THE KING OF FIGHTERS XII

ラ　イ　バ　ル　な　ど　、　い　な　い　。

THE KING OF FIGHTERS XIIとは、SNKプレイモア（当時）が2009年4月10日に発売した対戦型格闘ゲームである。

概要

『THE KING OF FIGHTERS（KOF）』シリーズの12作目。ナンバリングタイトルの前2作ではストーリー第3部「アッシュ編」が展開されていたが、本作はゲーム内に個別ストーリーの無いお祭り作品となっている。

『KOF96』以来10年以上基本デザインの変わらなかったキャラドットを刷新し、全てのキャラがHD画質で描き直された。ドット絵の美麗さは話題になったものの、本作の時点では全体的にアクの強いキャラクターデザインに対して賛否両論にもなっている。

登場キャラクターは20人（+家庭用追加2人）で、完全新作としては多い部類だが、KOFのナンバリングタイトルでは最も少ない。ナンバリングタイトルで唯一固定チームが存在しないタイトルでもある。

キャラクターのプロフィールには『KOF2002』以降のタイトルでは珍しく年齢の項目があり、アッシュ編で初登場したキャラの年齢がわかる数少ない資料となっている。

ゲームシステム

3on3のチーム戦。前作までのマルチシフトが廃され、1対1のラウンド制に回帰した。パワーゲージのストックは1本のみで、使い道も超必殺技しかない。

KOFの中でも本作に特有のシステムが多く、異色作となっている。

通常技

通常技は近距離と遠距離の区別が無く、強攻撃のみ→＋ボタンで変化する。

弱攻撃と強攻撃がかち合うと、弱攻撃が一方的に潰されてカウンターヒットになり、のけぞりが非常に長く手痛い追撃を受ける。一方で、強攻撃の振りが軒並み遅くなっている。

「打撃と打撃のぶつかり合い」を重視したシステムだが、小・中ジャンプが強力なのは過去作と変わらないため、強攻撃を牽制に振り回しづらくなったことで結局過去作以上にバッタ戦法が強い。

相殺

強攻撃・必殺技・超必殺技同士がぶつかった時に発生。何も入力をしなければ互いに弾かれてバックステップするが、このモーションを多くの技でキャンセルできる。

投げ

通常投げのコマンドが近距離でレバー＋強攻撃からボタン同時押しに変更され、投げ外しが削除された。

全ての通常技の出掛かりに投げ無敵があり、コマンド投げも全て1フレームではなくなったため、過去作よりも相対的に投げが弱い。

ふっとばし攻撃

特殊技のように通常技キャンセルから連続技になり、ヒット時は相手を浮かせて追撃ができる。また、ボタンを押し続けて溜めるとガード不能になる。

ガードアタック

←+CD同時押しでガードモーションを取ってから攻撃する。ヒットされると相手を吹き飛ばすが、ガードされると不利になる。本作にはゲージを消費するガードキャンセル行動が無いため、その代わりとなる。

クリティカルカウンター

攻撃をヒットさせるorさせられる、ガードするorさせるとクリティカルカウンターゲージが増加し、最大まで溜まると一定時間クリティカルカウンターが使用可能になる。

相手に近距離強攻撃をカウンターヒットさせると、爆発のようなエフェクトが起こり画面がズーム、攻撃を喰らった相手は一定時間硬直状態になり、ヒットさせた側は通常よりも自由度の高いコンボを決められる。また、この間に超必殺技を使用すると、演出が変化し威力が増加する。

成立すれば大ダメージを奪える一方で、レバーをニュートラルにしておかないと近距離強攻撃を当てても発動しないので、失敗した場合のリスクが非常に高い。

登場キャラクター

アッシュ・クリムゾン	草薙京	テリー・ボガード	八神庵
デュオロン	二階堂紅丸	アンディ・ボガード	リョウ・サカザキ
シェン・ウー	大門五郎	ジョー・ヒガシ	ロバート・ガルシア
ラルフ・ジョーンズ	クラーク・スティル	レオナ・ハイデルン	キム
麻宮アテナ	椎拳崇	鎮元斎	ライデン（初参戦）

家庭用で追加
エリザベート・ブラントルシュ	マチュア

余談

共通エンディングの一枚絵で、TV中継のスタジオゲストとして不破刃がカメオ出演している。

評価

過去作よりもキャラクターや技が少なく、ストーリーが存在しないことからボリューム不足が否めない。対戦バランスは整っており、極端な強キャラもいないとされるが、技数の少なさから同じような駆け引きになりやすい。

前作でストーリーが佳境に入っていたこともあり、アッシュ編の完結作に値するボリュームを用意できなかった未完成品という印象を与えてしまった（実際にロムの解析データから次回作『KOFXIII』の殆どの登場キャラの名前が発見されている）。

発売当時は過去作リメイクの『KOF2002UM』が好評を博しており、数ヶ月後には調整版がアーケードに登場したため、KOFを遊びたいプレイヤーもそちらに流れてしまい、定着に至らなかった。

本作の発売元だったAMI（CAVEの元販売代理店）は本作を扱ったのを最後に業績が悪化して倒産しており、発売元にトドメを刺したゲームとして不名誉な形で名を残している。

本作以降に発売された『KOFXIII』『KOFXIV』のゲームシステムは過去作のシステムを整理して発展させる方向となり、本作の独自のシステムは全くと言っていいほど継承されていない。当然、新味が無いという印象もついて回るもので、システムを刷新した本作が評価を得られなかったことが惜しまれる点でもある。

関連動画

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関連リンク

• 公式サイト

関連項目

• THE KING OF FIGHTERS
  
  • THE KING OF FIGHTERS XI（前作）
  • THE KING OF FIGHTERS XIII（次作）
• SNK

THE KING OF FIGHTERS
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