nigger(ニガー)とは、英語の俗語である。複数形はniggers(ニガーズ)。
主に黒人を差別して呼ぶときの呼称だが、そこから派生した別の用法もある。
差別的・攻撃的なニュアンスが強いため、基本的には「言ってはいけない言葉」「禁句」「タブー」となっている。そのため要注意の「the N-word」(Nワード[1])として言い換えられることもある。
和訳するときには「黒人」と訳されることもあるが、これでは差別的なニュアンスを反映していないと考えて「黒んぼ」「黒ん坊」「黒いの」「黒人野郎」などと差別していることがわかるような表現へと訳されることもある。あるいは、そのまま「ニガー」とカタカナで訳されることも。
フランス語の「negre」(nègre)を元にして「neger」や「neeger」などの形で16世紀ごろに英語として使用し始められたようで、18世紀には「nigger」の形で黒人を指して使用され始めていたようだ。ちなみにフランス語の「negre」(nègre)はスペイン語またはポルトガル語の「negro」由来で、さらにラテン語で「黒い」をさす「niger」にまで遡れると推定されている。
つまり語源をたどると「黒い」というだけの意味であることから「元々は肌の黒い人を「黒い」と指すだけであって「黒人」という言葉と意味合い自体は変わらず、本来はそれほど差別的な用法ではなかった。だが徐々に差別的な意味で使われるようになった」と言われることもある。だが広まった18世紀~19世紀の米国での黒人は「差別されているのが基本」という状況だったので、「単に黒人を指すつもりで使われているケース」と「差別的に使われているケース」は明確にはわけづらい。「差別してやろうという意図が無く発せられているが、現代の見方からすれば十分に差別的」といったケースもあっただろう。創作作品中の台詞ではあるが、19世紀中頃のアメリカ社会の文化をよく反映していると推定されるマーク・トウェインにようる児童文学作品『ハックルベリー・フィンの冒険』(有名な『トム・ソーヤーの冒険』の続編)内の台詞を例にとってみると、当時の雰囲気が伺えるかもしれない。
“It warn’t the grounding—that didn’t keep us back but a little. We blowed out a cylinder-head.”
“Good gracious! anybody hurt?”
“No’m. Killed a nigger.”
“Well, it’s lucky; because sometimes people do get hurt.(和訳例:
ハック「蒸気船が座礁したから遅れたんじゃないです、座礁ではちょっと時間を取られただけで。蒸気船のエンジンのシリンダーヘッドが爆発したんです」
サリーおばさん「おやまあ!誰か怪我をした?」
ハック「ううん、でも黒んぼが一人死にました」
サリーおばさん「ああ、よかった、時々そういう事で怪我したりする人もいるからね」)
なお、上記の引用部分だけでは誤解されるかもしれないが『ハックルベリー・フィンの冒険』は黒人差別を礼賛したり黒人差別に無批判な作品というわけではなく、むしろ黒人奴隷制度などへの批判的精神を含んだ作品である。だが、それでも「nigger」という差別用語を大量に含む点などが問題視されて、この作品を児童に読ませるべきかどうかはアメリカにおいてしばしば議論の的となるという。
いわゆるアフリカ系の黒人だけでなく、肌の色が濃い目の人々全般に対して用いられることもある。
さらには、差別されていた黒人を呼ぶ言葉だったことから派生して、肌の色は関係なく「差別されている人々」「社会の中で弱い立場にあり、無視されている人々」を指して比喩的に用いられることもある。
親しい関係にある黒人同士がこの言葉で(あるいはさらに軽くした「nigga」)で親しみを込めて呼び合うことがある。
だが、その呼び合いを見てよく意味を理解しないままに非黒人が真似して親しみを込めようとして「nigger」や「nigga」と呼びかけてしまい、大問題となるケースもあるという。
また、黒人同士であっても俗語であるため親しくも無いのにこの言葉で呼びかけることは非礼にあたる。
日本ではそもそも知名度が無い言葉であり、さらにガチガチの差別用語という事もあって取り扱いにくいということもあってか、ニコニコ動画にはこの言葉に関連する動画自体は少ない。
だが、「黒人男性がniggers(ニガーズ)という言葉に驚愕する」という筋書きの短い動画が投稿されている。
これは、元々はアメリカのYouTuber「Skyviewray」が2007年にYouTubeに投稿したリアクション動画[2]の一節である。
彼が閲覧していた動画はアニメ『スポンジ・ボブ』のファン二次創作お下品動画「Spinge Binge: Me Millionth Dollar」。サブタイトルが「NiGGERS」というものだったので、それを見たSkyviewray氏は「NiGGERS!?」と叫んで驚愕、「Is this a racist cartoon?」(これ人種差別主義の動画?)とひとりごちている。
この動画を改変して、アニメのキャラクターなどが「にが」という言葉を含む発言をするところを見たSkyviewray氏が聞き間違えて「NiGGERS!?」と叫んで驚愕する、という内容に変更した動画も投稿されている。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2025/01/10(金) 01:00
最終更新:2025/01/10(金) 01:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。