LRT

LRTとは、

1. 軽量軌道交通（機関）Light Rail Transit（ライトレール）のこと。
2. マレーシアやシンガポールで走っている、ゴムタイヤ式自動案内軌条式の交通システム”Light Rail Transit”または”Light Rapid Transit”の略。
3. リトアニア国営放送の英語名（Lithuanian Radio and Television）の略。

当記事においては1.について記述する。

概要

1980年代初頭、アメリカやヨーロッパで登場した次世代型軌道交通システム。「LRT」という言葉はアメリカ連邦交通省都市大量輸送局（U.S. Urban Mass Transit Administration 略してUMTA）で名付けられた。ちなみにLRTに用いられる車両のことを「LRV(Light rail vehicle)」と呼ぶことがある。本来的には「併用軌道も走行できる小編成の鉄道」という意味合いのようであるが、日本国内では「スマートな低床車両による路面電車」の意味合いで用いられ、環境負荷の削減、道路交通を補完する公共交通として、国土交通省が導入を支援している。

日本における動き

1980年代初頭に、従来の路面電車からデザインや性能を一新させた「軽快電車」が広島(広島電鉄)や長崎(長崎電気軌道)に導入された。その後、新時代のモデル車両として、鉄道総合研究所の「Hi-tram」や川崎重工業の「SWIMO」などが製造され、札幌市電などで長期実証実験に供されていた。

2006年に富山県富山市の「富山ライトレール(現・富山地方鉄道)」が本格的なLRT導入第一号として、2006年より営業運行されている。その後、栃木県宇都宮市の「宇都宮ライトレール」が2023年より営業運行を開始した。そうして全国各地で既存路線の延伸や新設の検討が行われている。

長所と短所(課題)

長所

1. 道路の車線とは分離された専用レーンを走ることで、自動車の渋滞に巻き込まれにくい。
2. 地下鉄よりも安く敷設できる。工期も短い。
3. バスよりも一度に多くの人を運べる。
4. 超低床式電車を路上交通として直接導入することで、乗り降りが簡便になる。停車場へのアクセスについても、階段や昇降機器をほとんど必要とせず、純粋なバリアフリーにもつながる。
5. 直接排ガスを出さず、環境にやさしい。

短所(課題)

1. 車両が高価。
2. 専用線路が必要なため、必然的に既存の自動車の車線が減少する。都市部への自家用車交通の絶対流入量もコントロールする必要がある。
3. 保安上、有人運転は必須となる（運転士が安全確認、道路交通法に即した運転、適正な運賃収受、旅客への接遇、サービスまで兼務させるのは、いささか酷とも言える）。
4. 併用軌道区間における運賃収受（これは既存の路面電車、乗合バスが抱える問題でもある）。近郊電車であれば改札口を設け、そこに人員や各種機器を設け厳格に運賃収受すればよいが、長編成で郊外からやってきたLRTが中心街に入った途端に「降車は前扉から（＝先頭扉からに限定させる）」などといった制限を設けると、いわゆる「運賃ほ脱」はなくなるが、定時運転が困難になる。「信用乗車方式」（IC乗車カードが普及すれば、車内はもちろん停留所に無人駅Suica／ICOCAリーダのようなものを配置する方式。広島電鉄は採用の方針）などの別方式が我が国の国民性に合致するかも考慮、実証する必要がある。

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関連項目

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