人形劇 三国志とは、1982年から1984年にかけてNHKで放映された人形劇である。
『三国志演義』をモチーフとし、魏・呉・蜀の三国の興亡を描いた作品。人形師・川本喜八郎による人形はその美しさから高く評価されている。
司会に当時売れっ子漫才コンビだった島田紳助・松本竜介を起用。狂言回しとして解説を入れるほか、オリジナルキャラクター「紳々(しんしん)」「竜々(ろんろん)」として作中に登場し、将軍になる事を夢見ながらも時に雑兵、時に賊、時に捕虜と、様々な役回りを演じる。
蜀贔屓に定評のある『三国志演義』なだけに、劉備が主人公。その劉備の死後は諸葛亮を主役とし、諸葛亮が死ぬ五丈原の戦いまでを映像化した。
オリジナルキャラクターが頻繁に登場し、呂布の弟で海賊となり、後に劉備の味方となった「呂王(りょおう)」、張飛とは度々喧嘩しながらも最後まで連れそう妻「美芳(みいふぁん)」、劉備の妻で阿斗の母となり、長坂の戦いで井戸に身を投げた悲運の女性「淑玲(すうりん)」などが登場している。オリジナルの設定も多く、これが原作にもあると思っている人は存外多い。
また物語の改変も多く行われており、特に人気の高かった関羽が死ぬ回では、呉の将軍・呂蒙をかつてない悪役に仕立て上げており、現在でも恨みを抱いて批判している人は多い。筆者もその一人。
物語自体を子供に解りやすいように噛み砕いた内容となっており、『演義』以上に勧善懲悪かつ荒唐無稽な展開が行われている。まあ細かい事は気にするな。
人形劇としては異例の45分、大河ドラマと同じだけの時間をかけている。また人形劇としては初の試みで、機械仕掛けやコンピューター制御を取り入れている。
声を当てたのは声優よりも俳優がメインで、台詞を先取りしてから人形を演技させる「プレスコ技法」により収録されている。また水や火を実際に用いた撮影も多く行われており、人形の素材の都合上破損する危険性がありながらも撮影した事により、迫真の演技となっている。
OP・EDは細野晴臣が手掛け、EDの「三国志ラヴ・テーマ」は小池玉緒が歌っている。
放送終了後、川本喜八郎によって人形の大半は長野県飯田市に寄贈され、「川本喜八郎美術館
」に展示されている。ただし各地の展覧会で照明を浴び続けた結果、放送当時の鮮やかな色彩は失われている。
その後、海洋堂からフィギュアコレクションが発売されるなど、現在でも人気のある人形である。
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最終更新:2025/12/14(日) 03:00
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