真実夜チィとは (マミヤチィとは) [単語記事]

真実夜チィとは、アニメおよびゲーム『ひみつのアイプリ』の登場人物である。誕生日は11月24日。
CV：大地葉

負けず嫌いで自信家な私立パラダイス学園の中等部1年生！ひまりたちのクラスメイトで、アイプリにとてもくわしい！特技はギターで、ロック系の音楽が好き！

～公式キャラクター紹介より～

負けず嫌いで自信家な私立パラダイス学園の中等部2年生！海外留学に行ったサクラたちの後を引き継いで、新生徒会長になったよ。プリトモみんなの一番星としてアイプリで活躍中！

～公式キャラクター紹介（2年目）より～

概要

『ひみつのアイプリ』の登場キャラクターで、主人公たちのクラスメイト。ちなみに、真実夜と書いて、「まみや」と読む。詳細は不明ながらアイプリ歴は長いらしく、入学式時点で既にクラスメイトにもある程度名が知れ渡っていた。

負けず嫌いの自信家で、アイプリに独自の口上を用意するなど、かなりアイプリに本気（マジ）でかけている。ただし、この時点ではソロ主体のアイプリらしく、『ひみつのアイプリ』開始時点では特にだれかとの組み合わせも示唆されておらず、ストーリー展開によって意外なことになる可能性が高い。

実際、ひまり、みつき、つむぎそれぞれとある程度交流がありつつも、この3人とは別のルートに行っており、中盤に至っても独自のポジションに位置づけられている。

ちなみに、中の人はかつてのパン派ことダグラス虹色にのと共通しているが、真実夜チィの好物はラーメンである。

試練の少女

おそらく孤独に試練を乗り越えるポジションのキャラとして創造されたがために、試練に対し友情で乗り越えていく他キャラクターと違い、苦難の道のりにひたすら耐え忍ぶ、忍耐のキャラクターポジションとして3クール目に至るまで扱われている。

当初はCGの都合上ライブがカットされるギャグ的な不遇枠とも思われたのだが、9話あたりから明らかにバズリウムチェンジができずに取り残される苦悩を持つキャラクターであることが明らかになって、問題の解決がいつされるのかがずっと視聴者に気にされていく。しかも、一人でいるときに一番星をつかめないことに肩を落としながらも、他のキャラクターといるときは何事もなかったかのように気高に振る舞う、芯の強さも持ち合わせているので、一人だけ取り残されていることに同情心を持つ視聴者も多い。

このように、劇中では一人だけメインストーリーから取り残されて、バズリウムチェンジができずメインキャラクターとの戦いで相手にひざもつけられないように、中盤までアイプリのインフレについてこれていないような扱いである。のだが、彼女に限って言えばバズリウムチェンジができないだけで、それ以外のスペックは極めて高い。

アイプリで毎回準決勝や決勝に残る実力者であることに加え、成績もよく、自己も主張でき、面倒見の良い人柄の良い人格で、人を取りまとめるカリスマもなんやかんやで存在する。また、夏休み期間は海の家を経営している実家の稼業を手伝い働く、きわめて真面目な少女なのだ。

なお、卵が先か鶏が先かという問題なのだが、ひみつのアイプリ1年目では後半に筐体に実装されるキャラクターだったがため、実は中の人の筐体での出番はアイプリバースに呼ばれた虹色にの方が先だったりした。

呪いを祝福に

ネタバレ注意

チィがここまでアイプリでの勝ち負け、およびその勝敗を分かつ最大の要因に今やなってしまったバズリウムチェンジにこだわる理由。それは、5年前に誓った約束によるものであった。

かつて、チィの近所にはあかねという親戚が住んでいた。チィはこのあかねを「あかねおねえちゃん」と姉のように慕っていたものの、彼女は5年前のある夕暮れ時の茜空の下、チィがたどり着けない「遠くに行って」しまうことを告げる。そこでチィは、二度と会えないかもしれないと伝えてきたあかねに、どれだけ遠くなっても自分の存在に気付いてもらうために、「いちばん星」になって輝くという約束を誓ったのである。

そして、チィは直後にスターアイプリに「いちばん星」の可能性を見出し、アイプリとしての活動を始めた。しかし、チィのもとにアイプリブレスが届き、アイプリとしてライブを始めたことを告げるなど、近況報告の手紙をあかねのもとに何度送っても、返事は返ってこない。ついにはある日、チィは自分の母親から、「会えないくらい遠くに行ったあかねが一生懸命書いた」手紙を受け取ってしまう。そこに残されたのは、「チィちゃんへ　いちばん星になってね」という彼女がチィに与えた最後の言葉であった。

