カーズとは、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の登場人物である。
概要
ジョジョの奇妙な冒険・第2部「戦闘潮流」の登場人物。
人類が歴史を築くより以前から存在したとされる「柱の一族」の1人。
かつてその一族として生まれ、「何者にも束縛されない究極の生命体」となることに憧れを抱いていた。第1部でディオ達吸血鬼を生み出した「石仮面」を作り出したのも彼の功績であるのだが、その危険極まる思想を恐れカーズを殺しにやってきた一族を逆に皆殺しにするという残虐さも持っている。その後、自分と自分の考えに賛同する仲間(エシディシ)、そして生まれたばかりなので一切の事情を知らない一族の赤ん坊(サンタナ、ワムウ)と共に究極生命体への道を模索するべく長い旅に出る。
腕や足から発光する剣を生やし、あらゆる物を切り裂く「輝彩滑刀」と呼ばれる戦闘術『光の流法(モード)』を使用する。剣が発光する仕組みについては、刃の表面を微小な突起が高速でチェーンソーの如く動いており、それらが不規則かつ複雑に光を反射している事による。
やがて20世紀に、エシディシやワムウと共に覚醒すると究極生命体になるために必要な「エイジャの赤石」を求めジョセフ達波紋戦士やシュトロハイム隊と壮絶な赤石争奪戦を繰り広げるが、最終的にリサリサを騙し討ちにした事で赤石を手にする。その後、ワムウとの戦いを終えて満身創痍のジョセフに対してリサリサを枷にする事で身動きを封じつつ戦いを挑むも、カーズの頭脳すら及ばないジョセフの奇策に敗れる。
しかし、絶体絶命に見えたカーズも赤石を手にし、シュトロハイム隊の紫外線照射装置を利用した事で後述する究極生命体へと生まれ変わる。
壁の向こう側からターゲットに殺意すら感じさせないばかりか悲鳴や呻き声をあげさせる事すら無く葬ってみせる戦闘能力もさながら、石仮面や「飲むと苦しまずに死ねる毒薬」なるものを作ってしまう辺り、研究者としては非凡な才能・能力を持っている事が伺える。
仲間のエシディシ、ワムウに深い信頼と情を抱いており、また、車に轢かれかけた野良犬を助ける、崖下で健気に咲く小さな花を踏まないように無茶な着地をするなど、弱い生き物への優しさも持っている。しかし一方で「勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」という台詞に象徴される通り、目的の邪魔になる者に対しては卑劣で姑息な方法で容赦なく襲いかかる。
なお、前述のシュトロハイムとの対峙の折に彼が便宜上つけた名前でしかないはずの「サンタナ」という名前を何故かカーズも呼んでいる。こちらについては元々サンタナにはカーズ達の間でもワムウやエシディシと違い決まった名前が無かったのかもしれないし、或いはシュトロハイム達にも解るよう配慮したという可能性もあるが。
名前の由来はアメリカのロックバンド「The Cars」から。
究極生命体カーズ
第2部の終盤にて、赤石の付いた石仮面を被ったカーズがシュトロハイム隊の紫外線攻撃(太陽光)を受けた事で究極生命体へと進化、太陽光や波紋の弱点を克服すると同時にあらゆる生物の能力を体現できるようになる。
- 骨格:一度細胞レベルまで分解した後、様々な生物の形へ変形・構成可能。
- 握力:900kg/cm2
- ジャンプ力:18m
- 視力:天体望遠鏡並
- 聴力:蝙蝠からクジラの鳴き声まで全てを聞き分けられる。
- 触角:熱や空気の動きを探知できる。
- 知能:IQ400
- 筋肉:どんな傷も短時間で修復できる。つまり、短時間で変身可能。
- 好物:吸血鬼と化した人間。(飲まず食わずでも1年は生活可能)
- 睡眠:必要なし。
- SEX:必要なし。下等な生物ほど、子供の数は多い。死の危険が大きいからだ。
したがって、完全なる生物に子孫や仲間はいらない。頂点は常にひとり。 - 生物としての目的:他の生物は「種」を残していくこと。
だが彼の場合は、自分の思うがままの世界を創造してゆくことにある。
