この記事では浦沢直樹の漫画作品について記述しています。
一般名詞やその他のmonsterについては「モンスター」の単語記事を参照のこと。
MONSTERとは、ビッグコミックオリジナルに1994年から2001年まで掲載された浦沢直樹著作のミステリー漫画およびアニメである。
アニメ版は当時まだ珍しかった深夜アニメとして放映され、内容も非常に原作漫画に忠実に作られているが、これは原作者が「足すのも引くのも絶対ダメ。漫画の通りに映像化してほしい。」と注文をつけたことによる。また、配役についても「全盛期のテレビ洋画劇場における吹き替えのイメージで」というリクエストを提示し、日曜洋画劇場などでの常連だったベテランが声を担当している。
単行本は全18巻が出版され、累計2000万部以上を売り上げた。
現在はカラーページも収録された新装版が全9巻出版されている。
あらすじ
1986年、西ドイツ・デュッセルドルフのアイスラー記念病院に、頭部を拳銃で撃たれた少年が搬送される。天才脳外科医・テンマは、院長の命令を無視して、その少年を救う。院長命令の無視によって出世街道から外されるテンマであったが、突如院長らの殺人事件が発生。テンマは一夜にして外科部長まで昇進する。
数年後、外科部長として仕事をしていたテンマの元に、殺人事件と同日に失踪していた少年ヨハンが現れる。そして、自らの命を救ってくれたテンマのために、自分が院長らを殺したと告げる。
恐ろしい人物を蘇らせてしまったと悔やむテンマは、自らの手で少年を殺す旅に出る。
登場人物
- ケンゾー・テンマ(天馬賢三)
- 物語の主人公。デュッセルドルフのアイスラー記念病院に勤める日本人脳外科医。若くして天才と呼ばれ、将来の院長は間違いないと言われた。日本に帰ることはめったになく、物語の中でも日本のことを語るシーンは少ない。ヨハンの犯した殺人事件の犯人として指名手配されながらも、ヨハンを殺すために旅を続けている。
- ヨハン・リーベルト など
- 多くの人から“怪物”“悪魔”などと呼ばれる男。幼いころから人並みはずれた知能と圧倒的なカリスマ性を持つ。また驚異的な扇動力によって、自らが手を出すことなく数々の人々を殺し合わせた。アンナという双子の妹がおり、彼女の存在が幼いヨハンの心の糧となっていた。
- ニナ・フォルトナー(アンナ・リーベルトなど)
- ヨハンの双子の妹。テンマが手術をするきっかけとなった頭部の怪我を負わせた。ヨハンと共に病院に運び込まれ、ヨハンと共に病院を失踪した。その後、フォルトナー夫妻に引き取られるが、兄ヨハンはすぐに失踪。20歳になるまでフォルトナー夫妻に育てられる。幼いころの記憶を失っていたが、テンマと出会ったことをきっかけに記憶を取り戻していき、幼いころ殺せなかった兄を殺すため旅に出る。
- ヴォルフガング・グリマー または ノイマイヤー
- フリーのジャーナリスト、元は東ドイツのスパイとして世界各地を渡っていた男。ヨハンと同じ孤児院にいたこともあり、非人道的な教育を受けていた。窮地に陥ると、意識がなくなる代わりに驚異的な力を発揮しあたりの敵を殴り殺し、自らを守る。テンマとの出会いをきっかけに、ヨハンについて調べ始める。
- ハインリッヒ・ルンゲ
- BKA(ドイツ連邦捜査局)警部。アイスラー記念病院の事件でテンマを犯人と睨み、それ以降テンマを追い続ける。ヨハンの数々の犯行をテンマのものと思い込み捜査を続けるが、シューバルトの事件をきっかけにヨハンの存在に気づき始める。
- エヴァ・ハイネマン
- アイスラー記念病院のハイネマン院長の娘で、テンマの元婚約者。テンマ以外にヨハンを見た唯一の女性。テンマのことを想う一方、自分に関心を持たないテンマに苛立ちを持ち、テンマの不利益になるような発言を繰り返す。
プチ情報
- 作品中で主人公のケンゾー・テンマは国境なき医師団に参加するが、現実の世界でもMONSTERを出版した小学館が、国境なき医師団を支援している。
- 2005年春、『ロード・オブ・ザ・リング』などを製作したニュー・ライン・シネマが映画化権を獲得し、脚本をジョシュ・オルソンに内定したが、その後の経過は不明。
- インパルスの代表ネタに、ヨハン・リーベルトの名を借用したコントがある。
板倉がヨハン・リーベルトを演じている。本名は清水和孝、30歳という設定。
ヨハンの真似をして自らの罪(キセル乗車など)をはぐらかそうとするが気が小さく、堤下に脅されて本当のことを漏らす展開はお約束。
板倉が本作品のファンであることから作られたコントであるが、世間一般には「板倉演じるヨハン・リーベルト」の方が本物よりも認知度が高いかもしれない。
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