スキマバイトとは、日単位もしくは時間単位で就労するマッチングタイプのアルバイト(労働形態)である。業界用語はスポットワーク、スキマバイトを主として働く人のことをスポットワーカーと呼ばれる。
概要
スキマバイトとは、月単位で働くアルバイトや、無期・長期契約で雇用される正社員・契約社員とは異なり、日単位もしくは時間単位で就労する労働形態である。
働く人の好きな時間に合わせて就労したり、学業の合間に数時間だけ働いて賃金を得られる手軽さや物価高の影響などもあって、近年市場が急速に成長している。
似たような形態に日雇い労働者(派遣)があるが、日雇い労働者(派遣)は雇用保険法に定められた、企業と都度労働契約を結び1日単位30日以内で雇用される労働者である。
などの違いがある。
また通常のアルバイトでは適用となる社会保険や厚生年金も適用外となる。ただし労災保険は斡旋先の企業により通常の正社員・アルバイトと同様に適用される。
なお、雇用契約の斡旋であるため、風俗店キャストなど請負契約が主となる職種の募集は原則行われない
(ただし事務やホール等、雇用形態で就労する職種は募集できる)。
登録制バイト
スキマバイトの求人の中には「登録制バイト(または日雇いバイトなど)」と呼ばれるものが存在する。
概要で触れたとおり、スキマバイトと日雇い労働者(派遣)との違いを記したが、もう少し掘り下げると、2012年の労働法改正に伴い日雇い労働は原則禁止されている。ただ例外事項として
- 学生であること(※高卒かつ昼間、大学や専門学校に通学している。ただし定時制・通信制は対象外)
- 満60歳以上であること
- 年収500万円以上で副業を希望する人
- 世帯収入が500万円以上、かつ主たる生計者でない人(※主婦/主夫が分かりやすい例)
- 日雇い労働の例外事由に該当する業務であること(※本記事では割愛)
これらの条件を1つでも満たしていれば日雇い労働が可能となっており、登録制バイトはそんな日雇い労働者向けのバイトになっている。
主な斡旋業者
- タイミー
- シェアフル(パーソルが運営)
- スポットバイトル(dipが運営)
- ショットワークス
- フルキャスト/トップスポット(運営元が同じ)
- マッハバイト
- LINEスキマニ
- メルカリハロ(※2025/12に運営終了予定)
- タウンワークスキマ(※2024年秋頃を目途に運用開始予定だったが打ち切り)
メリットとデメリット
メリット
- 斡旋業者に登録すれば、面接や履歴書提出の必要が無い
- 仕事や学業の空いた時間に働いて賃金を得られ、斡旋先または斡旋業者によっては日払いや即日振込してもらえるサービスが使える
- 自分のライフスタイルに合わせて働ける
- 多種多様な職業の経験を得られる
- 就労実績によっては高給職の斡旋や正社員登用のオファーを貰える
デメリット
- 都合のいい日時に募集があるとは限らない
- 就業決定後、斡旋先からドタキャンされる場合がある
- 社会保険・雇用保険は適用されない
- 本業を抱えている人は副業と判断され就業規則違反のおそれがある
- 年間の賃金が100万円を超えると住民税の課税対象となる
- 年間の賃金が160万円を超えると所得税の申告対象となり確定申告が必要、かつ配偶者扶養控除の範囲外となる[1]
- 1日当たりの賃金が9,300円を超えると所得税の源泉徴収が行われる
* 就労実績により確定申告で還付を受けられる場合がある
斡旋業者はこのデメリットによるトラブル防止の観点から、おおむね下記の制限を付けている
- 就業件数は1日1件まで
- 週当たりの総労働時間は39時間未満まで
* 労働基準法における法定労働時間による制約 - 同一企業から受け取る賃金は月当たり78,000円未満まで
* 社会保険の標準報酬月額による制約 - 同一企業から受け取る賃金額は1年当たり28万円未満
* 自治体による給与支払報告書による制約 - 同一企業が複数の支店を持っている場合、制限されると全ての支店で就業が出来なくなる
ただし斡旋業者の掛け持ちは制限されておらず、やろうと思えば複数の斡旋業者から1日2件以上掛け持つ事もできるがトラブルは全て自己責任となる。
注意点ならびに問題点
地域による求人数や職種の格差
当然ながら、自分の住んでいる地域または市区町村単位で求人数に差が出たり、特定の職種や仕事内容に偏りが出てしまい、いざ探そうとするとここでつまづく場合が多い。この他にも
- 交通費支給の有無は斡旋先に左右される
支給があったとしても低額で上限が設けられていたり(往復500~1000円程度)、近場でも無支給の場合が多い - 通勤手段の複雑さ
JRまたは私鉄→(別の)私鉄・バスに乗り換えて向かう、または斡旋先の最寄駅から徒歩数十分以上掛けて向かうetc... - 準備物の用意
貸与されるのが殆どだが、斡旋先から安全靴や保護具等の持参指示が出た際、自分で用意しなければならないため余計な出費が発生する
など、通常のアルバイトと違い様々な制約が出てくる。
仕事内容・条件のミスマッチ
斡旋業者によっては求人の応募後、仕事内容・条件の説明をしてくれるが、斡旋業者が介さない場合、
- 募集要項に「1日でも可」と書いてあったが、採用担当から「1日単位の就業は受け付けていない。最低でも週2日から入ってほしい」と言われた
- この業務は研修が必要で、研修期間中は時給換算になるため日払いが出来ない(←募集要項にはその旨の記載が無かった)
- 実際の仕事内容が募集要項に記載されていたものと違ってた
- 法令違反の業務内容・労働環境
偽装請負、サービス残業、ハラスメント行為etc... - 闇バイトの斡旋(厳密に言うと斡旋業者側の審査がすり抜けてしまい掲載)
にわかに信じがたいが、タイミーでこうした事例が起きてしまった
関連項目
脚注
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