見て解るとおり、チートを絵に描いたような人間が何を持ち出しても絶対に勝てないんじゃあないかという能力を誇る。
もっとも天体望遠鏡並の視力を誇る割にはパラシュートにぶら下がったダミー人形を見抜けなかった事を指摘される事も少なくないようだが、視力がいい事とあらゆるトリックを見破れる事は必ずしもイコールではない事にも留意されたい。天体望遠鏡で近くの空をのぞけないように遠視の人間が近くのものをハッキリと目視確認できないようなものだろうし、ジョセフが人形を本物に見せる技術も優れていたという事だろう。また、上空から急襲する形であったために肝心のダミーはパラシュートの下、つまるところ死角に隠れていた。
その後、ジョジョとシュトロハイムの決死の戦略によってカーズは火山の火口へ飛行機の機体ごと叩き込まれてしまい、一時は誰もがカーズの死を確信したように思えたが、カーズは短時間の間とはいえマグマの中で生き永らえておりマグマから脱出した折にジョセフの左腕を切断。加えてジョセフにかつて自らとその仲間が苦しめられた「波紋」の力を体現してジョセフの右足を破壊してみせ、ジョセフとシュトロハイムを一時は絶望の底へと叩き込んだ。
しかし、波紋の力でジョセフにトドメを刺そうとしたのが彼の運の尽き。
ジョセフは極限状態の生存本能から、無意識に持ってきていたエイジャの赤石をかざしてみせた事で波紋の力は赤石とジョセフの手のひらを貫通し火口を直撃、大噴火を人為的に誘発するに至る事となり、付近の岩盤ごと天空高くまで吹き飛ばされていく。鳥に変身して逃れようとするも、地上から吹き飛んできたジョセフの左腕が直撃、よろけた隙に加えジョセフの「あの一言」に気を取られた隙が決定的となり、噴出した火山岩を喰らってしまいその衝撃で大気圏を離脱、宇宙空間へ放り出されてしまう。
宇宙へ出たカーズはその後体内から空気を噴出して地球へ戻ろうとするが、空気が凍結してしまい一切の身動きが取れなくなり、同時に軌道も地球とは違う方向へ向かう事となり、究極生命体ゆえにどうやっても死ぬ事もできないまま生物と鉱物の中間の生命体となって宇宙空間を永遠に彷徨う事になった。
ちなみにこの後義手となったジョセフの左腕と違い、ジョセフの右足がどう治療されたかについては説明されていない。テレビアニメ版では復活を果たしたジョセフが右足をはじめ全身のケガをスージーQに看病してもらう回想シーンが追加されている。
ドオーン
-カーズは-2度と地球へは戻れなかった・・・。
鉱物と生物の中間の生命体となり、永遠に宇宙空間をさまようのだ。
そして、死にたいと思っても死ねないので -そのうちカーズは、考えるのをやめた。
第3部以降から登場するスタンドという概念が無い第2部までのストーリーにおいて、ドラゴンボールを始めとする他のバトル漫画などと同様に戦闘力のインフレ化を起こしかけており、その結果として最終的にインフレの頂点に立つ存在として登場しただけに、「歴代ジョジョシリーズで最強の敵(ボスキャラ)」と認識されている事も多いだろう。
もっとも第3部以降のスタンド能力者達の場合はカーズと違い、自らが持ちうる特殊能力がカーズに負けず劣らず強いと受け取れる為、実際にカーズと彼らが戦ったらどちらが勝つのかは推して知るほか無いと思われるが(事実、第2部までの「波紋VS吸血鬼」という図式のストーリーで、アレ以上の強さは荒木飛呂彦でも作れないだろう・・・)。
また、フリーゲーム「ディアボロの大冒険」でもその極悪非道な強さは再現されており、「波紋で麻痺させてくる(=1ターン行動不能になる)」「倍速行動する」「壁の中でも行動できる」など幾つもの強力な能力を兼ね揃えた敵となっているばかりか、体力や攻撃力も本作に登場する敵の中で最強クラスのステータスを誇るため上述の特殊能力を封印しても、倒すのは容易ではない。その結果、有名どころのローグライクゲームでも滅多に見かけないような凶悪な敵キャラクターとなっている。
関連動画
関連静画
関連コミュニティ
関連項目
- 31
- 0pt