にも2004年 4月13日放送回「歓迎されない新入生」の内容を掲載しているものがあった。引用すると、

新歓コンパで一人づつ自己紹介

●一人づつ自己紹介。

●さなえ登場。腕をさすりさすり・・

●肩をポリポリ・・

●乾杯しよう乾杯しよう♪

●「あれ？
　　さなえちゃん、それは・・水じゃないよね？」
　「はい、ぶどうジュースです。
　　正確に言うとぶどうジュースを水で割ったものです。」

●「え・・なぜ割っちゃったのかな？」
　「あの・・これ以外飲むと成分が強過ぎてなんかアレルギー出ちゃうみたいで・・
　　なんか、ブツブツ出てきちゃって・・
　　で、それを掻いちゃいけないって頭では分かってるんですけど・・」

●気まずい雰囲気に・・

●さらに説明。
　「すごい血がでる程掻いちゃうんで・・なんかその繰り返しばっかなんで・・
　　もぅ、これを飲むしかないんです。」
　顔のポツポツに注目。

●場をとりつくろう。
　「ＯＫだよな、ＯＫだよな」
　「いいよな」

●「こ、これ飲みますっ」
　「いやいやいや・・」
　「むしろみんなコレ飲みたいんだよ？」
　「うんうん」
　「でもないからさぁ」

●とりあえず乾杯。

ここまでで５分弱の半分。
以後、
この一週間以内にチューをした人と言う話題。
　　↓
さなえ、飼ってた犬が怪我をして最後の水を口移しで・・。
　　↓
気まずい雰囲気。
　　↓
さなえ、タバコの火を怖がる。
前のお父さんが怒るとタバコの火を押し付けるので、それを思い出すと説明。
　　↓
気まずい雰囲気。
　　↓
しらけて解散。
　　↓
さなえ、今夜は帰りたくない。
帰ったら２人目のお父さんに水風呂に入れさせられちゃう・・
　　↓
なんとか巻こうとする板倉。
「一旦帰って、もう一回戻ってくるから」
「帰ったら帰ってこないってわかります」（オチ？）
　　↓
おわり

そして、以下のリンク先にあるようにBPOには2004年 7月27日の放送回に対する視聴者からの意見が届いたようで、テレビ局にもそのことが伝えられたようだ。

2004年10月 | BPO | 放送倫理・番組向上機構 |

この騒動について取り上げたウェブメディアもあった。

「はねるのトびら」内のアレルギーからかうコント廃止を検討。 | Narinari.com

番組側の対応

こうした批判に対して、番組側は公式サイトに以下の内容の「お知らせ」を掲載した。

「村田さなえ」コントに関して

「はねトび」は先日の27時間テレビのテーマでもあった
「楽しくなければテレビじゃないじゃん！」という精神を大切にして番組作りをしています。

視聴者の皆さんはもちろんのこと、出演者や番組スタッフのみんなが一緒に
心の底から楽しめる番組をお届けすることが私のつとめと信じて番組を作ってきました。
しかしながら今回、その気持ちをうまく伝えることが出来ないばかりか、
アレルギーで悩んでいらっしゃる方々のお気持ちを無視した表現をしてしまったことを後悔しています。
誠に申し訳ありませんでした。
また、いつも番組を応援してくださっているファンの方々を失望させてしまったことを深くお詫びいたします。

これからは「人の心を傷つけることのない笑い」を作ることに留意して、
番組を更にパワーアップさせていきたいと思いますのでどうか応援を続けてください。

番組プロデューサー　近藤真広

ただし、この「お知らせ」は番組公式サイトに目立つ形で掲げられたわけではない。

2024年 8月4日に、番組公式サイトトップページの隅にある「What's new」の欄に小さく「「村田さなえ」コントに関するお知らせ。」というgif画像が掲載され、それをクリックすることでのみこの「お知らせ」のページがポップアップされる、というものだった。これには「ほとんど気づかん」「隠しページみたいな所でコッソリ謝罪」と批判する声^[3]も挙がっていた。