ネッシー(英語: Nessie)とは、イギリス・スコットランドのネス湖で目撃される未確認動物(UMA)「ネス湖の怪物」(Loch Ness Monster)の愛称である。
概要
おそらく世界で一番よく知られたUMAで、UMAの代名詞的存在である。
イギリス、スコットランド北部の淡水湖であるネス湖で目撃され、一般には首長竜の生き残りという説が有名だが、変温動物である巨大水棲爬虫類が北部の極寒の湖の中で生存できることに否定的な意見は多い。ともあれ20世紀最大のミステリーの一つと謳われ、多くの写真や映像が公表され続けている。
とくに有名な写真は1934年、産婦人科医ロバート・ケネス・ウィルソンが撮影した「外科医の写真」。水面から立派な鎌首をもたげたネッシーが色鮮やかに写されており、ネッシーの代表的写真と持て囃される一方、波の大きさや形状などからトリック写真の可能性も疑われ、その真偽が盛んに議論された。しかし約60年後の1993年、ウィルソンの友人が玩具の潜水艦を使ったトリックであったと証言した。
しかしネス湖の周辺では古来から現在に至るまで怪物の目撃談がある。またネッシーの写真や映像は他にも数多く存在し、その中の多くはトリックでは説明がつかない。つまり、いまだに怪物の謎の全貌が明らかになったわけではないのだ。
ちなみに、ネス湖が現在の湖の状態になったのは現在からおよそ1万年前であり、中生代の水棲生物がそのまま生息していることはないとされている[1][2]。
日本への影響
日本ではネッシーの強い影響で、国内の湖沼に出没するUMAを「湖沼名の頭文字+ッシー」と名付けることが多く、またその多くは首長竜とされている(池田湖のイッシーや屈斜路湖のクッシーなど)。地元ではUMAを題材としたコミカルなイラストをパッケージにしたおみやげが販売されたり歌が作られたりするなど、地域経済に大きく貢献しているゆるキャラの先駆け重要な観光資源である。
こうしたUMAの目撃談は、経済成長がひと段落し、国民が豊かになった後に訪れた冷戦下の社会不安の中で急増し、一連のオカルトブームの一大ムーブメントを形成していった。つまり、人々は不安を紛らわすように、整備された道路をマイカーに乗って行楽地へと赴く。そして最新鋭のカメラやビデオカメラを回していると、おかしなものが写っている・・・というわけだ。
(奇しくもこの状況は、ネス湖で怪物の目撃が増加した1930年代の状況によく似ている。小型自動車が広く普及してネス湖周辺の道路の整備が進み、大衆向けカメラが次々に登場したのは大体この頃。そしてウィルソンの写真が撮られたのは第一次大戦終結の16年後であり、第二次大戦開始の5年前である。)
しかしネッシーと同じく、これらのUMAがその存在を否定されたわけではない。特に水棲生物に関しては、ごく身近なものと想われがちな生物であっても実は殆んど生態が解明されていない、というのは最近明らかになったウナギの回遊ルートの例からも判るだろう。シーラカンスやクニマスのように絶滅したと思われていた水棲生物が生存していた例もある。多くの人々がそれを目撃しているという事実がある限り、何かがそこにはあるのだ。首長竜かどうかはともかく。
なお、元東京都知事である石原慎太郎氏はネッシーの存在を信じていたらしく、何度か捜索隊を派遣している。
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
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