ヤギ(台風)単語

ヤギ

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ヤギ(台風)とは、命名規則により「ヤギ」と名づけられてしまった台風たちのことである。

概要

台風の名前は日本では「台風○号」という番号を使った表記が一般的だが、2000年から国際機関の台風委員会によって、国際的にも通じるアジア名もつけられるようになった。あらかじめ140個の名前が委員会参加国の言語で用意され、発生した順にその名前で命名されていく仕組み。最後の140個までいったら、1個目に戻って再び名づけていく。

それぞれの国の言語で表された動物や植物、地名、神様などの名前が台風に名づけらており、日本の場合はは星座の名前を用意したのだが・・・

番号	台風の名前	星座名
5	Koinu（コイヌ）	こいぬ座
19	Yagi（ヤギ）	やぎ座
33	Usa gi（ウサギ）	うさぎ座
47	Kajiki（カジキ）	かじき座
61	Koto（コト）	こと座
75	Kujira（クジラ）	くじら座
89	Koguma（コグマ）	こぐま座
103	Tok ei（トケイ）	とけい座
117	Tok age（トカゲ）	とかげ座
131	Yamaneko（ヤマネコ）	やまねこ座

と、妙にシュールな名前が並んでいる。その中で「ヤギ」が注目されるようになったのは、2018年に発生した四代目ヤギが原因である。その気の抜けた名前にSNSで話題となり各種ニュースサイトなどでも取り上げられている。

ちなみに全140個の台風の名前一覧は気象庁のHPに記載されている。
台風の番号の付け方と命名の方法 - 気象庁

初代ヤギ（2000年台風19号）

2000年 10月22日、北マリアナ諸島付近で台風19号が発生。

命名法が始まった2000年の19番目に発生した台風ということで、それに従って「ヤギ」と名づけられた。ヤギはそのまま西進し、先島諸島に接近し大雨を降らせた。その後のヤギは石垣島の北をぐるっと回り、勢力を弱めながら西進し与那国島付近で熱帯低気圧になった。

二代目ヤギ（2006年台風14号）

2006年 9月17日、南鳥島の南東約500kmのところで台風14号が発生。

6年の間に命名リストが一巡しており、再び「ヤギ」という名前がつけられた。生まれたころのヤギは迷走していたものの、21日には猛烈な台風になり、小笠原諸島を暴風域に巻き込んだ。そのままヤギが関東地方に上陸するかと思われたが、進路を北東、そして東にとり太平洋を突き進み、アリューシャン列島沖で温帯低気圧になった。

三代目ヤギ（2013年台風3号）

2013年 6月8日、フィリピンの東で台風 3号が発生。

再び命名リストが一巡していたため、三度「ヤギ」という名前がつけられた。ヤギはその後日本を目指し上陸するかに思われ本州南部の学生の期待を集めたが、勢力がそれほど強くならず、青ヶ島付近で迷走しながら温帯低気圧になった。

この時点で「ヤギ」という名前がネットの一部で話題になっていた。

四代目ヤギ（2018年台風14号）

2018年 8月8日、フィリピンの東で台風14号が発生。

例のごとく命名リストが一巡しており、「ヤギ」と名づけられる。今回のヤギはお盆休みの日本に影響するルートであったこと、日本気象協会などで命名法が浸透しつつあったこと、Twitter（現：X）などのSNSが発達していたことも相まって、話題になった。その後、沖縄の付近を通過し大雨を降らせたあと、中国に上陸し、13日には熱帯低気圧になった。

ヤギね！

特に四代目の時にこの台風について、キリン柄の服の女の子の絵と一緒に話題にされることがあるが、その元ネタは"けものフレンズ"に登場するキャラクターの「アミメキリン」。アニメ『けものフレンズ』において、主人公のサーバルの事をヤギと間違え「あなたは、ヤギね！」というセリフが人気となったためである。

詳しくは単語記事「アミメキリン(けものフレンズ)」を参照。

五代目ヤギ（2024年台風11号）

2024年 9月1日、フィリピンの東で発達した熱帯低気圧から台風11号が発生。

やはり命名リストが一巡しており、「ヤギ」と名づけられる。フィリピン北部に上陸して南シナ海上に抜け、中国南部の海南島からベトナム北部に移動したルートをとった。

しかし南シナ海の台風としては異例の勢力であり、9月5日には最低中心気圧の915hPaとなっていた。既にフィリピンで20人ほどの死者を出していたが、ベトナムではそれを超える250人以上の死者が確認されたほか、以降も熱帯低気圧として猛威を振るい、ミャンマー・ラオス・タイを合わせて700人以上の死者を出している。