このとき、真実はどのようなものだったのか、チィが何を感じどう思ったのかは、視聴者にはわからない。ただし、事実として、この後のチィは、「いちばん星」になることを自分に強いる「呪い」を自分にかけてしまったであろうことは確かなのだろう。届くことのない、あかねという相手を思いながら。

しかし、今のチィの周りには、焦るチィを心配し、チィからこの話を打ち明けられるような、ひまりやみつき、つむぎといった「友達」がいた。彼女たちの相手を思いやる心がバズリウムチェンジを起こすのではないかという助言によって、チィはあかねとの約束の後に続いた言葉を思い出す。「いちばん星」は人それぞれで、自分が思う「いちばん星」を目指せばよいのだという、別れの時の最後の言葉を。

そしてチィは本当の「最後の言葉」を思い出したことで、あかねの言葉を初めて「祈り」として受け取る。ようやくチィは、勝ちにこだわるあまり見失っていた、自分を応援するプリともの思いも、ここで受け取ることができた。こうしてチィは、初めてバズリウムチェンジを起こし、真の「いちばん星」になったのであった。

自分がバズリウムチェンジをしたことを、心から喜ぶ「友達」に祝福されながら。

星を追うもの

ネタバレ注意

かくして、バズリウムチェンジを成功させ、一躍トップ争いに躍り出たチィ。しかし、この直後に鈴風つむぎがプリンセス化を遂げ、圧倒的な実力もありアイプリバース内で頂点へと昇りつめてしまった。

そんなつむぎとこれまで通りの交流を続け、自分が見出した「みんなのいちばん星」というあり方にふさわしいアイプリ活動を続けるチィ。現実世界でもアイプリ部の部長となり、一見何の問題もなく成長を遂げたかのように思われていた。

しかし、本人も気づかないうちに、ある感情が芽生える。「あのつむぎは、まさしく自分がかつて目指していた、本来のいちばん星ではないのか」と。実際つむぎ自身も、ひまりらとの交流を経て、他のアイプリの背中を押す勇気を届けるアイプリへとなろうとしていた。

それに呼応して、チィの周りでは謎の事件が起こるようになる。チィに全く身の覚えのない「チィの行動」が、アイプリバース内に記録されるようになったのである。おまけに、チィを求める謎の声が鳴り響くのだが、それにはチィ本人も含めて気づくものはいなかった。

自身に心当たりがないつむぎへのライブリクエストには今一つ釈然としない感情は残るも、彼女のライブを見届けるチィ。しかし、プリンセスとなったつむぎのライブを改めて見たことで、「自分は本来ああなりたかったはずではないか？」とついに自覚してしまう。

この瞬間、チィと全く同じ姿の影が実体化を遂げ、チィをアイプリバースから排除。ダークチィとしてつむぎを拘束してしまう。以後しばらく続く、ダークアイプリとの戦いが、狼煙を上げることとなった。

光と影を抱きしめたまま

ネタバレ注意

アイプリを闇に落とそうとするダークアイプリとの騒動を、初めは自分の弱い心が引き金となったことに意気消沈していたチィ。しかし、やがて本人の心の強さで立ち直ると、冷静にアイプリバースの出来事を客観視できるようになる。

このため、ダークチィとカルテットスターの戦いの際には、既にダークチィの弱さに一人気づけるようになる。つまり、ダークチィの目指す「いちばん星」とは、結局のところひまりやみつきたちに出会えず前に進めなかったifの、「孤独な自分」でしかないことを見て取れるようになったのである。

やがて、敗北したダークチィに代わりダークカルテットスターがアイプリバース内で暴れまわる一方で、ひまりとみつきによってつむぎにおともだちエナジーを届ける可能性が開けてくる。アイプリバース内に飛び込んだ彼女たちをダークチィが襲おうとすると、かつて実体化の際ダークチィに吸収されたおともだちエナジーを回復したことで、チィもアイプリバース内に突入し、間一髪阻止する。

かくしてつむぎ復活に向けての試みの傍ら、チィはダークチィとの決戦に向かう。結果はダークチィの圧勝であった。しかし、チィはすでに弱さを受け止め、前に進む心の強さを持ち、絶望することはなかった。結果、ダークチィは心の折れなかったチィを認め、敗北を宣言する。

自分を成立させていたチィの弱さが失われたためか、ダークチィは消滅を遂げることとなった。チィもそれを見届け、今度こそ真の「みんなのいちばん星」へとなれたのである。

余談

い段の音（特にし）を「～チィ」という独特の話し方をするが、アニメージュ2025年 4月号の大地葉のインタビューによると、もともとはアドリブだったとのこと
アニメージュ2025年 4月号の大地葉のインタビューによると、少なくともオーディションの頃はダークチィというキャラが別個に登場するなどではなく、チィ本人が闇堕ちする予定だったらしい