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株式会社SNK (SNK CORPORATION) とは、大阪府大阪市淀川区に本社を置くゲームメーカーである。
倒産したエス・エヌ・ケイの知的財産権を一括譲渡された同社の後継会社。
2001年8月に「株式会社プレイモア」の社名で設立、体制を整えた後は「株式会社SNKプレイモア」として長らく活動し、パチスロ事業や携帯電話向けコンテンツなどに手を広げた。2015年には中国資本による買収(後にサウジアラビア資本に再度移行)を経て、パチスロ事業から撤退して再びゲーム事業へと舵を切り、2016年に「株式会社SNK」に社名変更した。
本社は旧社と同じく吹田市江坂に長らく置かれていたが、2023年3月に大阪市淀川区(新大阪駅近く)に移転している。
設立当時のプレイモアはエス・エヌ・ケイの系列会社で、且つエス・エヌ・ケイの直接出資により出来た経緯を持つため、SNKにとってエス・エヌ・ケイは前身ではなく母体である。ただし、現在の社名になることが決定した際、公式においてはエス・エヌ・ケイを「前身」としている(※2016年11月1日付のニュースリリース
より)。エス・エヌ・ケイは現在、区別のため「旧SNK」とも呼ばれている(以下よりエス・エヌ・ケイについては「旧SNK」の呼称で表記する)。
倒産直前に旧SNKを子会社化したアルゼとは権利関係で何度も訴訟に発展したが、その全てで勝訴しており、結果的に2008年にアルゼ側からの解決金4億円による和解が成立している。
当初は版権管理が専門の会社であり、開発は同じ系列会社の「株式会社ブレッツァソフト」、販売は「株式会社サンアミューズメント」が行う分立状態だった。更には財政基盤の弱さ故に、約2年間は韓国のEOLITH Co., Ltd.(イオリス)やMEGA ENTERPRISE Co., Ltd.(メガ・エンタープライズ)が開発スポンサーになっていた。ザ・キング・オブ・ファイターズ(KOF)2001とKOF2002にイオリスのロゴが、メタルスラッグ4にメガ・エンタープライズのロゴが、それぞれ表記されていたのはその為である。
2003年、旧SNK創業者の川崎英吉に「SNK」を名乗ることが許可され、プレイモアは「株式会社SNKプレイモア」に、サンアミューズメントはブレッツァを吸収し「株式会社SNKネオジオ」にそれぞれ改称した。翌年SNKプレイモアがSNKネオジオを吸収し、単独でのゲーム開発・販売が再開された。
もっともこの"SNKの再起"は、そもそも川崎氏を中心に決起されたとも言われており、事情を知る元CAPCOM専務取締役の岡本吉起によれば、「アルゼ・韓国の会社・CAPCOMの3社が当初権利獲得に動いたが、その後川崎さんがお金を集めて権利獲得に動くとの情報を受けた為CAPCOMは手を引き、最終的にプレイモアが落札した」との事であった。川崎は関連会社が統合した2005年にSNKプレイモアの代表取締役会長を務めるなど引き続き影響力を持っており、後述の買収の時点でもオーナーであった。
当時は旧作の焼き直しばかりと批判されることが多く、プレイモアを捩って焼き「芋屋」と蔑称された。しかし毀誉褒貶はあれど、旧SNKの流れを汲む正統な後継ではあることは正しく認識すべきである。
以降は格闘ゲームの製作を軸に、コンシューマゲームやパチスロ、携帯コンテンツの制作を行っていた。SNKの人気キャラクターが登場するパチスロや携帯アプリは良く話題になった。あと「どき魔女」。
パチスロは自社ブランドのゲームを使ったものや、オリジナルの萌えキャラを使った萌えスロを作ることが多い。自社ブランドのゲームを使った機種だけでなく、パチスロオリジナルの機種も評価が高かった。余談だが、SNKプレイモア時代のロゴにある"PLAYMORE"の「O」の部分はスロットゲームのコインをイメージして描かれている。
2014年には川崎の声掛けで旧SNK倒産前にディンプスに移籍した小田泰之・黒木信幸ら古参スタッフが合流。当時はゲーム開発を縮小し小田曰く「スロットの会社」となっていたが、後述するパチスロ業界の状況もあってか、他社に移籍していたスタッフやその伝手を頼って人材をかき集めゲーム開発の再始動を進めていた。
2015年に中国企業の37Games(37ゲームス)社が川崎夫妻が所有していたSNKプレイモアの株式を約80億円で取得し、同社を買収した(※実際は37ゲームスが出資しているイギリス企業のLedo Millennium(レド・ミレミアム)社を通じた買収なので、現状はこのレド社の子会社である)。この買収は、中国を始めとした旧SNK時代から続くSNKブランドのアジア圏における人気が衰えていないことも背景にあると観られている。以降は引き続きゲーム事業の強化を進める一方、遊技人口の減少と規制強化で業界の先行きが不透明であることを理由にパチスロ事業からの撤退を発表した。
