ニコニコ大百科 : 医学記事 ※ご自身の健康問題に関しては、ご自身でエビデンスを探して下さい。 |
エビデンス(evidence)とは、それぞれの業界、学問で「科学的根拠」、「証拠」となるものである。
概要(医学業界)
生理学的判断、権威、個々の医師などによる個人的経験だけでなく、世界中で実施される臨床研究などの証拠、検証結果を指す。
エビデンスレベル(医学業界)
の順で高く、高ければより信頼性が高いと考えられている。
なお、一般向け医学本は4や5に基づくものが多いので要注意。「がんもどき理論」で有名な某氏や「ワクチンは有害」と唱える某氏の本とか。自分の主張を支持するだけの説得力がある研究結果(=1,2,3)を出せないので、間違いだったとしても5に基づいて一般向けに本を書いて金稼ぎを目論んでいるケースすらある。
EBM(evidence-based medicine)
近年はネットの発達などでエビデンスへのアクセスが容易になり、医療現場において根拠に基づいた医療=evidence-based medicineの考え方が浸透しつつある。これはあくまでも「より良い医療を実現するための一つの方法」であり、医療従事者の経験やカン、患者の意思などを無視して絶対に従わなければならない、というものではない。根拠に基づいた医療は、手段であって目的ではないのである。
実際のところ、確たるエビデンスは揃ってないが過去の実績が沢山あるため広く行われている治療はいろいろある。例えば突発性難聴は発症後の早い段階でステロイド剤を高用量で投与するステロイドパルス療法が昔から標準的な治療として広く行われているが、実は現在のところ十分にエビデンスは揃っていない。
しかし貴方の片耳が聴力を失って、医師が「突発性難聴の疑いがあります。そこで、治験に協力していただけませんか?その場合、半分の確率で薬効成分の入っていない薬になるかもしれませんし、難聴が一生残るかもしれません。私もどっちを投与しているかは把握しません。」と言ったら、貴方は実績のある薬を投与するように言うだろう。
高潔な精神で協力してくれる人も少なからずいるだろうが、昔から実績があり、それを行わないことのリスクが大きいような治療に対して比較試験を行うことは倫理的な問題もあり難しいのである。
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