憑依とは、神、霊、悪魔などの霊的存在が乗り移る事である。
概要
神降ろし、神懸り、神宿りとも呼ばれている。憑りつく霊の種類によって悪魔憑きなどと呼ばれる場合がある。また、人が乗り移った霊は憑物(つきもの)と呼ばれる。
学術的な視点で使われる場合、元々「憑依」という言葉はドイツ語の Besessenheit や英語の possession(spirit) を翻訳するために用いられたと言われている。
基本的に霊が一方的に乗り移るのだが、人間が霊を意図的に乗り移らせる事がある。大抵の場合は乗り移られた人物は、自身が乗り移られた事に気付かない。何らかのメッセージを伝えるために憑くと言われており、霊の人格が本人の人格を抑えて喋ったり体を動かしたりする場合がある。
創作の中の憑依
悪魔・悪霊に憑依された人物を助ける『エクソシスト』などの作品も存在するが、薬や機械などにより生きている人間が魂だけとなり別人に憑依するというパターンも多い。また、巫女・イタコなどの専門職が神霊・霊魂を自らに憑依させ、特別な能力を発揮するといった伝奇もの・能力バトル物なども存在する。
共通して言えることは、憑依される前と憑依された後でキャラクターの人格が大幅に変化し、そのギャップを楽しむことができるということである。
キャラクター乗換としての憑依
アクションゲームなどにおいて、自機性能を変化させるために敵キャラに憑依して新しい自機とするというパターンも存在している。
『スーパーマリオ オデッセイ』などがこれにあたる。
TSF(性転換)としての憑依
憑依する側と憑依される側の性別が違った場合、それはTSF(性転換)の範囲にも含まれる。
男性が別人の女性の体を得て、その体を好き勝手するというパターンは入れ替わりと同様である。しかし、入れ替わりと違って女性の意識の入った元の身体がないため、いざ一線を越えようとしたときに妨害されることがない
SS界隈での憑依と異世界転生との関連
ネット上の小説(SSなど)では、ある世界(大抵現実世界)の人物の意識や人格が、現実の創作作品、または作中作内の人物に憑依する事を言う。
『新世紀エヴァンゲリオン』などのSS華やかなりしころには、現実世界から作中の人物に憑依して~、といった二次創作作品が量産されたこともある。
二次創作では逆行物の、オリジナル作品では異世界転生の亜種である。どちらにせよ、憑依する人物は自らが憑依したキャラクターの結末を知っていることが多い。主人公格に憑依したのであればより楽に目的を達成しようとしたり、あるいは本来は主人公が陥っていたはずの窮地に立たされ絶望するといった展開が待っている。逆に物語の敵側や噛ませキャラに憑依してしまった場合、その状況からの脱出を図ることが主題となる。
通常の異世界転生物との違いは、物語に対する知識を持っていることにより次の展開の予測がある程度できることである。すなわち現代知識に頼らず、作品内の知識のみでチート行為が可能となる。その反面、憑依する側が知らない、作中作を読んだりプレイした中で描写されていなかった部分など既存の知識の外にある事柄については思いが及ばず、その領域からの思わぬ一撃が加えられることもある。
また、既存のキャラクターに憑依するという行為も大いにネタにできる。憑依した相手の意識は消えてしまっているのか、それとも残っているのか。憑依する側の憑依以前の記憶は残っているのか、憑依された側の憑依以前の記憶は残っているのか、憑依以前のキャラクターの立場・行動を引き継ぐのか、それとも改めるのか。この辺りの変化によってオリジナリティを出す事も出来る。
憑依関連作品
- 仮面ライダー電王
主人公野上良太郎にはモモタロス・ウラタロス・キンタロス・リュウタロスなどのイマジンが憑依し、それぞれ異なった姿のライダーへと変身する。 - シャーマンキング
シャーマンたちの戦いを描いた作品。連載初期ではシャーマンの肉体に直接幽霊を憑依させて戦っていたが、中盤以降はアイテムに幽霊を憑依させて戦うようになった。 - ファンタズム
死んで幽霊となった主人公が、敵キャラの肉体を次々と乗り換えながら進んでいくアクションゲーム。 - おばけの行進曲
ファンタズムのリスペクト作品として作られたフリーゲーム。 - スーパーマリオ オデッセイ
新パートナーキャッピーの力によってマリオは敵キャラや無機物その他に乗り移る能力を手に入れている。 - 東方憑依華
「エロと憑依」をテーマとした東方Project第15.5弾の弾幕アクションゲーム。 - カードファイト!!ヴァンガードG NEXT / カードファイト!!ヴァンガードG Z
設定上は「憑依」を行うカードゲームのメディアミックスだが、この期ではさらに、カードの舞台である世界の存在と魂を共有したり、肉体を乗っ取られたりしたキャラクターが少なからず存在する。 - 君の気持ち、僕のこころ
1999年にPSで発売された恋愛ADVゲーム。ひょんな事から超能力・憑依が使えるようになった主人公が意中の女の子に憑りついてその秘密を探る「超能力ラブコメディ」。
作中で憑依描写のあった作品
- ドラえもん
「たましいふきこみ銃」「たましいいぶりだし機」など魂を他人に憑依させるひみつ道具が存在する。 - NARUTO
作中のキャラクター山中いのは他人の身体に憑依して乗っ取る忍術「心転身の術」を使う。 - 幽遊白書
初期エピソードで魂だけの存在だった浦飯幽助が桑原に憑依するエピソードがある。
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関連項目
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