概要
同人ゲームとは、個人や同人サークルによって制作されたゲームの総称である。ほぼ同等のニュアンスを持つ自作ゲーム、インディーゲーム(後述)と呼ばれることもある。広義ではボードゲームやカードゲームなどのアナログゲームもその呼称に含まれるが、一般的にはビデオゲームを指しで呼ばれることが多いと思われる。ニコニコ動画では、ニコニコ御三家の一角とも言われている「東方Project」が代表的な同人ゲームの例として挙げられるだろう。
ゲームといえばゲーム会社が作っていたような高度なイメージを持ってしまうかもしれないが、現在では様々な開発環境が個人の手の届く範囲まで普及しており、知識と情熱さえあれば個人でも製作できるはず!
ゲームジャンルもアクションやシューティング、RPGなどの代表的なものから同人ならではの斬新なアイデアを持った作品まで様々なものが作られている。ただ、プラットフォームはやや限定的で現在はPCゲームやブラウザゲームが中心である。
インディーゲーム
インディーゲーム(Indie game)とはIndiependent(独立) game、つまり個人やサークル、独立系企業によって制作されたゲームの総称である。国内では和製英語のインディーズゲームという呼称もメ ディアも含めて使われている。(インディー、インディーズという言葉の用法については該当記事も参照)
今日の国内のゲーム関係のコミュニティでは、インディーゲームが一般に流通する商業向け作品も含めるのに対し、同人ゲームと呼ばれるものはイベントなどで頒布される非商業系や二次創作作品を指して呼ばれる例が多いと思われる。ただ、自主制作のゲームという意味ではどちらもほぼ同等であり、呼称は作者やコミュニティによってまちまちである。
以降この記事では記事名に則って「同人ゲーム」という呼称を使用します。
購入方法
同人ゲームは基本的に同人という形態やプラットフォームが限定的であることから、一般のゲームショップや家電量販店では購入できないケースが多い。入手するためには頒布が行われるイベントに参加したり、同人専門店や製作者のサイトで購入する必要がある。近年ではダウンロードプラットフォームやダウンロード販売店の普及やインディーゲームシーンの活性化により、主にオリジナルの作品を中心に配信が行われている例も多い。
作品によっては無料で発表されていることもあり、ブラウザゲームやFLASH形式のゲームは作者のサイトで遊べるようになっているものもある。こうした無料のゲームは「フリーゲーム」とも呼ばれている。
同人から商業へ
同人ゲーム製作者の中には、プロに転向する人や会社を興す人もいる。有名な例では「月姫」を製作したTYPE-MOONはサークルから企業になり、そこに所属していたシナリオライターの奈須きのこは作家業も行うようになった。「ひぐらしのなく頃に」の作者である竜騎士07も、自身の作品が口コミで徐々に知れ渡り、最終的にはメディアミックス(アニメ化・ゲーム化・漫画家・実写映画化)によって知名度を爆発的に広めることに成功した。加えて、元々同人ゲームだった自身の作品が商用のゲームソフト(DS、PS2等)として再度発売されている。
また、自主制作のゲーム制作から始まったという話であれば、現存する有名なゲーム会社の中にも、元々は創始者のアマチュア活動の結果として設立されたものもある。ハドソンやエニックス(現スクウェア・エニックス)、チュンソフトが代表例である。ほか、海外ではMODコミュニティ出身の開発者も数多い。
開発における課題点
著作権
既存のアニメや漫画のキャラを題材にした二次創作ゲームの場合は二次創作の同人全般に言える著作権の問題を抱えている。実際にそのような二次創作ゲームの中には著作権者からの警告により配布停止となった事例が複数存在している。一方で二次創作ゲームではあるものの著作権者の公認を取得しているケースも存在する。
一般市場での流通の困難さ
基本的に家庭用ゲーム機(PS3、ニンテンドーDS等)で個人やサークルで制作した作品を発表することは困難である。高価な開発用機材を購入し、審査をパスし、ハード機メーカーへライセンス料を払い、流通に乗せなければいけないからだ。 よって、製作者は基本的にインターネットや同人ショップを通じてパソコン用のソフトしか発表できないでいる。かつて任天堂DS用のソフトを無断で製作したサークルは、任天堂から警告を受けてソフトの発売を中止している。
こうした理由から同人ゲームの多くはPCゲームタイトルが中心である。家庭用ゲーム機が広く一般的な国内のゲーム市場とコミュニティでは、同人ゲームが活躍する場所がやや限定的になってしまっていると言えるかもしれない。
ただ、近年になってからはマイクロソフトによる無償の開発環境「XNA」が提供されるなどして、これを使って開発したゲームをXbox360上で動かすことが可能である。登録料が必要になるがXbox LIVE インディーズ ゲームとしてストア上で配信することも可能である。また、iTunes、GooglePlay、Steamなどのダウンロード配信プラットフォームやPLAYISMなどのダウンロード販売店での販売も可能である。
高くなるハードル
現在は開発機器やソフトの値段も下がったことで個人や少人数のサークルでも自力でゲームを製作することは難しくない。しかし、ゲーム会社が作るビッグタイトルのような作品の製作となると話は別である。同人ゲームやインディーゲームが活性化する一方で、ユーザーからより高度な内容、ボリュームが必要以上に求められてしまうという例も少なくないとされる。
また、ネット上で非常に高い品質のゲームを多く目にすることで、若い人が最初からゲーム制作を諦めてしまう現象が起きているとされ、その結果、若い人の新規参加が減り、ゲーム制作者の平均年齢が徐々に上がっているとも言われている。
大百科に記事がある同人ゲームの一覧
フリーゲームの一覧⇒「フリーゲーム」
「東方Project」の二次創作ゲームの一覧⇒「東方二次創作ゲーム」
大百科に記事がある同人ゲームサークルの一覧
関連動画
オリジナルの同人ゲーム
二次創作の同人ゲーム
関連項目
- ゲームジャンルの一覧
- フリーゲーム
- 自作ゲーム
- インディーゲーム
- 同人
- 三大同人ゲーム
- 同人STG
- 同人ゲームプレイpart1リンク
- Xbox LIVE インディーズ ゲーム
- PLAYISM
- ステラのまほう (同人ゲーム制作が主題の漫画・アニメ)
- りせっと!(同人ゲーム制作を題材にしたゆるゆりのスピンオフ漫画)
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