ガンダム・フラウロスとは、アニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するモビルスーツである。
概要
GUNDAM FRAULOS ガンダム・フラウロス |
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型番 | ASW-G-64 |
頭頂高 | 17.8m |
重量 | 29.9t |
搭乗者 | ノルバ・シノ(メイン) ヤマギ・ギルマトン(初回のみ) |
動力 | エイハブ・リアクター×2 |
採用フレーム | ガンダム・フレーム |
武器 |
アニメ第2期から登場。鉄華団がテイワズから開発を任されたハーフメタル採掘現場に、モビルアーマー・ハシュマルを抑え込む形で埋まっていたガンダム・フレーム。作中で発掘されたため、当時現存していた26機のガンダム・フレームには計上されていない27機目と思われる。
発掘直後にテイワズに預けられて復元され、ノルバ・シノの乗機としてセッティングされた。その際に彼のオーダーにより、歴代「流星号」と同じピンクのカラーリングとノーズアートが引き継がれ、モビルワーカーから数えて4代目の「流星号」となった。
何の因果か、一緒に埋まっていたモビルアーマーのハシュマルが大惨事を引き起こし、クリュセに向かっている最中、復元された当機が火星に到着。そのままハシュマル戦に実戦投入されたが、ぶっつけ本番の使用のため、シノと同時にヤマギ・ギルマトンが緊急で同乗。レールガン発射のアシストを行った。
名前の元ネタは、バルバトスと同じくレメゲトン第一章『ゴエティア』の72柱の悪魔。本機の名前の元である「フラウロス」はその72柱のうち序列64番の悪魔。
特徴
他のガンダム・フレームと明確に違う点は、完全に射撃戦寄りの機体として開発されている点にある。特に背部のレールガンは、エイハブ・リアクター2基の出力を用いて超高速で発射することにより高い威力を発する。詳細は後述するが、厄祭戦時はMSのフレームに使われる「超硬度レアアロイ」を弾丸に用い、他の射撃兵装では有効打を与え辛いと言われていたナノラミネートアーマーをブチ抜くほどの威力を発揮していた。
このレールガンの他、120mm口径のマシンガンを背中のユニットから展開して発砲できる。対モビルアーマー戦でもモビルスーツ戦でも、近づきすぎるとエイハブ・ウェーブを感知されてしまうため、相手から気づかれない射程距離から高威力の攻撃を加えられるために大きな利点と言えよう。
だが何と言っても最大の特徴は、ゾイド バクゥ4足歩行形態への変形機構である。この形態に移行することで姿勢を安定させ、より精密な射撃が可能となるのだ。まるで図ったかのように、変形時に「頭」になる部分に、歴代流星号に入れられてきた「目」のノーズアートがバッチリ入っているため、変形したその姿はさながら動物のように見える。
これまでのシリーズでも4足歩行形態に変形するMSは存在したが、これらは変形によって速度性能や格闘能力を向上させることが目的だったのに対し、フラウロスは命中精度の向上や反動の緩和などを目的としている珍しい可変MSである。
第37話にて実戦投入され、ヤマギのサポートを得て4足歩行形態に変形し、クリュセ自治区に伸びる谷間でプルーマの群れとハシュマルを引き離すため、レールガンを発射した。その際、「ギャラクシーキャノン」というダサい名前がシノによって名付けられた。
最終的に、マクギリス率いる革命軍との共同作戦にて、ギャラルホルンのアリアンロッド艦隊が放ったダインスレイヴの砲撃を受け、左腕をもがれて中破。その状態で、テイワズ製のダインスレイヴ用巨大弾頭をレールガンに装填した「スーパーギャラクシーキャノン」の使用を決意し、ラスタル・エリオンの座乗艦に打ち込むべく突撃を敢行する。しかし、発射直前にジュリエッタに妨害され狙撃に失敗。アリアンロッド艦隊の集中砲火を浴びて撃墜された。
ダインスレイヴ
厄祭戦時に使用されていた兵器の総称。
当時より運用されていたレールガンには先述のレアアロイを使用した特殊弾丸を使用可能な上位機種が存在していた。そういったレアアロイ弾を運用するレールガンがダインスレイヴと呼称される。
あまりの威力のため非人道的として、厄祭戦以降はギャラルホルンにより使用が禁じられているほどである。
