スノウ・クラッシュ(英:Snow Crash)とは、ニール・スティーヴンスンのSF小説である。
概要
連邦政府が無力化し資本家によるフランチャイズ国家が国土を分割統治する一方、オンライン上に仮想世界「メタヴァース」が築かれた近未来のアメリカ。アヴァター技術を開発した凄腕ハッカーにして、マフィアが経営する高速デリバリーピザの〈配達人〉ヒロ・プロタゴニストはある日、メタヴァースで出会った男に「スノウ・クラッシュ」なる謎のドラッグを手渡されるが……。本書が未来を書き換え、SFは現実と接続された。
アメリカの作家、ニール・スティーヴンスンが1992年に発表したSF小説。もともとはグラフィックノベルとして発表される予定だったらしい。
邦訳版は1998年にアスキー出版局から日暮雅通訳で刊行され、2001年に早川書房のハヤカワ文庫SFで文庫化された。SFマガジンの「ベストSF1998」では海外編4位。[1]
いわゆるポストサイバーパンクを代表する作品のひとつ。80年代のサイバーパンク(『ニューロマンサー』など)がディストピア的な世界観でのノワール的な作品であったのに対し、本作も衰退した近未来アメリカを舞台にしているが、めまぐるしいスピード感のあるポップな作風で、当時のアメリカの若い世代から熱狂的な支持を受けた。ちなみにSFとしては言語学モノに属する。
2003年リリースのチャットサービス「SecondLife」のヒントとなったとされ、VRChat(2014年リリース)に代表されるメタバースと呼ばれるチャットサービスジャンルが形成された。前述のハヤカワ文庫版はしばらく品切れになっていたが、こうした作中のギミックの現実化を受けて2022年に〔新版〕として復刊されている。
書籍
関連項目
脚注
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