niconico（妖怪）とは (ニコニコヨウカイとは) [単語記事]

niconico（妖怪）とは、2014年夏季にniconicoに実装された、限定バージョンのトップページである。

概要

2014年 7月20日の早朝に、niconicoトップページの中段、「ニコニコニュース」の下あたりに、「オサナイデ」というメッセージが横に書かれた意味深なスイッチの画像が追加された。

その画像をクリックすると、電気が消えた部屋のような真っ暗な状態に変化。そして朧げに見えているスイッチをもう一度押すとこのバージョンのトップページへと切り替わる仕組みになっていた。

黒を背景とした暗くおどろおどろしいスタイル。紹介される動画・静画・電子書籍なども妖怪、怪談、ホラーなどに特化していた。さらには他企業によるバナー広告もその雰囲気に合わせてホラーっぽくしてあった。ニコニコチャンネルで行われているホラー映画無料上映企画「ニコニコホラー百物語2014」とも連動していたようだ。

下の方まで徐々にスクロールしていくと、「あーうー」という描き文字とともに幽霊の画像が横から次々に現れ、最後に「あーうー」、つまり「au」の広告が表示されるという、少し凝った仕掛けも施されていた。

切り替わった後のページの左上方には「元のバージョンに戻す」とのボタンも用意してあった。だが、実はトップページをこのバージョンに切り替えているわけではなく、全く別のURLの特設サイトに移動しているだけであった。よって、別に「元のバージョンに戻す」のボタンを押さなくてもウェブブラウザで「戻る」をするだけで元のトップページに戻れた。

この「オサナイデ」というスイッチのリンクは、2014年 9月に入ると表示されなくなった。予定期間が終了したものと思われる。

2011年の「ニコニコ動画（黄泉）」、2012年の「ニコニコ動画（常闇）」、2013年の「呪われたページ」のコンセプトを踏襲したものであり、2015年にも「ニコニ廃校」という類似企画が行われた。これらについては「ニコニコ動画の夏季限定バージョン」の記事も参照。

ブロマガ「なつやすみ」

右の方には日記風の文章が記載されており、そこで「前日の日記」というリンクをクリックすると「ぼく」という人物による「なつやすみ」というタイトルのブロマガに飛ばされた。

「ぼく」のユーザーサムネイル画像は「青い顔をして単眼を持つ、僧形をした妖怪」の姿をしていた。（「一つ目入道」あるいは「目ひとつ坊」と呼ばれる妖怪にも見えるが、「青い顔」というところから鳥山石燕の「画図百鬼夜行」に描かれている「青坊主」か。もっとも、鳥山石燕の「青坊主」は佐脇嵩之の「百怪図巻」の「目ひとつ坊」とかなり似ており、同じものを別な名前で描いただけではないかとも言われるが）。

ただし、このブロマガの内容からすると「ぼく」は青坊主のようなおっさん妖怪ではなさそうで、ただのイメージ画像だったようだ。

小学校の夏休み期間にあたる間毎日更新され、少年妖怪と人間の女の子との交流や、かたつむりの観察日記が記された。2014年 9月1日を最後に更新は終了されたようだ。

動画プレイヤー

トップページだけではなく、特定の条件を満たす動画（タグに「ホラー」「都市伝説」のいずれかが付いていることが条件か？）においては、動画プレイヤーも特殊なものに変化した。

動画の背景壁紙には河童・化け猫・豆腐小僧・ろくろ首・あかなめ・からかさお化け・ぬらりひょん・輪入道・青坊主の姿が描かれていた。（後半の4つは実装当初には無く、後から追加された。）

さらに、ページ上方からはそれらの妖怪たちの内の一体やバックベアードが、下方には一つ目の提灯お化けが突然現れ、その姿をクリックするとniconico（妖怪）バージョンのトップページが開かれるようになっていた。

これらの上下に現れるお化けには「×」ボタンが付いており、非表示にすることができた。しかし、非表示状態を記憶したりはしていないようで、動画ページを開きなおすとまた出てきてしまった。また、背景壁紙は非表示機能自体が無かった。どうしても背景を消したい場合は、背景壁紙自体を表示しないようにスタイルシートに記述するか、公開されているユーザー CSSを使うなど、ユーザー自身が裏技的な工夫をするしかなかった。