概要
エグモントとは、1992年にbird-clock'sから発売されたファミリーコンピュータ用横スクロールアクションゲーム。
当時は既にスーパーファミコンが発売されていた時期であり、また、RPG全盛期の時期でもあったため、販売本数は伸び悩んだが、独特の操作感と一風変わったゲーム構成、「魔界村より難しい」とされた終盤の狂気的な難易度、クラシックをモチーフとした重厚な世界作りなど、当時発売されていたゲームとは一線を画する内容から、一部のコアなファンを熱狂させた。インターネットによってプレイ動画が投稿される昨今になって初めてその存在を知る者も少なくない。
制作のbird-clock'sは発売直後の1992年に倒産しており、現在ROMの入手は非常に困難である。そのためプレイ動画などを参考に内容を真似て作成された同人ゲームが一部有志によって制作、配布されている。一般的にはこちらの方が好まれているようだ。
なお、1995年に次元社からプレイステーション版リメイクとして「eGMONt-光の勇者-」が発売されており、こちらは比較的容易に入手できるものの色んな意味で評判が悪く(リロード地獄、クソムービー、などなど…)、あまり取り上げられることはない。
ゲーム内容
ベートーベン作曲「エグモント序曲」を主題としており、ゲーム全体を通して本楽曲のモチーフがBGMや効果音として使われる。
音楽にクラシックを使った理由は、倒産寸前に追い込まれ予算の無かった制作者が考えた苦肉の策であった、というのが本当であるらしい。
あらすじ と 基本的な流れ
本作品で登場・操作する「エグモント」とは、個人の名前ではなく本作品の世界(「王国」)の中で伝承される「悪の化身を憑依した肉体を持つ怪物」の呼び名である。(その正体は元老院の陰謀により「王国」から追放され、消息を無くしていた王子であり、幽閉された王妃を救出することと、復讐のため自ら悪となり、「王国」へと舞い戻ったのだった。)
エグモントは憑依により常に肉体が崩壊し続けており、ゲーム開始と同時にライフカウンターが高速で減少を始める。ライフカウンターは敵との衝突や罠などでも減少し、ゲームクリアまで回復することはなく、0になったらゲームオーバーである。つまり、常に減り続けるライフ(≒制限時間)が尽きるまでに「王妃の救出」と「元老院の壊滅」を行うことがゲームの目的となる。尤も、ステージ構成はごく単純で、基本的にはひたすら横に進んでいくことでこれら目的は達成されることになる。
操作方法
基本操作は以下の通り。
※1 上ボタンによる「ジャンプ」下ボタンによる「ダッシュ」は、ジャンプ方向(右、画面半分ほど)や飛距離(キャラ2つ分ほど)が完全に固定されている。この設定に慣れるまでが大変で、めんどくさくなって「クソゲー」認定する人もいる(たぶんそっちのが多い)ただし、コツをつかんでくると爽快感すらある。
※2 「アタック(周囲2キャラ分)」や「炎の魔法(画面全体)」を使用することにより、画面上の敵や罠を粉砕することができる。しかし、使用するごとにライフが逓減するため、ゲームクリアのためには序盤はほぼ使用せず終盤の難所で僅かに利用する程度のバランス感覚でなければならない。なお、裏技によりライフ値を増やすと本当に何も面白くなくなる。
光モード
終盤ステージでライフカウンターが0になると、ゲームオーバー前に十数秒ほどの無敵状態が起こる。通称「光モード」と呼ばれるもので、肉体の完全な崩壊に至ったエグモントが奇跡により「光輝く肉体」として輝き続ける、という設定によるものだが、正直ゲームとしては大した意味はない。光モードで丁度ゲームクリアするとかっこいい、という程度のもの。
関連動画
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