『爆笑陸軍二等兵物語』とは、塚原平二郎による漫画作品である。
1985年に光人社から「戦記コミックス」シリーズとして全4巻が出版された漫画作品。大日本帝国陸軍の若い下っ端の兵隊が入営後の訓練生活中や戦時中に経験した、様々な出来事を描いた体験記もの。後述するように作者は実際に陸軍の兵隊であった。
光人社は別の出版社「潮書房」の系列であり、潮書房が出していた軍事・戦記雑誌『丸』に関連する書籍を出していた。2012年にはこの2つの会社は合併して「潮書房光人社」となり、更に2017年には産経新聞出版が株式を取得し「潮書房光人新社」と社名を改め、産経新聞出版の子会社となっている。
1985年当時の『丸』にも本作の広告が掲載されており、「おもしろさ抜群、新機軸戦記コミックス」「抱腹絕倒の兵隊漫画」「笑いあり、涙あり、感動を呼び起こす兵隊漫画の決定版」「"兵隊屋敷"にくりひろげられる古参兵、新兵サンたちの泣き笑い狂想曲!」「兵隊のありのままの姿を生き生きと描く、コミック版よもやま物語」といった売り文句が付されている。「コミック版よもやま物語」というのは、光人社は当時『海軍よもやま物語』『陸軍よもやま物語』『新兵サンよもやま物語』……などなど、「よもやま物語」と付く戦時中の体験記を多数出版しており、本作がその流れを汲むものであるため。
「おもしろさ抜群」「抱腹絕倒」といった売り文句とは裏腹に、戦地での体験が描かれた3~4巻の内容は割とドン引きするような内容もあるとのことで、タイトルに冠した「爆笑」との温度差もあってかインターネット上などで時折話題となる。
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『ゲゲゲの鬼太郎』で知られる漫画家水木しげるが、中国出兵していた人物から聴いた話を元に著した漫画『姑娘』を思い出すという声もある。
ただし「一部の切り取りによる誤解」を懸念する声もある。本作でそういった「ドン引き」されるような行為が描写される際には「不心得な性格の悪い者」の行為として描かれており、そういったことについて「愉快、痛快なこと」として描かれているわけではない。
……と言いたいところだが、「悪い上官が民間人女性を手籠めにしようとしたのを止めた気のいい兵隊」が、その後のシーンで「中国の家屋で隠されていた貴金属を見つけ出して徴発し、気前のいいことにみんなに分けてくれる」といった描写もあったりする。現代の人間が読むと、やはり感覚の乖離を感じるかもしれない。
ちなみに、表紙においてタイトルの「爆笑」の部分は小さな文字で縦書き、「陸軍二等兵物語」は大きな文字で横書きとなっている。そのため『爆笑 陸軍二等兵物語』とその2部分の間に半角スペースなどを入れて表記されることもある。本記事では「国立国会図書館」や「メディア芸術データベース」などにおける書誌情報での表記に準じて『爆笑陸軍二等兵物語』とした。
著者の漫画家「塚原平二郎」は、本作のカバーに掲載されている著者情報によれば「大正九年[1]一月二十日生まれ」「茨城県東部第一〇三部隊に入営。中支派遣隼九八七六部隊に転属。北支、中支、佛印(現ベトナム)を転戦する。」とあり、本作で若い下っ端の兵隊としての自らの戦争体験を描いたものと思われる。
少なくとも「塚原平二郎」名義での書籍の出版記録は本作『爆笑 陸軍二等兵物語』しかないが、『冒険王』に「ミステリー・ゾーン・シリーズ「呪いの鉛筆」ほかを掲載」したとのこと。
また、「狩猟誌に「ハンターおやじ」を連載」とあり、このタイトルで調べると全日本狩猟倶楽部の機関紙『全猟』にかつて「塚原平児朗」氏による『漫画・ハンターおやじ』という作品が連載されており、昭和42年度の「全猟賞」を他2記事と同時受賞している。文字がわずかに異なるが、この「塚原平児朗」=「塚原平二郎」であろう。
作者名と出版社名は前述の通りであるため省略。「」内は、表紙に記してある副題(もしくは売り文句)。
以下は、本作がオークションで売買された記録。商品写真として内容が一部閲覧できる。
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最終更新:2025/12/16(火) 15:00
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