なおダインスレイヴとは北欧神話にて、一度鞘から抜くと生き血を吸うまで鞘に収まらない魔剣のこと。
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フラウロスのダインスレイヴ
フラウロスの背部レールガンは本来レアアロイ弾が運用可能であり、厄祭戦時代はダインスレイヴとして運用されていた。弾頭は三分割状態で砲内に格納されており、発射直前に組み立てられる。使用時にはエイハブリアクター二基分のエネルギーを集中させて発射するため非常に高い威力を誇ったものと思われる。
しかし、鉄華団が運用する現代ではダインスレイヴとして運用することは条約違反となるため、純粋なレアアロイ弾ではなく条約違反ギリギリまで威力を落とした通常弾を使用している。
しかし通常弾とはいえハシュマル戦でダインスレイヴを使用した件がギャラルホルンに伝わり、後の悲劇の引き金となる。その後、ギャラルホルンのイオク・クジャンの工作により、鉄華団の支援組織であるタービンズがダインスレイヴを運んでいるとの濡れ衣を着せられ窮地に陥ることとなる。
マクギリス率いる革命軍との共同作戦において、テイワズに特注していた一発限りの巨大な弾頭(ギャラルホルンのダインスレイヴの弾頭に近い)を「スーパーギャラクシーキャノン」と名付けてラスタル・エリオンの座乗艦に打ち込もうとするが失敗した。 -
ギャラルホルンのダインスレイヴ
ギャラルホルンの倉庫にて厄祭戦時より保管されていたダインスレイヴ。フラウロスのような固定兵装ではなく、MS用の手持ち武装となっている。イオクはこれをタービンズの輸送艦に忍び込ませタービンズ検挙の理由を作り上げただけでなく、あろうことかそのダインスレイヴそのものを実戦投入した。
砲そのもの及び弾丸のサイズは非常に大きく、グレイズとほぼ同じ全長となる。作中でグレイズにより運用された際には背面に大型のタンクのようなものを装備している。弾丸は一体型であり、見た目は弾というより巨大な槍という方が正しい。
そのサイズと威力ゆえか、砲手であるグレイズ自身は次弾装填すら不可能なレベルで身動きができず、予備弾を複数搭載したフレック・グレイズが次弾装填のサポートに当たっていた。
ダインスレイヴ隊を編成し運用された本砲は、マズルフラッシュが見えた次の瞬間に着弾するほどの弾速の速さと、それまでMSの射撃兵装なら何を食らってもかすり傷程度にしかならなかったナノラミネートアーマーを持つ輸送艦や強襲装甲艦を容易に貫通、撃沈せしめるという驚異的な威力を見せ付けた。まさしく着弾するまで止まらない魔剣の名にふさわしいと言える。
マクギリス率いる革命軍との戦闘ではラスタル・エリオンもダインスレイヴ隊を配備しており、事前の仕込みで潜り込ませた間者にダインスレイヴを自身の艦隊に撃たせ、それを口実に「報復」としてダインスレイヴ隊をするというマッチポンプで名分を作りだした。 - キマリスヴィダールのダインスレイヴ
新たな武装であるドリルランスに内蔵されている。背部のシールドを接続することで射撃形態に移行する。これまでのダインスレイブが遠距離兵器だったのに対し、白兵戦を得意とするキマリスヴィダールのそれは比較的近距離での射撃を想定しているようである。
厄祭戦の記憶
ダインスレイヴの存在で鉄血世界を騒がせてしまったフラウロスであったが、発掘当時はダインスレイヴのないショートバレルキャノンが選択されており、大型MAハシュマルとほぼ近い位置で戦闘していた本機は小型MAプルーマにかぶさる形で発見されている。
地中に眠る前のフラウロスの役目はプルーマを処理・掃討することだったのかもしれない。
であるならば、ハシュマルの機能を止めたのは・・・?
厄祭戦当時のカラーリングは、白を基調としてブルーの差し色が入ったもの。同じガンダム・フレームではバエルに似た配色である。この状態のプラモデルは、プレミアムバンダイから受注生産品として発売されている。発見時のショートバレルキャノンとランナーの都合上アサルトナイフが2本付属する。なお、これらはオプションセット7に付属するものと同一なので、塗装派の人にはあまり魅力がないかもしれない。
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関連項目
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