海中居住施設(sea habitat)とは、長期間の海中への滞在を目的とした定置式の施設である。
本記事では1960年代終盤~1970年代中盤に日本で稼働していた民間の海中居住施設の一種、「海底ハウス」についても扱う。
長期間の滞在を可能にする為に気閘、減圧設備等を備える。又、飽和潜水の場合には窒素中毒を防止する為にヘリウムを含むガスが使用される。海中でも居住できる技術を模索するために開発が始まったが、あまりにも維持にコストがかかりすぎるため、現在は観光や訓練目的などでしか造られないことが多い。
世界初の海中居住施設は1962年にアメリカで造られた「Man in the Sea I」とされている。ロバート・ステニュイが中で24時間ほど生活した。
その後アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、日本、ソ連などが海中居住施設を設置したが、多くは現在使われていないか、現存していない。現在でも稼働している最古の海中居住施設は1972年にアメリカ・フロリダ州に置かれた「La Chapula」。現在は「Jule's Undersea Lodge」という名前の海中ホテルとして使われている。
他にも稼働している海中居住施設は以下の通り(レストラン等を除いて、とりあえずの居住が可能なものに限定している)。
愛媛県のミカン農家だった田中和栄(1940~2011)が1968年に「海底ハウス」の建造を開始したことに始まる。同年内に海底ハウス「歩号(あゆみごう)1世」が完成。民間では世界初の海中居住施設ではなかったかとも言われる。愛媛県吉田湾内の海中に沈められ、直後に7日間の海中生活実験に成功して話題となった。
1974年には後継機にしてさらに大型の海底ハウス「歩号2世」が完成。静岡県沼津市内浦湾に沈められ、「三津天然水族館」(現:伊豆・三津シーパラダイス)の一部「海底村」の目玉として一般公開された。旧型の「歩号1世」は日本船舶振興会に寄付され、同年に開設された東京都の「船の科学館」に展示された。
その後1983年に「海底村」は閉鎖され、「歩号2世」も床から下の下部構造と壁や天井といった上部構造が切り離されて解体された。
「歩号2世」の上部構造の方は、魚礁として利用するために別の場所の海底に移設されたものの、その後詳細な場所が不明となっていた。しかし2019年2月に、伊豆・三津シーパラダイスのスタッフによって内浦湾内の水深18メートルの海底で発見された。[1]
(海底ハウス「歩号一世」の展示情報あり)
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最終更新:2025/12/13(土) 15:00
最終更新:2025/12/13(土) 14:00
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