2003年版には登場していない。
概要
ホムンクルス達の創造主にして統括者であり、文字通りホムンクルス達の父親で、自身もホムンクルスである。
生み出したホムンクルス達からは「お父様」(グリードは「親父殿」)と呼ばれ、ヴァン・ホーエンハイムからは「フラスコの中の小人(ホムンクルス)」と呼ばれている。
本編から遥か昔に存在したクセルクセスという国にてある錬金術士の手で偶然生み出された人工生命体で、生まれた当初より膨大な知識を有していた。素材には人間の血も使用されており、その血液の提供元である奴隷の青年と出会うと、己の素材提供者という恩義から彼に「ヴァン・ホーエンハイム」(本当はもっと長い名前であったが彼が覚えられないという理由でここまで削った)と言う名と錬金術をはじめとする様々な知識や情報を与えて彼を奴隷から錬金術士として大成させるきっかけを作る。以降はホーエンハイムの友人として彼を支えていった。
生み出された直後はフラスコの外では生きられず、そのことに対して不満を漏らす程度であったが、クセルクセス王が不老不死の法をホムンクルスに求めると彼に国土錬成陣の製作方法を伝授。しかし、それは制作過程の段階で国民に多大な犠牲を強いるものであり、さらに王が完成した陣を発動させた瞬間にその全てのエネルギーを簒奪、王を含めた国民全員を「賢者の石」へと変換し、肉体として「皮」を作ることでフラスコの外でも行動できるようになった。なお、クセルクセス100万の人間の内50万人分のエネルギーを自分が取り込み、残った半分を気まぐれにホーエンハイムに与えて彼をも半ホムンクルス同然の存在に変えてしまった。
だが、彼の野心はそこで留まることはなく、その後は現在のアメストリスの地へと移動し、さらに「完全な存在」になるためにアメストリスを建国させ、下僕として7体のホムンクルスを創造、国の影の支配者として数々の争乱をマッチポンプ形式で起こして新たな国土錬成陣を作成しつつ「人柱」と呼ばれる真理の扉を開けた錬金術師5人を探す。
全ての真実を知ってエドワード・エルリック達が反攻に打って出ている中で迎えた「約束の日」に国土錬成陣を発動させ、自身が「神」と呼ぶ力(惑星の真理の扉内にある情報)とアメストリス国民の魂を錬成した賢者の石を手に入れた。しかし、ヴァン・ホーエンハイムによるカウンターとして仕掛けた錬成陣が発動しアメストリス国民の魂を解放させられたことで「神」を封じる余力を失う。
さらに、スカーが発動した「逆転の錬成陣」により後述する「錬金術封じ」が無効化される。ブリッグズ兵や錬金術師の攻撃、さらにグリードの造反により賢者の石を消費させられ「神」を手放してしまう。最後には右腕を取り戻したエドワードとの一騎打ちの末に敗北。一騎打ちの際に開けられた胴体の穴から出てきた無数の黒い手によって真理の扉の前に送られ、対面した真理の意志に自身の全てを否定されて絶望しながら扉の中に引きずり込まれていった。
外見
ヴァン・ホーエンハイムとそっくりの見た目ではあるが本人よりも老けた容姿をしている。
生み出された直後は目と口がある黒い球状の靄から2本の腕が生えているという見た目だった(公式で“マリモ”)。
クセルクセス全土を使った国土錬成陣を発動して膨大なエネルギーを得てからはヴァン・ホーエンハイムの遺伝子情報を基に「皮」を作り出し、以降はヴァン・ホーエンハイムとほぼおなじ姿で活動するようになる。ただし、作り出した直後はコピーしたかのようにそっくりではあったが、やがて「皮」と中身が合っていないことから来る拒絶反応から次第にオリジナルよりも老けたような姿に変わっていってしまった。
その「皮」の中に入っている本体は黒いスライムのような不定形の物体で、全身に無数の口と目が備わっており、この時点で入れ物がなくとも外界で活動が可能になっている。
「神」を手に入れた後は若い頃のヴァン・ホーエンハイムの容姿(エドワードとも似ている)になったが、戦いの中で力を制御しきれなくなったのか顔が次第に鬼の如き形相と化していく。
性格
生み出された当初は皮肉屋気味でこそあったが、どちらかというと感情豊かで調子のいい性格をしており、友人となったホーエンハイムに対しても軽い口調で語り合うような明るいキャラクターであった。
しかし、クセルクセス王に不老不死の方法を求められた辺りから狡猾で邪悪な部分を見せるようになり、独立後はさらに完全な存在になるために人の持つ七つの大罪に基づく感情(「色欲」、「暴食」、「嫉妬」、「憤怒」、「強欲」、「怠惰」、「傲慢」)を自らの魂から切り離してそれをホムンクルス達に与えたため、感情が薄くなっている。
そのためか非常に合理的で冷酷である。よってホムンクルスや人柱など自身に有益な者にはある程度の厚遇をするが、用済みとなった者は容赦なく切り捨てる。
能力
生まれながらにして人智を超えた知識を持っているため、国家錬金術師を遥かに凌ぐ技術(人造人間・疑似真理の扉の生成など)を持つ。
さらに自身の中に賢者の石を持っているためノーモーションかつ等価交換の原則を無視した錬金術の発動ができる。
また、アメストリスの錬金術のメカニズムに深く介入し、アメストリス全土の地下に張り巡らせたパイプで循環させている自身の賢者の石を媒介させることで錬金術を発動させるようにしていた。そのため、賢者の石の循環を制御することで錬金術の発動そのものをできなくする「錬金術封じ」を行える。
「神」を手に入れた後は手のひら上で疑似太陽を作り出すなどさらに高い技術を身に着けた。
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関連項目
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