2016年4月には旧SNK時代のコーポレートロゴとコーポレートメッセージを復活させた(※2016年4月25日のニュースリリース
より[PDFファイル])。これは「ゲームとパチスロのSNK」から転換し、原点に立ち返ってゲーム事業に専念するという対外的なメッセージを含む。
2016年12月1日には商号(社名)を株式会社SNKに変更した。名実共に「2代目」SNKの誕生である。
2022年2月までにサウジアラビアのMiSK財団(ムハンマド・ビン・サルマン財団)の完全子会社であるElectronic Gaming Development CompanyがSNKの株式96.18%を購入して経営権を取得。これに伴い韓国取引所(KOSDAQ)への上場を廃止した。 [1]
現在は既存の大阪の開発部門に加えて、東京に新たに第二ソフトウェア開発事業部を設立、開発規模のさらなる拡大を進めている。
上記のように、結成から現在までの間に目まぐるしい業態の変容が見てとれるが、時代が令和に移行した現在においては、旧SNKのIPを活かした自社制作の対戦格闘ゲームを中心としたコンシューマーゲームの販売、及び国内・海外の玩具メーカーやゲームメーカーへ委託しているライセンス品の管理が中心である。
対戦格闘ゲームに関しては、昨今のゲームセンターの不況なども相まって新作のアーケード業界への参入は一部の例外(「サムライスピリッツ零SPECIAL完全版」等)を除いて見送る方針であり、社名変更後に発売された「KOF」、「餓狼伝説」シリーズは現在の所いずれもコンシューマー専売となっている。
かつてはニンテンドーDS専用ソフトの開発、携帯ゲームノベルアプリの開発も積極的に行っていた。
特に2006年前後には"社号がSNKプレイモアだった頃の事業"としての最盛期を迎えており、「KOFXI」や「KOFMI2」、「UM」シリーズ、「天サム」等対戦格闘ゲームの主力作品がそれなりの評価を得ていた事に加え、DS作品「どき魔女」シリーズの好調、旧作のPS2への移植、2004年に参入したパチスロ事業、モバイル事業からの利益もあり、この時期には東京ゲームショウに毎年出店したり、イベントの進行役に個人サイト墓標の美形会議で知られる小板橋篤記を招いたり、KOFMI2に至ってはTVCMやアニメの製作も行われるなど、活発な企業運営を見せていた。
ところが、2007年以降に発表されたアーケードゲームが概ね不調(「KOFXII」、「KOFスカイステージ」、外注作品の「閃サム」)に終わった事、携帯電話がスマートフォンに移行し携帯アプリ事業の抜本的な見直しを迫られた事、完全新作のDS作品「キミの勇者」が「どき魔女」シリーズほどの反響を得られなかった事等、パチスロ事業以外の新作の評判に陰りが見え始める。この時期に新作の発売中止が相次ぎ、「KOFMI3」「電子メイド手帳 恋のいろは」等コンシューマー作品が次々とお蔵入りとなった。
特に、社内で作品の方向性について議論を重ねたと言われながら3年近い開発期間と膨大なコストをかけて発売した「KOFXII」が大失敗に終わったことによる損失は非常に重く、2010年前後に一時社員の離脱が相次いだとされ、「KOFMI」シリーズのプロデューサー兼デザイナーであったFALCOONもこの頃一時会社を離れたといい、時系列は定かではないものの「MI」シリーズの続編が絶望的になったとファンが嘆く事態となっていた(後に復帰し、現在は子会社SNKエンタテインメントの制作本部長を務めている)。
以後、2015年までの数年間は上記歴史の小田泰之のコメント通り、ゲーム企業としては事実上の休眠状態だった時期もあり、「KOFXIII」も販売は一部ATLASに委託せざるを得ない状態であった。
また「UM」シリーズのプロデューサーでSNKプレイモア時代に公式ブログ等でよく登場したネオジオ博士も2010年にブログを更新して以降触れられなくなり、現在は退社しているとされている。
そうした影響もあり、この時期を境に携帯機作品の開発・販売や携帯アプリ事業からは事実上撤退しており、ソーシャルゲーム関連は基本的に他社のライセンス作品となっている。
その影響か、現在では中古市場においてSNKプレイモア時代に発売した家庭用作品がとんでもなく高騰しており、特にDSのオリジナル作品「Days of Memories」や「どき魔女」等が凄まじい価格で取引されている。
2022.4.28
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最終更新:2025/11/07(金) 09:00
最終更新:2025/11/07(金) 09:00
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